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猫が便秘になる原因は?動物病院へ行く目安や便秘の予防法も解説

記事公開:2024.3.26

マイペースなイメージがあるネコちゃんですが、実はとってもデリケート。もちろん性格によっても異なりますが、ストレスなどで便秘になることも珍しくありません。

ここでは、ネコちゃんが便秘になる理由や病院へ行く目安、便秘の予防法などについて紹介します。

ネコちゃんの便秘が疑われるのはどんなとき?

ネコちゃんが何日以上うんちをしない場合に便秘という、といった日数の規定はありません。例えば1日おきにうんちをしていたとしても、1日以上経過して出たうんちが、固くて異臭を放っているものであった場合「便秘」と診断されることもあります。うんちをする回数や量、うんちの状態は、ネコちゃんによって異なるので、ネコちゃんの普段の様子をよく見ておくと、「今日は何度もトイレに行くけど、うんちは出ていない」「いつもよりうんちが固く、乾燥している」といった、ちょっとした変化に気づきやすくなるでしょう。

下記のような症状は、ネコちゃんが便秘をしているときに見られるサインです。

<ネコちゃんの便秘が疑われる主な症状>
・トイレ(うんち)をする間隔が普段よりも長い
・頻繁にトイレに行くが、1回のうんちの量が少ない
・普段よりも長く踏ん張っている
・排便姿勢をとるが、うんちが出ない
・うんちが固くてコロコロしている
・下腹部をさわるとゴロゴロとした便の感触がある
・吐くことが多い
・食欲が落ちる

ネコちゃんが便秘になる原因

ネコちゃんが便秘になる原因は、食事、ストレス、加齢などさまざまです。代表的な6つの原因について、具体的に見ていきましょう。

水分不足

ネコちゃんが便秘になる原因として、まず挙げられるのは水分不足です。体内の水分が足りないと、便に含まれる水分量も減ってうんちが固くなり、大腸に溜まって便秘になる可能性があります。

家庭で暮らすネコちゃんの先祖といわれているのは、砂漠地帯に住む「リビアヤマネコ」という種です。砂漠に住んでいた名残で、水の少ない環境でも生き抜く性質を持っているとされています。そのため、ネコちゃんはワンちゃんに比べると水を飲む量も頻度も少なめなので、ドライフードを食べて室内で暮らしている場合、油断をすると水分不足になることがあります。

ストレス

ストレスも、ネコちゃんの便秘につながる原因のひとつです。
一般的に、ネコちゃんは変化が苦手で、いつもと違うことがあると精神的に不安定になって便秘になる可能性があります。引越しをした、新しいネコちゃんをお迎えしたといった生活環境の変化があると、ストレスから排便のリズムが乱れやすいため注意しましょう。

また、新しく買い替えたトイレへの警戒心や不安感、トイレ環境が好みではない、トイレが清潔ではないといったことがストレスになり、うんちを我慢して便秘になるネコちゃんもいます。

毛玉

ネコちゃんは、自分の体を舐めて毛づくろいする際に、舌についた毛をそのまま飲み込みます。胃に溜まった毛は毛玉として吐き出したり、うんちに混じって排出されたりしますが、大量に飲み込むと毛玉が大きくなって腸につまり便秘の一因となるのです。
そのため、毛の長いネコちゃんや、頻繁に毛づくろいをする習慣があるネコちゃんは便秘に注意が必要です。

加齢

年齢を重ねて消化管の機能が低下することも、便秘になりやすい原因です。
ネコちゃんは年齢を重ねると、内臓の機能が弱ってきます。腸の働きもそのひとつ。腸がうまく収縮しなくなると、うんちを押し出す力が弱まって便秘になりやすくなります。

病気や骨・神経の異常

便秘というとおなかの調子に意識が向きがちですが、体のほかの部分に痛みや不具合があり、うんちが出にくくなることもあります。

例えば、骨盤や足の骨、肛門などに異常があって、排便の姿勢になると痛みが出る場合です。痛みが出ないようにうんちを我慢することで、便秘になることがあります。また、便意をもよおしてもうまく排便できない場合は、神経の病気が潜んでいるケースもあります。便秘の理由として一番多いのも、骨や神経系の異常です。

