
記事公開:2026.8.25
おうちにいるワンちゃんを見ていると、いつも寝ている姿を愛らしく感じるとともに、「こんなに寝て大丈夫かな?」と不安になるオーナーさんもいるかもしれません。しかしワンちゃんは元々人間よりも長く眠る動物で、人間以上に質の高い睡眠が欠かせません。
この記事では、ワンちゃんの年齢別・サイズ別の睡眠時間の平均のほか、寝相からわかる気持ちや、ワンちゃんが快適に眠れる環境の整え方を解説します。ワンちゃんがより心地よく暮らすためのヒントとして、参考にしてください。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんの平均的な睡眠時間は成犬で1日9〜15時間で、人間(約7〜8時間)の約1.5~2倍近くになります。成犬でこれだけの睡眠が必要な主な理由は、ワンちゃんの睡眠のうち約80%が眠りの浅いレム睡眠であるためです。深い眠りが少ない分、長く眠ることで体力と脳の機能を回復させています。
レム睡眠とは夢を見るような浅い眠りで、体は休んでいても脳は活動している状態をいいます。一方、ノンレム睡眠は脳も体も深く休む眠りで、成長ホルモンの分泌や疲労回復のために欠かせません。人間はノンレム睡眠が約75〜80%を占めるのに対し、ワンちゃんはレム睡眠が約80%と逆転しており、その分まとまった休息をとるために長い睡眠時間が必要なのです。
睡眠時間は年齢によって大きく変わります。0~1歳までの子犬と、1~7歳頃の成犬、7歳以上のシニア犬それぞれの、睡眠時間の目安は下記のとおりです。
■年齢別にみるワンちゃんの睡眠時間の目安
子犬は心身の発達や、活動中に学習した情報を整理するために、たくさんの睡眠を必要とします。生後3週齢頃までは授乳時間以外はほぼ眠って過ごし、1日あたり18〜20時間の睡眠が必要です。その後、成長とともに少しずつ活動時間が増えていき、生後4〜5ヵ月頃には1日14〜16時間程度に落ち着いてきます。
1歳頃までに心身のベースが作られるため、「かわいいから」と眠りを邪魔しすぎると成長の妨げになる可能性があります。愛犬のために、成長段階に合わせた十分な睡眠時間を確保してあげることが大切です。
成犬の睡眠時間は1日あたり約9〜15時間が目安です。1歳半を過ぎると睡眠と活動のリズムが安定し、夜間にまとまって眠り、日中も数回うとうとするパターンが一般的になります。散歩や運動量が多い日は睡眠時間が長くなることもあります。成犬にもかかわらず急に睡眠時間が増えた場合は、ストレスや痛み、病気のサインである可能性があるため注意が必要です。
シニア犬になると体力の衰えとともに再び睡眠時間が長くなり、18〜20時間以上眠るワンちゃんも見られます。加齢による睡眠の質の低下から夜間に目が覚めやすくなり、代わりに日中の昼寝が増えるパターンも多くなります。ほぼ1日中横になっていても健康状態に問題がなければ、無理に起こさずゆっくりと寝させてあげましょう。
ワンちゃんの睡眠時間は、身体のサイズによっても傾向が異なり、一般的に大型犬ほど睡眠時間が長いといわれます。大型犬は体が大きい分、体力消耗が大きく、回復に多くの休息が必要になるためと考えられています。ただし身体のサイズによる差よりも、個体の性格や飼育環境の影響が大きい場合もあるので、あくまでも傾向として把握してください。
チワワやトイプードルなどの小型犬の睡眠時間の目安は、1日10〜15時間程度です。チワワは10〜12時間、ポメラニアンは12〜13時間、トイプードルは12〜15時間が目安とされています。トイプードルは元々狩猟犬として活躍していた名残があり、小型犬の中でも活動量に応じて睡眠時間が長くなりやすい傾向があります。
柴犬やビーグル、コーギーなどの中型犬の睡眠時間の目安は、1日10〜15時間程度です。なお、フレンチブルドッグ・パグなどの短頭種は気道が細いため睡眠の質が低下しやすいとされているため、いびきや呼吸の様子に注意してください。
