
記事公開:2026.7.24
脱水症状というと暑い日に起こすものと思いがちですが、高齢者の場合はそうとも限りません。
高齢者は体内の水分量が若いときより少ないうえ、喉の渇きに気づきにくいため、普段の暮らしの中でも水分不足に陥りがちです。そのため、周囲が早めに症状のサインに気づくことが大切です。
この記事では、高齢のご家族と同居する方のアンケートを参考に、脱水症状のチェックポイントと、水分補給のコツを解説します。

監修者のご紹介
武井智昭先生
(小児科医・内科医・アレルギー科医)
高齢のご家族の脱水対策では、「本人は飲んでいるつもりでも実際は不足している」「家族が気をつけていても不安が残る」と感じることが少なくありません。アンケートでは、高齢のご家族と同居している方に、水分補給の実態や日常で行っている工夫についてお聞きしました。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:高齢のご家族と同居しているクラブエリエール会員の20~90代男女
調査期間:2026年5月7日~5月14日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:1,935件
■65歳以上のご家族は、きちんと水分補給できていますか?
高齢のご家族がきちんと水分補給をできているかをうかがったところ、「自分で水分補給ができている」が80.5%、「気をつけてあげればできている」が16.6%、「わからない」が2.9%という結果でした。
一見すると多くの高齢者が水分補給できているように見えますが、アンケート回答には「飲んでいると思っていたが飲んでいなかった」というエピソードもあり、この数字だけで安心はできません。また、家族が促せば飲めるという回答が一定数あることから、見守りや声がけが水分補給の継続に大きく関わっていると考えられます。
高齢のご家族に対し「脱水症状に気をつける必要がある」と感じたできごととして、さまざまなエピソードが寄せられました。
<高齢のご家族の脱水症状に気をつける必要があると感じたできごと(自由記述)>
・声かけをして飲んでいると思っていたが、飲んでおらず、脱水症状に陥った。
・調子が悪く早めに休んだ家族に帰宅後声をかけたら発熱しており、熱中症だと感じた。本人は全く熱中症だと思っていなかった。
・父母2人で住んでいたとき、2人とも風邪気味でお互いに声をかけ合うこともなく、父が脱水症状で救急搬送され、1週間ほど集中治療室に入った。
・寝たきりで水分を取ろうとせず、脱水状態になりかけた。
・寝起きに足がつることが多かった。
・旅行で普段以上に歩いた結果、2〜3日後に筋肉痛から歩行困難になり、病院で脱水症状からきていると言われた。
次に、高齢のご家族の水分補給のために工夫していることについてうかがいました。
■65歳以上のご家族の水分補給のために、どのようなことをしていますか?
水分補給のための工夫としては、「こまめに声がけをする」が32.3%で最も多く、次いで「食事やおやつと一緒に必ず飲み物を出す」が27.7%、「すぐ手に取れる場所に飲み物を置いている」が27.3%、「飲みやすい飲料やゼリーを用意している」が10.8%、「その他」が1.8%でした。アンケート回答者の多くが、高齢のご家族にいつでも飲み物を口にしてもらえる環境作りを工夫していることがわかる結果といえます。
「その他」と答えた方からは、以下のような具体的な対策を教えていただきました。
<高齢のご家族の水分補給のためにしていること(自由記述)>
・部屋の前に箱買いした水分を置いておき、いつでも取れるようにしておき、減ったら補充するようにしている。
・冷蔵庫やリビングに「水分補給」と貼り紙をして気をつけている。
・入浴前後の水分補給。散歩時はゼリー飲料持参。甘味があるほうがよく飲んでくれるので、イオン飲料を置いている。
・食事のときにビールや日本酒を飲むとお茶やお水を飲まないことがあるので、お茶やお水もコップに入れて必ず一緒に準備する。
高齢者は、若い世代に比べて脱水症状を起こしやすい傾向があります。その理由はさまざまですが、ここでは3つに分けて見ていきましょう。
高齢者が若い世代に比べて脱水症状を起こしやすい理由のひとつは、体内にためておける水分量が加齢により減少することです。
平均的に、成人の体では1日約2.5Lの水分が出入りしていますが、高齢になると筋肉量や細胞内の水分が減り、出入りする水分量も減少します。高齢者はもともと体内にある水分量が少ないため、高温の環境下では少しの発汗や水分摂取不足でも体内の水分が不足してしまうのです。
高齢者は若い世代に比べて水分の摂取量が不足しやすいことも、脱水症状の要因のひとつです。
加齢により暑さや喉の渇きを感じにくい、汗をかきにくいといったことから「まだ水分をとらなくても大丈夫」と感じてしまいがちですが、症状が出た時点では体内の水分はすでに不足している場合があります。
また、嚥下障害(飲み込みにくさ)があり、一度に多めの水を飲むとむせやすいため水分摂取を控えてしまう方や、年齢を重ねて夜間に尿意を催すことが増えたものの「夜中に何度もトイレへ行きたくない」「介助を頼むのが申し訳ない」と考え、夕方以降の水分摂取を意識的に減らす方も多いようです。