薬の副作用

何らかの病気の治療のために内服薬を使用している場合、その影響で便秘になることもあります。
例えば利尿剤で体内の水分が不足したり、抗生物質が腸内環境に影響を与えたりして、便秘につながることがあるのです。薬の副作用が疑われる際は、できるだけ早く薬を処方してくれたかかりつけの動物病院に相談してください。

ネコちゃんの便秘で動物病院へ行く目安

ネコちゃんの便秘が何日も続く場合や、食べ物や水分摂取量に配慮しても便秘の症状が改善されない場合は、躊躇せず動物病院へ行きましょう。病院で適切な治療を受ければ、ネコちゃんも長く苦しい思いをせずに済みます。

便秘の影に潜む、骨折をはじめとした病気の早期発見、便秘の悪化で結腸が巨大化する巨大結腸症などの発症を防ぐためにも、「おかしいな」と感じたら早めの受診が大切です。
動物病院の受診をしたほうがいい主なケースは、下記のとおりです。

<動物病院を受診したほうがいい主なケース>
・うんちに血が混ざっている
・慢性的に便秘をしている(治っても何度も繰り返す)
・食欲が低下している
・なんとなく元気がない
・嘔吐や下痢など、便秘以外の症状がある

ネコちゃんの便秘を予防するには?

人間と同じように、ネコちゃんにとっても便秘は苦しいものです。ここからは、オーナーさんが家庭でできる、ネコちゃんの便秘予防に役立つ方法を6つご紹介します。

水の与え方を見直す

日常生活では、まず水の与え方を見直しましょう。

ネコちゃんがしっかり水を飲めるよう、キレイな水をネコちゃんが普段良く通る場所に置いておく、こまめに水を取り替えていつでも清潔な水が飲めるようにしておくといったことが大切になります。ネコちゃんが安心して水を飲めるよう、人の行き来や出入りが激しい場所は避け、落ち着ける静かな場所に水飲み場を用意してあげてください。あまり水を飲まないネコちゃんの性質を踏まえて、水飲み場を複数作るのもおすすめです。

ネコちゃんは、同じ水でも好きな飲み方があるといわれています。容器に入った水が好きな子もいれば、水道から出ている水が好きな子、結露を舐めるのが好きという子もいるそうです。水飲み器にも好みがあり、一般的には陶器、ガラス、ステンレス、プラスチックの順に好むとされています。ニオイが移りにくい容器が好まれやすいようです。ネコちゃんの好みを合わせて水の与え方を検討するといいでしょう。

食事の内容を見直す

ドライフードに水分を加えて与える、ウェットフードに変えるなども便秘対策につながります。ただ、ウェットフードは歯にこびりつきやすく歯周病になりやすい面もあるため、歯のケアには注意が必要です。腸の動きが弱っている場合は、食物繊維のフードを選ぶという方法もあります。どのような食事が良いか迷う、ネコちゃんにほかの病気があるなどの場合は、動物病院で相談するのがおすすめです。

なお、急激な変化を嫌うネコちゃんも多いため、食べ慣れた食事を切り替える際は慎重に、段階を踏んで進めるようにしてください。

ブラッシングを行う

毛玉による便秘を予防するには、毛づくろいから大量の毛を飲み込むのを防止するため、こまめなブラッシングが大切です。特に換毛期(春・秋)や、長毛のネコちゃん、頻繁にグルーミングをするネコちゃんには、ブラッシングをこまめに行うことをおすすめします。

なお、あまりにも毛玉が便秘の原因となる場合は、動物病院で全身の毛をカットすることを提案されるケースもあります。だいたい4〜6ヵ月ごとにカットを繰り返すことで、便秘や慢性的な嘔吐も無くなることが多いようです。

適度な運動をする

加齢以外に腸の働きが低下する原因として、運動不足があります。ネコちゃんが楽しく適度に運動できるよう、遊び方を工夫しましょう。
例えば、下記のような方法でネコちゃんの運動不足を改善できます。

<ネコちゃんの適度な運動につながる例>
・オーナーさんがネコちゃん用のおもちゃを動かして、追いかけさせたり捕まえさせたりする遊びをする
・キャットタワーを用意して、上り下りする機会を増やす
・自動で動くおもちゃを設置し、ひとり遊びができるようにする