ラブラドールレトリバーなどの大型犬の睡眠時間の目安は、1日14〜20時間程度です。中でもゴールデンレトリバーはより睡眠が必要で、18〜20時間ほど眠るとされています。一方、作業犬として活動量が多いボーダーコリーやシベリアンハスキーなどの犬種は警戒心が強くいつでも動ける状態を維持しやすい特性や、少ない睡眠でもタフに動ける遺伝子が残っているため、大型犬の中でも比較的睡眠時間が短い傾向があります。
ワンちゃんの寝相には、そのときの気持ちや安心度が表れます。ワンちゃんの代表的な寝相と、そのときの気持ちは下記のとおりです。
■ワンちゃんの寝相でわかる気持ち
| 寝相 | 気持ち |
|---|---|
| 丸まって寝る | 内臓を守りながら熱を逃さないリラックスした寝方。一般的に最も多い寝方といわれている |
| 横たわって足を伸ばす | 安全性が確保されているときに見られる。熟睡しやすい。 |
| 仰向けに寝ている(へそ天) | 一番リラックスしている寝方。急所であるおなかを見せる無防備な寝相で、安全性が高い環境やオーナーさんのそばなどで見られる |
| うつ伏せ | 警戒していて、すぐに起き上がれる寝方 |
| 丸まりながらも耳が立っている寝方 | 耳が立っているときは聞き耳を立てている。何か異変を感じたらすぐに動き出せる寝方 |
なお、横たわったまま起き上がれず、呼吸が荒いなどの症状が出ている場合は、リラックスしているのではなく体調不良のサインである可能性があるため、動物病院で相談してください。
ワンちゃんの睡眠の質を高めるには、安心できる寝床と生活リズムの安定が重要です。ワンちゃんの睡眠のためにおうちでできる環境づくりを見ていきましょう。
ワンちゃんは元々巣穴で暮らす習性を持ち、薄暗く囲まれた場所を好みます。クレートや覆いのあるハウスは安心感を与えやすく、寝床として適しています。寝床は清潔に保ち、トイレとは離れた場所に設置するのが理想的です。ケージ内などで寝させる場合は、ワンちゃんが足を伸ばして横になれる大きさを確保し、自由に出入りできる環境にしてあげましょう。
シニア犬は関節に負担がかかりやすいため、体圧分散機能のある高機能マットややわらかい素材のベッドを検討してみてください。
ワンちゃんが過ごす部屋は、エアコンなどを使って最適な温度と湿度に保つことが必要です。室温は夏季で22〜26℃、冬季で19〜25℃、湿度は40~60%を目安に整えることが推奨されています。夏は冷感マット、冬は毛布や暖かい素材のベッドを活用してください。冬に床暖房を使用する場合は、暑くなったときに体を冷やせるスペースを確保することが大切です。
なお、子犬やシニア犬は特に体温調節が苦手なため、季節に応じた対策をしてあげましょう。
食事と散歩、就寝の時間を毎日一定に保つと睡眠リズムが整い、ワンちゃんの質の高い眠りにつながります。日中に適度な運動をさせることで夜間の深い眠りを促すことができます。散歩は小型犬なら1日2回、30分程度の散歩が目安です。
子犬の散歩について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
子犬のお散歩はいつからできる?時期の目安や必要な持ち物などを解説
騒がしいリビング・人の出入りが激しい場所・常に明るい部屋では、ワンちゃんも慢性的な睡眠不足に陥りやすくなります。おうちでワンちゃんがきちんと睡眠をとり、心からリラックスできるようになれば、オーナーさんとの信頼関係も自然と深まります。睡眠不足で起こるかもしれないワンちゃんのトラブルは下記のとおりです。
<睡眠不足で起こるワンちゃんのトラブル>
・身体的影響:自律神経の乱れ、食欲不振、毛並みの悪化
・精神的影響:些細な音に過敏になる、吠えやすくなる、分離不安の悪化
突然睡眠時間が長くなったり短くなったりする急な変化は、ストレスのほか、病気や痛みなどのサインの可能性があります。大切なのは、ワンちゃんのいつもと違う変化に気づくことです。睡眠時間の変化が示すサインを、下記で解説します。
