生理の血が黒いのは病気？原因と症状で見る受診目安

記事公開：2025.11.4

生理の血が黒い場合に、「もしかして病気？」と不安になった経験がある方もいるでしょう。経血の色は赤だけでなく、茶色や黒っぽく見えることもありますが、これは必ずしも異常とは限りません。一方で、血の色の変化とともに、ほかの症状がある場合は注意が必要です。

この記事では、生理の血が黒い原因や、経血の色からわかる体のサイン、受診を検討すべき症状などを解説します。

監修者のご紹介

佐藤杏月先生
（八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医）

生理の血が黒いのは病気？

黒っぽい経血があった場合、「体の異常かも」と考える方もいるかもしれません。なぜ経血の色が黒く見えることがあるのでしょうか。その主な原因や、色の変化について見ていきましょう。

黒い血の原因は酸化によるもの

経血が黒っぽく見える最も一般的な理由は「酸化」です。血液は体外に出るまでのあいだに酸素に触れて酸化し、色が黒くなっていきます。特に、子宮からの排出に時間がかかると、赤い血が茶色や黒っぽく変化します。

この現象は異常ではなく、体の仕組みによる自然なものです。例えば、経血が一度に多く出る生理2～3日目は濃い赤になりますが、出血量が少ないときは血の流れが緩やかになり、酸化が進みやすくなります。そのため、黒っぽい経血が見られても、基本的には心配のいらないケースが多いでしょう。

生理の始まり・終わりに経血が黒くなる理由

生理の始まりや終わりには出血量が少なくなるため、血液が体内にとどまる時間が長くなり、その結果、酸化が進んで経血が茶色や黒色に見えることがあります。これは多くの女性が経験する自然な変化であり、病気のサインとは限りません。

ただし、「いつもと違って黒い血が続く」「強い腹痛や大量の血の塊を伴う」といった場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮のトラブルなど、婦人科疾患が関係する可能性もあります。黒っぽい経血自体はよくある現象でも、ほかの症状と組み合わさったときは注意が必要です。

生理の血が黒くて心配になった経験がある女性は、どのくらいいる？

生理の血の色がいつもと違うように感じる場合、心配になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、クラブエリエール会員の女性を対象に、生理の血が黒くなった経験についてアンケートを実施しました。

※コメントは一部抜粋しています。

【調査概要】
調査対象：クラブエリエール会員の10代以上の女性
調査期間：2025年9月8日～9月11日
調査手法：インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数：2,155件

■生理の血が黒くて心配になったことはありますか？

クラブエリエール会員の女性に、生理の血が黒くて心配になったことがあるかどうか聞いたところ、「はい」の回答は37.3％となりました。
では、実際に経血の色が気になったときに、どのような対応をしたのか聞いてみました。

■経血の色が気になったときに、どのような対応をしましたか？（複数回答）

経血の色が気になったときに、まずは「何もせず様子を見た」方、「ネットで原因を調べた」方が特に多い結果となりました。また、それ以外にも具体的にどのような対応をしたのか聞いたところ、下記のような声がありました。

経血の色が黒っぽくても、一般的には心配のないケースが多いですが、体調面でほかにも気になる点があれば、早めに婦人科を受診することが大切です。

経血の色でどんなことがわかる？

経血の色は赤だけでなく、濃い赤や茶色、黒っぽい色、さらには赤より薄くピンクのように見えることもあります。血液は酸素に触れることで酸化し、その過程で色が黒っぽく変化するため、経血の色の違いは必ずしも異常を示すものではありません。ただし、ほかの気になる症状があれば注意が必要です。
ここでは、経血の色ごとに考えられる原因について解説します。

経血が濃い赤や鮮血の場合

生理2～3日目の出血量が多い時期には、濃い赤や鮮やかな赤の経血が見られることが一般的です。これは通常の生理でよく見られる状態で、血液がスムーズに体外へ排出され、酸化する時間が少ないことを表しています。

ただし注意したいのは、鮮血で出血量が極端に多い場合です。短時間でナプキンを何度も交換しなければならないような過多月経は、ホルモンバランスの乱れや婦人科系の病気などが隠れている可能性もあります。

経血が茶色や黒っぽい場合

経血が茶色や黒っぽく見えるのは、多くの場合「酸化」が原因で、必ずしも異常を示すわけではありません。血液が子宮や腟内にとどまる時間が長くなると、酸素に触れて酸化し、赤から茶色、さらに黒っぽい色へと変化していきます。特に生理の始まりや終わりの出血量が少ない時期には、このような色の変化が起こりやすくなります。

ただし、茶色や黒っぽい経血にほかの症状が加わる場合は要注意です。例えば、色の変化以外に出血が長引く、強い腹痛が伴う、経血とともに大量の塊が出るような場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど婦人科疾患の疑いが考えられます。

経血がピンク色や水っぽく薄い場合

経血がピンク色や水っぽく薄く見えるときは、血液の量が少ないために色が薄まっているようなケースです。生理中であれば、ホルモンバランスの乱れによって経血量が減り、結果としてピンク色に見えることがあるでしょう。
一方で、生理の時期ではないのにピンク色の出血が見られる場合は、排卵期に起こる「排卵期出血」の可能性があります。これはホルモンの変化に伴って一時的に起こるもので、多くは自然に収まります。