ネコちゃんのおなかをマッサージする

なでられたり、抱っこされたりするのが好きなネコちゃんの場合は、スキンシップをとりながらおなかをやさしくなでるようにマッサージするのも便秘予防に効果的です。

初めからおなかをなでようとすると嫌がるネコちゃんもいるため、おでこや顎をなでてから少しずつ範囲を広げていくといいでしょう。抱っこができると、便秘に限らずネコちゃんの様子を観察しやすいため、日頃から抱っこに慣れさせておくことをおすすめします。

ネコちゃんの抱っこの仕方については、下記のページをご覧ください。
猫は抱っこが苦手?嫌がられない正しい抱っこの仕方やコツを解説 

ネコちゃんのトイレ環境を整える

前述のとおり、トイレ環境がネコちゃんの好みでない、衛生的でないなどの理由からうんちを我慢することがあります。トイレのお掃除をより丁寧に、こまめにすると、キレイ好きのネコちゃんも快適にトイレを使用できます。

また、トイレの場所を見直したり、猫砂の種類を変えたりなど、ネコちゃんにとって心地良いトイレ環境を整えましょう。

ネコちゃんのトイレや猫砂については、下記のページをご覧ください。
猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説 

ネコちゃんの変化に気づけるよう、日頃から状態のチェックを

排便の様子やうんちの状態を日頃からチェックすることを心掛けると、ネコちゃんの便秘にいち早く気づくことができます。

便秘が疑われる場合、「いつものこと」「年を取ったから」といった自己判断は禁物。隠れたケガや病気に気づくきっかけにもなるため、迷わず動物病院へ行きましょう。

ネコちゃんのうんちチェックについては、下記のページをご覧ください。
猫のうんちで健康チェック!色や形など見るべきポイントは? 

ネコちゃんのトイレ環境が整う「キミおもい」のネコちゃんシリーズ

繊細なネコちゃんは、自分のトイレのニオイや汚れが気になるとうんちをしなくなったり、回数が減ったりします。ネコちゃんの様子だけでなく、トイレの状態にも気を配り、排便しやすい環境を作りましょう。

「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんの好みや欲しい機能に合わせて選べる猫砂、トイレを清潔に保てるおそうじシートなどをラインナップ。ネコちゃんのトイレをいつも心地よく整えることができます。

「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Cat -ネコちゃん- 

よくあるご質問

ネコちゃんの便秘が疑われるのはどんなとき?

ネコちゃんの便秘とは、強くいきまないとうんちが出ない状態のことを指します。出た便が乾燥してコロコロしている、うんちをする間隔が普段よりも長い、1日に何度もトイレに行くが便が出ていないといった場合は要注意。
また、体のどこかが痛くて排便が難しいことによる便秘の場合、排便の姿勢をとりながら苦しそうに鳴く場合もあります。そのほか、下腹部を触って、ゴロゴロとした便の感触があるときも便秘が疑われます。

ネコちゃんが便秘になる原因は?

ネコちゃんの便秘の原因はさまざまですが、まず挙げられるのは水分不足です。ネコちゃんは積極的に水分をとらない傾向があるため、ネコちゃんの水分摂取量が増えるように工夫しましょう。
そのほか、加齢による腸の機能低下、生活環境の変化に伴うストレス、毛づくろいの際に胃に溜まった毛玉、骨盤や肛門のケガ、神経の病気なども便秘の原因となることがあります。

ネコちゃんの便秘を予防するには?

ネコちゃんの便秘予防法としては、清潔な水をこまめに置いたり、ドライフードをウェットフードに変えたりしてネコちゃんの水分摂取量を増やしましょう。毛づくろいの際に飲み込む毛を減らすため、ブラッシングをこまめにするのもおすすめです。よく遊べる環境を作って運動量を増やしたり、おなかをマッサージしたりすることも排便の促進につながります。
また、ネコちゃんが気持ちよく排便できるような猫砂を選ぶことやおそうじシートを使って清潔なトイレ環境を作ることも大切です。

画像提供/PIXTA


監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院 

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