睡眠時間が急に長くなった場合は、ストレスのほか関節炎などの痛み、感染症、甲状腺機能低下症などが考えられます。睡眠時間の変化とともに、元気や食欲の様子も併せて確認することが重要です。気になる変化があれば動物病院に相談することをおすすめします。
睡眠時間が急に短くなった場合は、ワンちゃんに不安やストレスが生じているほか、痛みで寝づらい状態になっている可能性が考えられます。また、夜間の睡眠が短くなり、日中の昼寝が増える昼夜逆転の症状が見られる場合は、ワンちゃんの認知機能の低下が疑われます。
なお、睡眠中に手足の激しい動きが生じたり、うなり声を上げたり、パクパクと何もない空間や寝具を噛もうとしたりするなどの異常な動きが見られる場合は、「レム睡眠行動障害」の可能性があるため、動画を撮って動物病院へ相談してください。
「キミおもい」は、「キミにやさしい、いっしょにうれしい」というブランドの想いから「傾聴飼育」を推奨しています。傾聴飼育とは、ワンちゃんの習性を学び、発するサインを観察し、その意味を理解しながらいっしょに暮らしていくことです。
ワンちゃんに必要な睡眠時間は、年齢や身体のサイズによって異なります。ワンちゃんが睡眠をしっかりとれているかを観察し、環境を最適な状態に整えてあげることが大切です。「キミおもい」は、オーナーさんの「おもい」とワンちゃんの「おもい」が通じ合えるよう、お手伝いをしています。
「傾聴飼育」の詳しい内容については、下記のページをご覧ください。
うちの子のおもいに耳をすませる「傾聴飼育」
ワンちゃんの健やかな睡眠を守るためにも、愛犬が過ごす環境を清潔に保つことはとても大切です。ワンちゃんがストレスなくすごすためには、使用するアイテム選びも大切なポイントになります。
「キミおもい」のワンちゃんシリーズは、しっかりとした吸収力と消臭設計が特長のアイテムがそろっています。「肌にやさしいウエットティシュー」は、ワンちゃんの手足や顔まわりの汚れをやさしく拭きたいときにもおすすめです。「キミおもい」シリーズは愛犬の快適な毎日をサポートします。
「キミおもい」のワンちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Dog– ワンちゃん-
ワンちゃんの睡眠時間は年齢や犬種、個体差によって大きく異なります。大切なのは睡眠時間そのものよりも、ワンちゃんにとって必要な睡眠時間を確保し、健やかな生活を守ることです。快適な寝床と規則正しい生活リズムを整えると、愛犬の心身の健康を守ることにつながるでしょう。
ワンちゃんのいつもの寝相や睡眠時間の変化をこまめに観察し、快適で健やかな睡眠環境をサポートしてあげてください。
ワンちゃんは年齢や身体のサイズによって必要な睡眠時間が異なります。成犬の睡眠時間の平均は1日9〜15時間が目安ですが、子犬や7歳以上のシニア犬は18〜20時間以上の睡眠が必要です。とはいえ個体差も大きいため、一般的な平均値に合わせるのではなく、愛犬のいつもの睡眠時間を普段から把握し、変化があればすぐに気付けるようにすることが大切です。
子犬の成長のために睡眠はとても重要で、長く眠ることに問題はありません。子犬は1日18〜20時間もの睡眠が必要で、生後3週齢頃までは授乳時以外の大半を眠って過ごします。寝顔がかわいいからといって無理に起こしてしまうと、成長の妨げになる可能性があるため注意してください。愛犬のすこやかな成長のためにも、静かで落ち着ける環境を作り、十分な睡眠時間を確保してあげましょう。
ワンちゃんの睡眠の質を高めるには、安心できる寝床と生活リズムの安定が重要です。薄暗く囲まれたハウスを、トイレと離れた清潔な場所に設置しましょう。また、室温を夏季は22〜26℃、冬季は19〜25℃の適温に調整し、湿度は40~60%がおすすめです。毎日一定の時間に食事や散歩、就寝を行うようにすると、睡眠リズムが整い質の高い眠りにつながります。
画像提供/PIXTA