持病により、脱水症状のリスクが高まることがあります。
例えば、腎臓の不調を抱える方は水分摂取を制限されることがあるでしょう。認知症がある場合は、飲み物の存在を忘れる、介助を拒否するなどの理由で水分の摂取量が不足しやすくなるため、周囲の声がけや環境作りが欠かせません。
また、服薬により脱水症状のリスクが高まることもあります。糖尿病薬(SGLT-2阻害薬)や利尿薬は尿量を増やす作用があるため、体内の水分不足のリスクを高めるでしょう。また、降圧薬や便秘薬の影響で立ちくらみや下痢が起こり、その結果として体内の水分が不足するケースもあります。
高齢者の脱水症状は、自覚症状がないまま進むことがあります。だからこそ、ご家族が「いつもと違う」と気がつくことが大切です。ここでは、普段からチェックしておきたいポイントを解説します。
体内の水分不足は口や舌、皮膚の変化に現れることが多く、ご家庭でも見つけやすいでしょう。以下のような点をチェックしてみてください。
<口や舌、皮膚のチェックポイント>
・口唇が乾いてひび割れ気味になっていないか
・舌が乾いて白っぽく見えていないか
・目がくぼんでいるように見えないか
・脇の下の湿り気が感じられるか
手の甲の皮膚を軽くつまんで戻りをみるツルゴールテストという方法もあり、つまんだシワが10秒以上戻らなかったら脱水症状が疑われます。もともと手の甲にシワが多くわかりにくいという場合は、鎖骨の下の皮膚で確認することも可能です。
脱水症状は、意識や排泄の変化として現れることもあります。チェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
<意識状態のチェックポイント>
・立ちくらみ、めまい、頭痛、吐き気などがある
・少しぼんやりしている、会話の返事が遅い
・眠くなるタイミングではないのにうとうとする時間が増えた
<排泄のチェックポイント>
・尿の回数が減る、量が少ない
・尿の色が濃い
脱水症状が疑われる状況で、以下のようなサインがあれば重症化していることが考えられます。ひとつでも当てはまれば、早急に医療機関を受診しましょう。
<重症化のサイン>
・意識がはっきりしない
・呼びかけに応えない
・自力で水分を摂取できない
・処置をしても症状がよくならない
・尿量が少ない
受診の際には、状況のわかるご家族が医療者に説明することが重要です。普段から会話のはきはき度、尿の色、食事量を把握しておくと、「いつもと違う」ということを伝えやすくなります。
高熱、胸痛、呼吸困難、片側の手足の動かしにくさを伴う場合は、感染症や脳血管障害など別の重症疾患も考えられます。受診を迷うときほど、自己判断で様子見を長引かせないことが大切です。
高齢者ご本人は水分補給に消極的なことが多いため、水分補給してもらうにはご家族の後押しが必要です。本人の好みや体調も考慮しながら工夫してみましょう。
いつでも飲みやすい環境を整えると、水分補給の回数を増やしやすくなります。
例えば、手の力が弱っている方にはペットボトルではなく、一口サイズのコップや軽いマグに飲み物を入れるのがおすすめです。すぐ手に取れる場所に置き、食後や服薬時に「ひと口飲みましょう」と声をかけるだけでも、習慣化のきっかけになるでしょう。
外出時には水筒や飲みやすい容器を持参し、移動中も水分補給ができるようにしておくと安心です。
一気に飲むより、少量をこまめに取るほうが高齢者には向いています。一度にたくさん飲むと胃が張りやすく、嚥下に不安のある方はむせる不安もあります。1回に飲む量は少なめでも、朝起きたとき、食事の前後、入浴前後、就寝前といったタイミングを決めてこまめに何度も飲む形にすると、1日分の総量を確保できるでしょう。
水やお茶だけにこだわらず、麦茶、白湯、スポーツ飲料、味噌汁、果物なども1日の水分として考え、総量を増やすのがおすすめです。むせやすい方には、ゼリー飲料やとろみをつけた飲み物、スープなど形態を変えて取り入れる方法もあります。
ただし、水分や塩分、糖分の制限について医師からの指示がある方は、そちらを優先してください。
高齢者は暑くても、エアコンの使用を控えがちです。適切に冷房を使い、過剰な発汗や乾燥を防ぎましょう。
夜間のトイレが不安で水分を控える方には、その不安を否定するのではなく、夜間だけ尿とりパッドや紙おむつを使うなど、安心して水分補給できる環境を整えるのも一案です。
水分の摂取量と体調の変化を簡単に記録しておくと、脱水症状の早期発見に役立ちます。コップ何杯飲めたか、尿の回数や色に変化があったか、食欲や反応はどうか、といったポイントだけでも十分です。
家族間や訪問介護、デイサービスと共有できれば、「昨日から尿が少ない」「今朝は返事が鈍い」といった情報がつながり、不調にいち早く気づくことができるでしょう。
監修者のご紹介
武井 智昭先生(小児科医・内科医・アレルギー科医)
2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科医としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。
日本小児科学会専門医・指導医
