
記事公開:2026.4.23
新しくワンちゃんを家に迎えたら、最初に行いたいのがトイレのしつけです。オーナーさんとワンちゃんが快適に暮らしていくためには欠かせませんが、「なかなか覚えてくれない」「粗相を繰り返してしまう」と悩んでいる方も多いでしょう。
ワンちゃんのトイレトレーニングの成否は「根性」ではなく「環境づくり」と「タイミングの把握」で決まります。
この記事では、ワンちゃんのトイレトレーニングの基本的な考え方や準備したいグッズのほか、失敗させないサークル内のレイアウト、成犬・保護犬の再トレーニング方法まで詳しく解説します。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんには本来、特定の場所で排泄する習慣がないため、お迎えした初日からトレーニングを始めるのが理想的です。
室内で排泄ができるようになると、台風などの悪天候時や、将来シニア犬になって歩行が困難になった際、また災害時の避難生活などでも、ワンちゃんに我慢を強いることなく安心して排泄をさせてあげられます。オーナーさんとワンちゃん双方がストレスなく暮らすための、大切な準備だと考えましょう。
しつけを成功させるコツは、「失敗させない環境を作り、成功した瞬間を逃さずほめる」ことです。
特に子犬期は排泄回数が多いため、成功体験を積ませる絶好のチャンスといえます。一度カーペットなどを「ここはトイレだ」と間違って覚えてしまうと、その記憶を上書きするのには時間がかかります。まずは「失敗できない状況」をオーナーさんが先回りして作り、正しい場所でできたときに「最高に良いことが起きた!」とワンちゃんに思わせると、トレーニングをスムーズに進められるかもしれません。
効率良くトレーニングを進めるために、まずは以下のグッズをそろえましょう。
■ワンちゃんに必要なトイレグッズ
ペットシーツの大きさは主に3種類あります。最初は体に対して大きいサイズを選ぶと、はみ出しによる失敗を防げます。
<ペットシーツのサイズの目安>
レギュラー(約45×30cm):超小型~小型犬向け
ワイド(約60×45cm):小型~中型犬向け
スーパーワイド(約90×60cm)中型~大型犬向け
ただ、子犬のあいだは排泄回数が多く量が少ないため、小さめのペットシーツを複数枚敷き、汚れたものだけを交換すると無駄がありません。
トイレトレーは、ペットシーツのズレや、ワンちゃんがシーツで遊んでしまうのを防ぎます。トレーの「枠」があると、ワンちゃんが足裏の感触で「ここがトイレの境界線だ」と認識しやすくなります。
トイレトレーニング中は、扉のついたサークルでトイレを囲むと、失敗しにくく安心です。行動範囲を限定すれば、目を離した隙にあちこちで粗相を防げます。
なお、諸説ありますが、ワンちゃんを長時間サークルに入れておくことはおすすめできません。ワンちゃんがサークルから出たいのに長時間出られない状況が続くと、サークルが嫌な場所になり、トイレも嫌な場所になる可能性があります。
ワンちゃんがある程度トイレを覚えるまでは、トイレを置く部屋だけに行動範囲を制限し、ほかの場所へ行くのはトイレ直後に限定するのがおすすめです。
ワンちゃんがトイレを失敗する大きな原因の1つに、サークル内のレイアウトの問題があります。ワンちゃんにはヒトの都合に合わせてもらっている、という認識で、ワンちゃんにとっても快適で適切なレイアウトを確認しましょう。
■おすすめのワンちゃんのサークル内レイアウト
ワンちゃんが過ごすサークル内は、トイレと寝床(ベッド)、食事場所を離すことが大切です。ワンちゃんは本能的に「自分の寝床を汚したくない」という習性を持っています。ベッドのすぐ隣にトイレがあると、ワンちゃんは混乱し、排泄するのを嫌がって失敗しやすくなります。
サークル内の両端に、トイレとベッドを離して配置しましょう。トイレは部屋の入り口から遠い、人通りが少なく落ち着ける「奥側」に置くと、ワンちゃんは集中して排泄できます。
トイレトレーニングでワンちゃんに失敗させないためのポイントは、下記のとおりです。
