
記事公開:2025.8.22
地震、台風、水害など、私たちの生活はさまざまな災害リスクと隣り合わせです。いつ起こるかわからない災害に備えるためには、非常食や防災グッズの準備はもちろんですが、家族みんなで話し合い、ルールを決めておくことが大切です。
特に、小さな子どもがいる家庭では、いざというときに「どう動くか」を子ども自身が理解しているかどうかが、命を守る大きな分かれ道になります。
この記事では、子どもを交えて防災ルールを決める際のポイントや、家庭で準備すべき防災対策について解説します。我が家に合った防災ルールを作り、家族の命を守る第一歩を踏み出しましょう。
監修者のご紹介
NPO法人プラス・アーツ
東京事務所長 小倉丈佳さん
愛媛県出身。大学・大学院と教育学を学ぶ。ウェブ制作を中心とするデザイン事務所を経て、2007年にNPO法人プラス・アーツに入社。教育、デザインというスキルを活かし、防災を楽しく学べる教材や啓発ツールの作成、企業の社内向け防災啓発活動のコンサルティングなどを手掛ける。
NPO法人プラス・アーツ
災害への備えというと、防災グッズや食料の準備を思い浮かべがちですが、同じくらい重要なのは「心の備え」です。いつ、どこで起きるかわからない地震や台風などに備えるには、家族で事前に話し合い、行動ルールを共有することが欠かせません。
災害時は、家族が別々の場所にいる可能性も高く、冷静な判断が難しくなる場面もあります。あらかじめルールを定めておけば、いざというときの混乱を減らし、避難や安否確認もスムーズに進むでしょう。
何より、事前に話し合うことで、子どもが自分で考えて行動できる力を育むことが大切です。
小倉さんコメント
誰かに言われるがままに防災グッズを用意しても、それがどんな状況で役立つのかを理解していないと、いざというときに使えません。災害への備えを検討するには、災害によって自分の身の回りにどういうことが起こるのかを具体的にイメージすることが不可欠です。
防災ルールについて話し合うときには、必ず家族で災害時のいろいろな状況をイメージすることになるので、ルールづくりは実効性のある備えにつながるとても大事なプロセスだと思います。
災害が発生したときに何よりも大切なのは、家族全員が同じ認識を持ち、適切に行動できることです。そのためには、家族構成やライフスタイルに合わせた「我が家の防災ルール」を作っておきましょう。
子どもが大人との会話をある程度できる年齢であれば、子どもも防災の話し合いに参加させることが重要です。ここでは、具体的な防災ルールの作り方を解説します。
防災ルールは漠然としたものでなく、具体的に言語化することが重要です。「地震が起きたら廊下(=家具のない場所)に逃げ込む」「避難する場所は◯◯小学校で、体育館の入口の前で待ち合わせをする」など、行動の基準を明確にすることで、災害時の判断がスムーズになります。
家族の生活スタイルに合わせて、できるだけ細かくシミュレーションしながらルールを作ってみてください。
災害が起きると、携帯電話やスマートフォンでの通話がつながりにくくなることが想定されるため、通話以外の連絡方法を決める必要があります。LINEなど普段使っている連絡方法があればそれらを活用、それが無理なら災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(Web171)を活用するという風に二重三重の対策をしておけると安心です。災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板は、使い方を子どもにもわかりやすい言葉で説明し、実際に使う練習をするのがおすすめです。
また、自宅のどこにメモを残すかということや、連絡を取り次いでくれる遠方の親戚・知人なども決めておくといいでしょう。
子どもが通う保育園や学校との連携を確認することも重要です。引き渡し方法や緊急時の連絡体制を事前に確認し、家族内で迎えに行く担当者を決めておきます。
また、定期的に行われる園や学校の防災訓練に保護者も積極的に参加し、ルールを家族で共有することが大切です。
また、大地震のあとはすぐに迎えに行けないことを子どもによく話しておきましょう。「時間がかかっても必ず迎えに行くから先生と待っていてね」と約束しておけば、子どもの不安を減らせます。
自宅近くの避難場所に行けない場合を想定し、親戚宅や職場付近など、複数の避難先を設定するのがおすすめです。学校、保育園、職場から自宅への帰宅ルートのほか、避難場所までのルートも共有し、できれば実際に歩いて確認しておくと安心感が高まります。
災害時の役割分担を、家族の中で明確にするのも大切です。誰が何を持ち出すか、ペットや高齢者がいる家庭では避難などのサポートを誰が担当するかなど、必要な役割を洗い出して担当する人を決めます。「自分のリュックを持つ」など、子どもにもできることがあれば割り当てるといいでしょう。
