
記事公開:2026.7.24
ネコちゃんの顎の下に「黒いポツポツ」ができているのを見つけて、「これって病気?」「家で洗ってもいいの?」と不安になったことはありませんか?
ネコちゃんの顎の下にできるポツポツは、顎ニキビ(猫痤瘡・ねこざそう)と呼ばれる、多くのネコちゃんが経験する皮膚トラブルです。軽症であれば自宅ケアで改善することも多い一方、放置すると二次感染を引き起こし、動物病院での治療が必要になることもあります。
この記事では、症状の見分け方や自宅での正しいケア方法、受診の目安などをわかりやすく解説します。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。 2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ネコちゃんの顎ニキビは進行度によって見た目や症状が大きく変わります。初期は汚れと見分けがつきにくいため、日頃からネコちゃんの顎の状態を観察することが早期発見のカギです。
■ネコちゃんの顎ニキビの進行度と主な症状
| 進行度 | 症状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初期 | 黒ずみ | 顎の皮膚に砂粒のような黒いポツポツ(角栓・粉状の汚れ)が現れる。汚れと違い、洗っても取れない |
| 中期 | 赤み・腫れ | 炎症が進み、皮膚が赤くなって腫れてくる。ふれると痛がる場合もある |
| 重症 | かさぶた・膿 | 二次感染が起きると膿が出たりかさぶたができたりする。悪臭を伴うこともある |
毎日同じ明るさの場所でネコちゃんの顎を観察・撮影し、変化を記録しておくとよいでしょう。ネコちゃんがリラックスしている時間に、短時間でさっとチェックする習慣をつけるのがおすすめです。
顎ニキビの多くは、複数の要因が重なって起こります。原因を把握すると、予防や再発防止につながります。
<ネコちゃんの顎ニキビの原因>
・食器での雑菌の増殖
・食事中の摩擦
・ストレスによる免疫低下
ネコちゃんが使う食器のうち、プラスチック製は傷がつきやすく、細かい傷ができるとその中で細菌が繁殖しやすくなります。ネコちゃんが食器に顔を近づけるたびに、顎の毛穴へ雑菌が入り込み、炎症を引き起こす原因となります。
食器を毎日洗っていても傷の中の菌は落ちにくいため、食器の素材ごと見直すことが根本的な対策です。陶器やガラス製の食器が推奨されます。
深さのある食器にネコちゃんが顔を突っ込む動作をするたびに、顎の皮膚が摩擦を受けます。その際、顎についた食べかすや油脂が時間とともに酸化し、皮膚を刺激することも原因の1つです。食後に顎を拭いてあげない状態が続くと、汚れが毛穴に詰まりやすくなります。
ネコちゃんのストレスによるホルモンバランスの乱れや免疫力の低下は、皮膚トラブルを招きやすくします。特に生後6ヵ月〜2歳ごろの若いネコちゃんはホルモンバランスが乱れやすく、去勢・避妊手術を受けていない場合はさらに影響を受けやすいといわれています。老化や長期的なストレスで免疫力が落ちているネコちゃんも、顎ニキビが繰り返しやすくなる傾向があるため注意が必要です。
顎ニキビの多くは、日頃のちょっとした習慣の見直しで予防できます。3つのポイントを意識してみましょう。
■ネコちゃんの顎ニキビを防ぐ方法
ネコちゃんが使う食器を、傷がつきにくく雑菌が繁殖しにくい陶器やガラス製、ステンレス製のものに変更することが、効果的な予防策の1つです。
食器はペットに安全な中性洗剤で毎日洗い、形状は浅く広めのものを選ぶと顎への摩擦が減ります。また、食器に目に見える傷や汚れがこびりついてきたら交換のサインと考え、常に清潔な食器を使うようにしましょう。
ネコちゃんの食後はウエットシートや濡らしたガーゼで顎を優しく拭き、食べかすや油脂が毛穴に詰まるのを防ぎましょう。ゴシゴシこするのではなく、やさしく押さえるようにするのがポイントです。
ネコちゃんが嫌がらないよう、ごほうびと組み合わせてケアを習慣化すると続けやすくなります。
ストレスはネコちゃんの免疫力の低下につながります。トイレの清潔さや設置場所、爪とぎ、隠れ場所といった生活環境を、ネコちゃんの好みに合わせて整えましょう。特に多頭飼育の場合は、ほかのネコちゃんとの関係性もストレスの一因になることがあります。
黒いポツポツは顎ニキビ、とオーナーさんが自己判断してしまうと、本来の原因に合わないケアで悪化させてしまうリスクがあります。例えば、顎ニキビ用のケアが合わない場合、アレルギーや真菌症の悪化につながりかねません。