<ワンちゃんのトイレの失敗を防ぐ3つのポイント>
・ワンちゃんにとって快適なトイレ環境を作る
・排泄のタイミングを把握する
・上手にできたらたくさんほめる
ワンちゃんのトイレは、静かで落ち着ける場所へ設置しましょう。
なお、ラグやカーペットは、足裏の感触がペットシーツに似ているため、ワンちゃんがトイレと勘違いして粗相をする原因になるため注意が必要です。しつけ期間中は敷物を撤去するか、バリケードで近づけない工夫をしてください。
前述のとおり、ワンちゃんは「寝床や食事場所を汚したくない」という習性があるため、サークル内ではベッドや食器からトイレを離すことも重要です。シーツの感触に集中できる「迷わない環境」を整えれば、成功への近道となります。
「寝起き」「食後」「水を飲んだ後」「遊びやお散歩で運動した後」「興奮した後」は、排泄の確率が高いため、しつけのチャンスです。子犬は我慢できる時間が短いため、最初は1時間おきにトイレへ連れて行くと良いでしょう。
床のニオイを嗅ぐ、くるくる回る、そわそわするといった動作は「そろそろ出そう!」のサインです。このタイミングを逃さず誘導し、排泄中に「ワンツー」などの掛け声をかけ続けると、将来的に言葉だけで排泄を促せるようになります。まずはオーナーさんがワンちゃんの動きをよく観察し、タイミングを先読みする習慣をつけるのがおすすめです。
ワンちゃんが上手におしっこできたら、排泄が終わった瞬間に大げさなほどほめ、おやつや遊びなどのごほうびをあげましょう。数秒遅れると、ワンちゃんは何に対してほめられたかわからなくなります。おやつはトイレのすぐ側に常備するのがポイントです。
ワンちゃんがトイレの場所を認識するようになったら、トイレサークルの扉を常に開けておき、ワンちゃんが自分でトイレに入れるようにしてください。ワンちゃんがほかの場所で排泄しなくなったらサークルを外して、トイレトレーだけでできるように教えていきます。
ワンちゃんのトイレトレーニングにトラブルはつきものです。それぞれの状況に合わせた具体的な解決策をご紹介します。
<ワンちゃんのトイレトレーニングの失敗と対策>
・トイレ以外の場所で粗相する
・トイレの端にはみ出してしまう
・ペットシーツをビリビリに破く
・食糞してしまう
・隠れて排泄する
ワンちゃんがトイレ以外の場所で粗相をした場合は、絶対に叱ってはいけません。オーナーさんが怒鳴ると「排泄=悪いこと」と誤解し、隠れてするようになったり、我慢して病気になったりするおそれがあります。
粗相を見つけたときは無言ですみやかに片付けましょう。ワンちゃんが「次もしていい場所」と認識しないよう、強力な消臭剤で完全にニオイを取り除くことが再発防止の鉄則です。
トイレの端で排泄物がはみ出している場合は、ワンちゃんは「ここでしよう」という意思はあるものの、体格に対してトイレのサイズが合っていないサインです。排泄前の回転動作を考慮し、ワンランク大きなトレーに変更して物理的な余裕を持たせましょう。
足を上げておしっこをする子の場合は、L字型の壁付きトレーやパネルを活用してガードを作ると、周囲への飛び散りを効率的に防げます。
ワンちゃんがペットシーツをビリビリに破くのは、シーツを「おもちゃ」だと勘違いしていることがほとんどです。まずはメッシュカバー付きのトレーに変更し、物理的に触れられない環境を作りましょう。
また、行動の裏に退屈や運動不足によるストレスが隠れている場合もあります。散歩を延ばしたり、知育玩具でエネルギーを正しく発散させたりすれば、根本的な解決につながります。
ワンちゃんが自分のうんちを食べてしまう「食糞」は、子犬期には珍しくありません。原因は空腹や退屈、消化不良によるフードのニオイ残りなどが考えられます。
対策は、排泄後「すぐに、さりげなく」片付けることです。ワンちゃんが興味を持つ前におやつで意識を逸らし、静かに回収しましょう。オーナーさんが大騒ぎすると「構ってもらえる」と勘違いして気を引くために食べるようになるため、冷静な対応が不可欠です。