小倉さんコメント
災害が起こったときに、子どもが一人でいるという状況もありえます。また、家族と一緒にいたとしても、揺れが大きくて大人も動けないことがあります。そういった状況下で、子どもが自分で考え行動できるようにするために、防災ルールづくりには子どもも参加したほうが絶対にいいでしょう。
また、例えばですが「家族全員がもぐれる机がお家にはない」など、大人が思いつかないことを子どもが発見し議論が深まることも。子どもが参加することのメリットは、たくさんあると思います。
基本の防災対策として、非常持ち出し袋や備蓄といった物理的な備えは欠かせません。ここでは、もしものときのために、どのような物品を備えておけばいいのか紹介します。
自宅に危険が迫ったらすぐに避難できるよう、非常持ち出し袋を玄関の近くなど、すぐに手に取れる場所に保管しておくことが大切です。非常持ち出し袋の中身は、下記のリストを参考にしてください。

トイレットペーパーはかさばりがちですが、コンパクトに持ち出せる方法もあります。
詳しくは「#エリエールがやってみた」動画をご覧ください。
また、避難中にケガや病気をすることも考えられますので、薬や診察券のコピーを準備しておきましょう。ただし、マイナ保険証はコピーできないため、マイナポータルサイトから健康保険証の資格情報をダウンロードして印刷しておくと安心です。
自宅用として、飲料と食料品は、1人あたり最低3日分、できれば1週間分用意したいところです。家族構成や事情によって必要な量は異なりますが、東京都総務局が公開している「東京備蓄ナビ」で目安を知ることができます。
乳幼児や高齢者、ペットがいる家庭では、それぞれに合わせた備えも必要です。家族構成や子どもの成長に合わせて、定期的に見直しを行うことをおすすめします。
小倉さんコメント
ご自宅の耐震性が高く、かつ浸水リスクの低い場所にお住まいの場合は、「在宅避難」ができる可能性が高いです。それらの条件がクリアできない、もしくは近隣で火災が発生し、自宅にとどまることが危険な場合は、自宅外に避難する必要があります。このような自宅の災害リスクによって、非常持ち出し袋に必ず入れるべきものや量が変わります。備蓄や非常用の物品を「自宅に置いておく用」と「避難時に持ち出す用(=非常持ち出し袋)」に分け、それぞれどのくらいの量が必要かをシミュレーションしておきましょう。
室内にいるときの災害に備えた安全対策も欠かせません。地震による家具の転倒や落下を防ぐために、転倒防止金具やストッパーの設置を検討してはいかがでしょうか。
テレビや電子レンジなどの家電製品には、専用の耐震マットや滑り止めシートを使って、落下や移動を防ぐ工夫が必要です。
また、就寝中に地震が発生した場合に備えて、寝室の安全にも配慮しましょう。枕元に懐中電灯と靴を用意しておくと、夜間に停電が起きてもすぐに足元を照らして避難することができて安心です。
避難生活では、衛生用品や日用品が不足することも考えられます。ここでは、防災用に備えておきたいエリエールのおすすめ商品をご紹介します。災害時にも家族の快適さと清潔を守るため、ぜひ参考にしてください。
肌ざわりにこだわった「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ」は、災害時でも子どもの肌をやさしく守ります。長時間使用しても快適さが続き、非常時のストレスを軽減してくれるでしょう。サイズ展開も豊富なので、成長に合わせて準備しておくと安心です。
「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ
「グーン 12時間ぐんぐん吸収パンツ」は、水や電気が使えない状況でも、長時間快適に過ごせる紙おむつ。吸収力が高いので交換頻度を減らすことができるほか、コンパクトに持ち運べるので、非常持ち出し袋に入れておくのにぴったりです。
「グーン 12時間ぐんぐん吸収パンツ」については、下記のページをご覧ください。
グーン 12時間ぐんぐん吸収パンツ
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、ノンアルコールタイプで肌への刺激が少ない上、水分たっぷりで断水時にも便利です。赤ちゃんのおむつ替えだけでなく、手や顔をふいたり、大人の体をふいたりといった使い方もあります。
「グーン 肌にやさしいおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき
災害時、避難所生活が長引くことを考えると、生理用品の準備は女性にとって切実な問題です。ナプキンとショーツが一体になった「エリスショーツ」は、12時間※交換不要の吸収力ながら、コンパクトに収納できるため非常持ち出し袋に入れても場所をとりません。