ただし、ピンク色や水っぽい出血が繰り返し見られる、または長く続くときには注意が必要です。子宮頸部の異常や婦人科系の病気が関わっているケースも考えられます。

経血の色以外に気になる症状があるときは、婦人科の受診が必要

経血の色や生理中の状態は、体のリズムや健康を映す大切なサインです。経血が黒っぽいときは心配のないケースも多いですが、次のような症状が重なる場合は注意が必要です。

これらの背景には、ホルモンバランスの乱れや婦人科系の病気が隠れていることもあります。不安を抱えたままにせず、気になる症状があるときは、早めに婦人科を受診することが大切です。

監修者のご紹介

佐藤杏月先生（八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医）
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人と共に2020年八丁堀さとうクリニックを開業。

八丁堀さとうクリニック

【商品紹介】ひとりひとりに寄り添う「エリス」シリーズ

生理中の症状や悩みは人それぞれ。女性ひとりひとりの毎月の不安や体調の変化に寄り添い、少しでも快適に過ごせるようサポートするナプキンの「エリス」シリーズをご紹介します。

エリス ルナフィット（多い昼用）羽つき 23cm/超スリム（多い昼用）羽つき 23cm

「エリス ルナフィット」シリーズは、独自開発の＜スライドフィット吸収体＞を採用。体の動きに合わせてスライドするため、座ったり歩いたりしても肌にしっかりフィットします。羽つきタイプでヨレ・ズレを防ぎ、肌とのすきまもできにくい構造なので、モレの不安を軽減。経血が多い日や体調がすぐれない日でも安心して過ごせます。

「エリス ルナフィット（多い昼用）羽つき 23cm」「エリス ルナフィット超スリム（多い昼用）羽つき 23cm」については、下記のページをご覧ください。
エリス ルナフィット（多い昼用）羽つき 23cm｜エリス
エリス ルナフィット超スリム（多い昼用）羽つき 23cm｜エリス

エリス コンパクトガード（多い昼用）羽つき 23cm

「エリス コンパクトガード（多い昼用）羽つき 23cm」は、シートがわずか1.9mmという薄さながら、しっかりとした吸収力を持つナプキンです。超吸収ポリマーがぎっしり詰まっているため、普通のナプキンの2倍※の経血を吸収。モレにくく、長時間の使用でも安心感が続きます。さらに、ポーチに入れやすいコンパクトサイズと華やかなデザインで、持ち運びのしやすさもうれしいポイントです。

※大王製紙「エリス 新・素肌感 ふつう～多い日の昼用 羽つき」との比較。

「エリス コンパクトガード（多い昼用）羽つき 23cm」については、下記のページをご覧ください。
エリス コンパクトガード（多い昼用）羽つき 23cm｜エリス

エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用

「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用」は、夜用ナプキン3枚分※1の吸収力を備えたショーツ型ナプキンで、全方位からズレやモレを防ぐ設計となっています。12時間※2履いていても安心で、就寝時の伝いモレや日中の経血量が多い日も頼りになります。スタイリッシュなブラックカラーは、おむつ感がなく自然に身につけられる点も魅力です。

※1 大王製紙「エリス新・素肌感 多い日の夜用羽つき」との比較。
※2 大王製紙調べ。個人差がありますので経血量に合わせて適宜取り替えてください。交換不要を推奨するものではありません。

「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー」については、下記のページをご覧ください。
エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー｜エリス

エリス 朝まで超安心 クリニクス

「エリス 朝まで超安心 クリニクス」は、過多月経専用のナプキンで、高い吸収力によって経血量の多さによる悩みを軽減します。大量かつ粘度の高い経血も繰り返しスピード吸収、表面シートは肌ざわりがよく、快適な使用感です。さらに防水ダブルフィットギャザーで、ギャザーからのしみ出しモレも防止。経血量の多い日が続くときも、安心して過ごせます。

「エリス 朝まで超安心 クリニクス」については、下記のページをご覧ください。
クリニクス（CLINICS） | エリス

黒い経血は必ずしも異常ではないが、気になる症状があれば早めの受診を

経血が黒っぽく見えるのは、多くの場合、血液が酸化して起こる自然な現象です。そのため、黒っぽい経血が出ても必ずしも病気を意味するわけではありません。
ただし、経血の色以外にも、周期の乱れや異常な出血量、強い痛みなど、普段と違う症状があるときは注意が必要です。気になる変化が続くときや日常生活に支障をきたしている場合は、早めに婦人科へ相談することをおすすめします。

よくあるご質問

生理の血が黒いのは病気？

生理の血が黒っぽく見える主な原因は、血液の酸化です。色の変化は多くの人が経験する自然な現象であり、必ずしも病気を意味するわけではありません。ただし、出血が長引く、強い腹痛を伴うなど、ほかの症状が重なる場合は注意が必要です。

経血の色とともに、注意したほうがいい生理の症状は？

経血の色の変化に加えて、次のような症状がある場合は注意しましょう。例えば、生理周期が大きく乱れる、出血量が極端に多い・少ない、レバー状の大きな塊が繰り返し出る、強い腹痛や吐き気を伴うといったケースです。これらの症状の背景には、ホルモンバランスの乱れや子宮のトラブルなど、婦人科疾患が関わっている可能性もあります。

生理の症状で婦人科を受診する目安は？

生理の症状として、経血が黒っぽく見えるだけであれば、様子を見ても問題のない場合が多いでしょう。ただし、経血の色や生理中の症状は、体のリズム・健康状態を映す大切なサインです。生理周期の乱れや出血量の変化、強い腹痛など、普段と違う症状を感じている場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。医師に相談することで安心につながり、必要に応じて早めの治療にもつながります。

画像提供／PIXTA

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