日本小児感染症学会認定インフェクションコントロールドクター(ICD)
抗菌化学療法認定医
日本プライマリケア学会認定医
認知症サポート医
日本小児感染症学会認定医
日本臨床内科医会専門医
日本糖尿病学会認定医
一般社団法人予防医療研究協会 顧問、一般社団法人医療人材育成機構 理事

夜間のトイレが不安で水分補給を控えてしまう方に、安心して水分補給をしてもらうための選択肢のひとつが紙おむつです。本人の尊厳や生活リズムに配慮しながら、夜だけ取り入れる方法もあります。
ここでは、「アテント」シリーズから夜間におすすめの商品を紹介します。
「アテント 夜1枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 M/L」は、脚まわりがロング丈の紙おむつです。太ももが細い方にもふんわりフィットし、ウエストや脚まわりが睡眠時に締め付けられないので、快適な睡眠をサポート。うす型なのに、約4回分のおしっこ※をスピード吸収します。
※1回の排尿量を150mlとして、大王製紙測定方法による
「アテント 夜1枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 M/L」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 L
「アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 M/L」は、うす型で脚まわりがすっきりしたデザインの紙おむつです。約4回分のおしっこ※をスピード吸収するとともに、脚まわりのWギャザーがぴったりフィットして、睡眠時の脚まわりモレも防ぎます。
※1回の排尿量を150mlとして、大王製紙選定方法による
「アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 M/L」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 L
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収 男女共用 M/L」は、1枚で約6回分のおしっこ※を吸収できる紙おむつです。さらに、<背モレ防止ポケット>が仰向け寝でも背中からのモレを軽減。夜間の排尿回数が多めでも、朝まで快適に過ごせます。
※1回の排尿量を150mlとして、大王製紙選定方法による
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収 男女共用 M/L」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収 男女共用 L
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 8回吸収 男女共用 M/L」は、「アテント」紙パンツ史上最高※1の吸収量となる約8回分のおしっこ※2を、1枚で吸収できる紙おむつです。さらに、<背モレ防止ポケット>が仰向け寝でも背中からのモレを軽減。夜間の排尿回数が多めでも、朝まで快適に過ごせます。
※1 大王製紙調べ アテント国内大人用紙パンツ内 2024年5月時点
※2 1回の排尿量を150mlとして、大王製紙選定方法による
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 8回吸収 男女共用 M/L」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 8回吸収 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 8回吸収 男女共用 L
高齢者の脱水症状を防ぐのはご本人では難しいため、ご家族のサポートが欠かせません。水分補給をしやすい環境や、脱水症状を起こしにくい生活環境を整えるとともに、高齢者の変化に早めに気づけるように普段から記録をつけることをおすすめします。
夜間のトイレの不安から水分補給を控えてしまう場合は、「アテント」シリーズのような紙おむつも活用しながら、無理なく続けられる予防策を考えていきましょう。
高齢者が脱水症状を起こしやすい一因は、もともと体内の水分量が少ない一方で、喉の渇きや暑さに気づきにくく、水分補給に積極的ではないことが多いためです。特に、夜間のトイレを気にして飲む量を減らしている場合は注意が必要です。
高齢者が脱水症状を起こしていないかをチェックするには、口・舌・皮膚の状況と意識・排泄の状況を併せて確認するといいでしょう。口や舌、皮膚が乾きすぎていないかどうか、意識がぼんやりしていないか、尿が濃かったり減ったりしていないか、などがポイントになります。
高齢者の脱水症状を防ぐには、少量の水分をこまめに飲む習慣を作り、生活の中に水分補給のタイミングを組み込むことが基本です。朝起きたとき、食事の前後、入浴前後、就寝前など、時間を決めて声をかけると続けやすいでしょう。夜間のトイレが心配で水分を控えてしまう方には、夜だけ紙おむつを使うなど、安心して飲める環境作りも有効です。
画像提供/PIXTA