※当社調べ。個人差がありますので経血量に合わせて適宜取り替えてください。交換不要を推奨するものではありません。
「エリスショーツ」については、下記のページをご覧ください。
エリスショーツ
「エリエール Plus+(プラス)キレイ ハンドタオル」は、しっかり拭き取れる吸水性が特長の使い捨てタオルです。お口ふき、お手ふきに適したやわらかな肌ざわり。パッケージは抗菌フィルムで、災害時の生活を快適にサポートします。
「エリエール Plus+(プラス)キレイ ハンドタオル」については、下記のページをご覧ください。
エリエール Plus+(プラス)キレイ ハンドタオル
「エリエール 除菌できるノンアルコールタオル」は、ノンアルコールタイプながら、身のまわりの品を拭くだけで99.9%の除菌性能を発揮。アルコールの刺激が苦手な方でも、安心して使用できるアイテムです。
「エリエール 除菌できるノンアルコールタオル」については、下記のページをご覧ください。
エリエール 除菌できるノンアルコールタオル
「エリエール Zutto(ずっと)ムレ爽快 ふつうサイズ」は、高通気素材と立体プリーツ構造で息がこもりにくく、ムレにくいのが特長のマスク。独自の「やわらかフィット耳掛け」で、長時間かけていても快適に過ごせます。不織布3層構造と国内工場生産の高機能フィルター採用で、ウイルス飛沫、かぜ、花粉、ハウスダスト、PM2.5の侵入を防ぎます※。
※マスクは感染(侵入)を完全に防ぐものではありません。
「エリエール Zutto(ずっと)ムレ爽快 ふつうサイズ」については、下記のページをご覧ください。
エリエール Zutto(ずっと)ムレ爽快 ふつうサイズ
「エリエール トイレットティシュー シングル/ダブル」は、エリエール独自のNew Soft & Bulk製法でふんわりやわらかな肌ざわりに仕上げたトイレットティシュー。蛍光塗料は使用せず、パルプ100%でつくりました。不安なときにも、いつもと同じやさしさのティシューがあれば心がやわらぐでしょう。
「エリエール トイレットティシュー シングル/ダブル」については、下記のページをご覧ください。
エリエール トイレットティシュー
防災への備えは、備蓄や防災用品をそろえるだけでは十分とはいえません。最も重要なのは、家族全員が「いざというとき、どう動くか」を理解し、実践できることです。特に、子どもがいる家庭では、子ども自身が自分の役割を理解し、行動できることが命を守る力になります。
そのためには、普段から防災について話し合い、ルールを決めておくことが欠かせません。もしものときに家族全員が冷静に行動できるよう、今日から家族で防災ルールを話し合い、準備を始めてみてはいかがでしょうか。
ここでは、防災に関するよくある疑問についてお答えします。家族で防災を考える際の参考にしてください。
防災ルールは、子どもの年齢や成長に合わせて、できる範囲で理解を促すことが大切です。
未就学児はまだ自分で判断ができないため、「1階にいるときに地震が来たら廊下に逃げ込む」「2階にいるときは寝室に」など、できるだけ具体的にルールを決めて教えましょう。
2~5歳くらいの幼児には、絵本やアニメなど視覚的な教材や、防災ごっこ遊びなどを通して教えるのがおすすめです。遊びの中で繰り返すことで、自然と行動が身につきます。
小学生になれば自分で考えられるようになるので、大人が決めたものを理解させるという方法ではなく、子ども自身にルールを考えてもらうよう働きかけるのが有効です。
3~4年生になりひとりで外出する機会が増えてきたら「避難場所」について教え、5~6年生になり電話を使うようになったら「連絡手段」について教えるなど、子どもの生活の延長線上でルールを覚えられるように工夫すると効果的です。
非常持ち出し袋の中身は、年に1回以上、できれば半年ごとに見直すことをおすすめします。食料や水の賞味期限を確認して入れ替えるほか、子どもの成長に伴っておむつのサイズを変更したり、家族構成の変化に合わせて物品を追加・削除したりといった見直しが重要です。非常持ち出し袋は、取り出しやすい場所にあるか、重すぎないかも確認すべきポイントです。
防災ルールを子どもに教えるときには、ゲーム感覚で取り入れるのがおすすめです。例えば、「いま地震が来たら、どこに隠れると良い?」「地震の揺れで倒れてきたり落ちてきたりするものがない場所はどこ?」など、謎解きゲーム形式にすると、楽しみながら身に付けられます。大人がすぐに答えを教えるのではなく、子どもが自分で考えることを意識した働きかけをすることで、いざというとき自分で自分の身を守る力が養われます。
画像提供/PIXTA













