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家庭でできる食中毒対策!夏の食中毒予防3原則と6つのポイント

記事公開:2023.5.31

ジメジメとした日が続く、梅雨から夏にかけて発生しやすい「食中毒」。ニュースなどで耳にするのは飲食店などでの集団発生ですが、家庭で発生するケースも少なくありません。症状が軽ければ「風邪でも引いたかな?」と思う程度で済むこともありますが、重症化すれば命に関わることも。
今回は、食中毒の原因と、家庭でできる食中毒対策についてご紹介します。

食中毒は飲食で起こる健康被害の総称

食中毒は、飲食物に含まれた有害なものによって引き起こされる、健康被害の総称です。腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが代表的な症状ですが、取り込んだ有害物質の量や、本人の免疫力によっては命を脅かすこともあります。
食中毒の主な原因は「細菌」や「ウイルス」ですが、フグや食用でないキノコなどに含まれる「自然毒」、赤身魚に含まれるヒスタミンなどの「化学物質」、魚介類につくアニサキスといった「寄生虫」などによる体調不良も、食中毒に分類されます。

夏は細菌性、冬はウイルス性の食中毒に注意

食中毒は、季節によって発生する原因の傾向が変わります。例えば、高温多湿の環境が続く6~8月頃には、細菌を原因とする食中毒が多く発生します。これは、食中毒の原因菌の多くが、20℃くらいの温度で活発になり、35~40℃で急激に増殖する性質を持つため。
また、多くの細菌は乾燥した環境よりも湿気を好むことから、梅雨時から夏場に細菌性の食中毒が発生しやすいのです。

一方、気温が下がり空気の乾燥する11~3月頃には、ウイルスを原因とする食中毒が増えます。ウイルスは低温を好む上、乾燥した場所でも生き残ることができるのです。
なお、ウイルスは細菌とは違い、単体では増えることはできないため、食べ物の中で増殖することはありません。ですが、生物の体内に入ると一気に増えて、食中毒を引き起こします。

食中毒の原因となる代表的な細菌・ウイルス

食中毒を起こす細菌やウイルスにはどのようなものがあり、どんな症状を引き起こすのでしょうか。ここでは、家庭での食中毒の原因となりやすい、代表的な細菌・ウイルスについて解説します。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は、家畜の腸内や河川など、自然界に広く生息している細菌です。乾燥に強く、少しの菌でも強い症状を引き起こすのが特徴。十分に加熱していない卵や肉、魚などの食材が原因となることが多く、食後6~48時間程度の潜伏期間を経て、激しい腹痛、嘔吐、下痢、やや高い熱などの症状を引き起こします。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、普段から人の皮膚や鼻の粘膜などに存在している菌です。食べ物の中で増殖するときに毒素を作り出し、この毒素を摂取してしまうと食中毒を起こします。
また、毒素は熱に強く、100℃で20分加熱しても分解できません。食後30分~6時間程の潜伏期間があり、嘔吐や腹痛、時に下痢などの症状が現れます。手で食品に触れるときに菌が付着しやすいため、おにぎりや寿司などが感染の原因となることがあります。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは塩分を好み、水温15℃以上で活発に活動する細菌です。そのため、海水温度が高い時期の魚介類に付着していることがあります。主に、刺身や寿司といった生の魚介や、まな板などの調理器具を介して二次汚染された食品が原因で起こります。
また、真水や熱に弱い一方、ほかの食中毒菌に比べて増殖速度が速いのが特徴。食後4~96時間で激しい下痢や腹痛などの症状が現れ、発熱や嘔吐を伴う場合もあります。

腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜の腸管内にいることがある細菌です。O157やO111をはじめ、さまざまな種類があります。強力な毒素を作り出すほか、少量の菌でも食中毒を引き起こすのが特徴。食後12~60時間程で激しい腹痛や下痢(血が混じることも)などの症状が出て、重症化すると命を落とすこともあります。加熱不十分な肉やしっかり洗っていない野菜のほか、井戸水などから感染する例もあります。

カンピロバクター

カンピロバクターは、酸素が少しある環境を好み、30~46℃くらいで増殖する細菌です。さまざまな家畜の消化管内に生息しており、流通している鶏肉の半数程度はカンピロバクターを持っているともいわれます。
食後2~7日で発熱、腹痛、下痢、吐き気、筋肉痛といった症状が現れるのが特徴。しっかり火が通っていない鶏肉や、洗い方が不十分な野菜、井戸水・湧き水などを通して感染するケースが多く見られます。