隠れて排泄するワンちゃんは過去の叱責がトラウマになり、「オーナーさんの前ですると怒られる」と学習している状態です。まずは人目のつきにくい静かな場所にトイレを設置し、安心できる環境を整えましょう。正しい場所でできた際に大げさなほどほめ、「オーナーさんの前でも大丈夫、むしろ良いことがある」とワンちゃんにとってトイレがポジティブになるようにすることがポイントです。
成犬であっても、トイレトレーニングは根気よく向き合えば必ず覚えられます。ただし、一度ついた癖を直すには子犬以上の工夫が必要です。具体的な方法を紹介します。
<成犬やシニア犬、保護犬のトイレトレーニングの方法>
消臭を徹底する
外のニオイをトイレにつける
ワンちゃん用おむつを活用する
前述のとおり、一度粗相した場所にはニオイが染み付きます。それがワンちゃんにとっては「ここがトイレだ」という目印になります。一般的な除菌スプレーではなく、酵素系クリーナーなど、ワンちゃんの嗅覚でも感知できないレベルまでアンモニア臭を分解できる製品を選びましょう。
外でしか排泄しない保護犬などの場合、庭の土や枯葉を少しシーツの上に置くと、「ここは外と同じ排泄ポイントだ」と認識させやすくなります。慣れてきたら徐々に土の量を減らし、シーツのみに移行しましょう。
環境が変わったばかりの保護犬や、筋力が衰えたシニア犬の場合、一時的にワンちゃん用のおむつを活用するのも1つの手です。「失敗したら叱ってしまう」というオーナー側のストレスを減らすことができ、結果的にトレーニングをスムーズにするかもしれません。
「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」は、極小ポリマーがおしっこのニオイを強力消臭、瞬間的に吸収してくれるペットシーツです。おしっこ後、ワンちゃんの足裏がぬれて床が汚れるお悩みも軽減。ワンちゃんが好きな芝生の香り成分を配合していることも特徴です。
「たっぷり吸収 パワフル消臭シート」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
基本的にどんな犬種や性格のワンちゃんでも、適切な方法でしつけをすれば、トイレを覚えてくれます。うまくいかずにオーナーさんが焦ってしまうと、ワンちゃんにもその感情が伝わり、逆効果になりかねません。
オーナーさんの緊張はワンちゃんに伝わります。ワンちゃんのトイレのしつけは失敗しても「次は大丈夫」と捉えてリラックスし、長い目で見守っていきましょう。
ワンちゃんのトイレのしつけの極意は、失敗させない環境づくりと成功した瞬間にほめることです。特に子犬は排泄間隔が短いため、寝起きや食後などのタイミングを見極めてトイレへ誘導しましょう。床を嗅ぐなどのサインが出たらすぐに連れて行き、上手にできたらその場でおやつをあげて大げさにほめます。「ここで排泄すると良いことがある」というポジティブな学習が、成功への最短ルートです。
ワンちゃんが粗相をしたとしても、絶対に叱らず、無言ですみやかに片付けてください。叱ると「排泄行為そのもの」が悪いと誤解し、隠れてするようになったり我慢して病気になったりするおそれがあります。また、ワンちゃんの嗅覚は鋭いため、一般的な洗剤ではなくアンモニア臭を分解するペット用消臭剤を使い、ニオイを完全に消しましょう。「次もここでしていい」という目印を消すことが再発防止には不可欠です。
ワンちゃんのサークル内のレイアウトは、ワンちゃんの習性を考え「寝床や食事場所からトイレを離す」ことが大切です。ワンちゃんは本能的に自分の寝床を汚したくないため、ベッドのすぐ隣にトイレがあると混乱して失敗しやすくなります。サークル内の両端に離して配置し、トイレは人通りが少なく落ち着ける奥側に置きましょう。この明確なゾーニングにより、ワンちゃんが迷わず正しい場所で排泄できるようになります。
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