また、顎以外にも赤みや脱毛が広がっていないか、激しい痒みや元気の消失がないかを確認し、判断に迷ったら動物病院に相談しましょう。顎ニキビと混同しやすい皮膚疾患と主な原因は次のとおりです。
■顎ニキビと混同しやすい皮膚疾患と主な原因
| 皮膚疾患 | 主な原因と症状の特徴 |
|---|---|
| アレルギー性皮膚炎 | ・食器の素材(プラスチックなど)やフードに含まれる特定成分が原因になることもある ・顎ニキビよりも強い赤みや激しい痒みが出やすく、目や耳にも赤みが広がる。ただし、症状が顎ニキビのみのこともあるので注意 |
| 真菌症 | ・免疫力の低下時に感染しやすい真菌(カビ)の一種である皮膚糸状菌などが原因 ・円形状の脱毛やフケが出る |
| ニキビダニ症(毛包虫症) | ・毛穴に潜むニキビダニの異常増殖が原因 ・重度の脱毛や、皮膚が厚くゴツゴツした質感になる ・顎ニキビと見分けにくく、動物病院での検査でしか特定できない |
顎ニキビの症状が進行している場合は、家庭でのケアだけでは治癒しないため、獣医師による診察が必要です。動物病院で行われる顎ニキビの検査と処置は、次のとおりです。
顎ニキビが疑われる場合、視診に加えて、皮膚の表面を採取して顕微鏡で確認する細胞診や、真菌(カビ)の有無を調べる検査が行われます。受診の際は、いつから症状が出たか、どのようなケアをしたかをメモして持参すると、診察がスムーズに進みます。
病院での専門的な洗浄・消毒のほか、症状に応じて抗生物質や抗真菌薬の外用薬(塗り薬)や内服薬が処方されます。
注意点として、市販のペット用薬は症状に合わない場合があるため、必ず動物病院に相談してから使ってください。見た目が良くなっても、処方された薬の回数や期間を厳守し、自己判断で中止しないようにしましょう。
顎ニキビは、ケアの方法を間違えると症状を悪化させてしまうことがあります。よくあるオーナーさんのNG行動を紹介します。
ネコちゃんの顎にあるプツプツが気になってブラシや爪で強くこすってしまうオーナーさんは少なくありません。しかし、皮膚を傷つけてしまうと細菌が入り込みやすくなるため、逆効果です。
軽く拭いただけで取れるようなら問題ありませんが、力を入れないと取れないニキビに対して強い刺激を加えるのはNGです。無理に取り除こうとせず、動物病院の判断を仰ぎましょう。
人間用のニキビ治療薬に含まれる成分は、ネコちゃんにとって刺激が強すぎたり、中毒症状を引き起こしたりする危険性があります。「ペット用」と表記があるものでも成分が合わない場合があるため、市販薬を使う際は必ず事前に動物病院へ相談してください。
ネコちゃんの顎ニキビを防ぐためには、家庭でのケアが欠かせません。「キミおもい」の「肌にやさしいウエットティシュー」は水分をたっぷり含み、汚れをやさしくふき取れるので、食事の後の口周りのケアにぴったりです。ネコちゃんの健康な生活のために、ぜひお試しください。
「キミおもい」のネコちゃん用シリーズについては、下記のページをご覧ください。
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ネコちゃんの顎ニキビは、食器の素材や清潔習慣、日頃のストレス管理を見直すだけで、多くの場合は予防・改善が期待できます。黒ずみの段階で気づいたら、食器の交換と食後のケアから始めてみてください。
腫れや膿、悪臭など炎症のサインが見られたら、すぐに動物病院へ相談することが大切です。日頃からネコちゃんの顎の状態を観察して小さな変化を見逃さず、適切なケアを行って、ネコちゃんの健康を守っていきましょう。
ネコちゃんの顎ニキビは、初期症状として皮膚に砂粒のような黒いポツポツが現れます。進行すると皮膚が赤く腫れ、さらに悪化すると膿やかさぶたが生じる場合があります。ふれると痛がったり、独特の悪臭がしたりする場合は、二次感染が起きている可能性があるため、すみやかに動物病院を受診してください。
ネコちゃんの顎ニキビの原因は、食器の傷で繁殖した雑菌が毛穴に入り込んだり、食後の油脂や食べかすが皮膚を刺激したりするほか、ストレスや老化による免疫力の低下が挙げられます。プラスチック製の食器は傷がつきやすいため、陶器やガラス製、ステンレス製の食器に変えてみましょう。
ネコちゃんの顎ニキビを防ぐには、食器を陶器やガラス製、ステンレス製のものに変えて毎日洗って清潔にしたり、ネコちゃんの食後にウエットシートや濡れガーゼで顎を優しく拭いてあげたりするのがおすすめです。また、トイレや隠れ場所を整えてストレスのない生活環境をつくってあげることも大切です。自宅ケアを2週間〜1ヵ月続けても改善しない場合は、動物病院に相談してください。
画像提供/PIXTA