ノロウイルス

ノロウイルスは、カキを含む二枚貝などに潜んでいることがあるウイルスです。一年中感染しますが、特に冬季に大規模な胃腸炎を引き起こすことが多く、食中毒患者数の4割以上はノロウイルスによるものともいわれています。食後1~2日で激しい下痢や吐き気、腹痛などの症状が現れるのが特徴。ノロウイルスが潜んだ二枚貝を十分加熱せずに食べたり、汚染された井戸水を飲んだりするほか、感染者の手や唾液、排泄物、吐しゃ物などから二次感染するケースもあります。

夏の食中毒予防の3原則

食中毒を引き起こす原因となる細菌は、どれも身近に存在しているものばかり。そのため、夏の食中毒を予防するには、「つけない」「増やさない」「やっつける」という「食中毒予防の3原則」の徹底が大切です。

食べ物に細菌を「つけない」

細菌は、手やまな板、包丁などを介して食品に移り、食中毒を引き起こします。そこで、食べ物に細菌を「つけない」ことが大切です。

まず、調理の前に爪のあいだや手首までしっかり洗います。調理中も、取り扱う食材が変わるたびに手を洗ってください。加熱せずに食べる食材は、先に下ごしらえを済ませて取り分けておくといいでしょう。

野菜や魚は、調理の前に表面についた汚れをしっかり洗い流します。ただし、肉は水洗い厳禁。水洗いにより、細菌などがシンク周辺や調理器具に飛び散って、二次汚染をまねく可能性があります。
生肉や魚を調理した後、次の食材を扱うときは、まな板や包丁などを都度よく洗って殺菌してください。可能であれば、肉・魚用と野菜・果物用で、包丁とまな板を使い分けるのが理想です。

なお、手をしっかり洗っていても、調理中に細菌などが手に付着してしまう可能性があります。おにぎりや寿司を作るときは、調理用手袋やラップを使うのがおすすめです。

食べ物についた細菌を「増やさない」

高温多湿を好み、時間の経過とともに増殖する細菌を「増やさない」ためには、迅速さがカギとなります。

食中毒の原因菌の多くは、10℃以下になると増えにくくなり、-15℃以下では増殖しなくなります。そこで、購入した食材はすみやかに低温保存してください。生ものや、調理済みのお惣菜などを室温で長く置くことは避け、食べるまで時間がかかる場合はすぐに冷蔵庫に入れます。

また、大きい食材を保存するときは、小分けにして冷凍しましょう。小さくすることで調理時に使いやすいだけでなく、保存に適した温度まで素早く冷却されることが期待できます。
なお、冷凍した食材を解凍するときは、自然解凍よりも流水や電子レンジを使用するほうが、短時間で解凍できるため細菌の増殖を防ぐことが可能です。

付着した細菌を「やっつける」

多くの細菌は熱に弱いため、熱を利用して「やっつける」ことができます。

調理の際は、食材の中心までしっかり加熱していることを確認します。また、焼き肉やしゃぶしゃぶをするときは、生肉に触れる箸と食事用の箸を使い分けてください。
調理後の包丁、まな板、スポンジなどは、使用後によく水洗いしてから熱湯で消毒します。さらに、定期的に塩素系漂白剤で消毒すると安心です。

使い終わった食器や調理器具をキッチンに長時間放置するのも、食中毒防止の観点からは厳禁。付着した食べ物に細菌が繁殖する可能性があるので、できるだけ早く洗ってください。三角コーナーのごみも、早めに処理しましょう。

家庭でできる食中毒予防6つのポイント

自宅で起こる食中毒であっても、重症化して死に至ることがあります。「家のご飯」の安全性を守るため、下記の6つのポイントを意識して行動しましょう。

1 購入時のポイント

食品を購入するときは、消費期限を確認し、食べきれる量を購入してください。生鮮食品は、常温で持ち歩く時間をできる限り短くするため、買い物の最後にかごに入れるのがおすすめです。
また、肉や魚はパックから漏れ出した水分(ドリップ)がほかの食品に付着しないよう、個別にビニール袋に入れてから袋詰めしましょう。

2 保存時のポイント

生鮮食品やお惣菜などは、買い物から帰宅後、間を置かずに冷蔵庫・冷凍庫へ。詰め込みすぎると適切な温度を維持できなくなるため、庫内に3割程度の余裕を残すのがコツです。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持できるように設定してください。
冷蔵庫内に食材から出た水分などがこぼれたときは、除菌効果のあるウエットティシューで拭き、ほかの食材への細菌の付着を防ぎましょう。

3 下準備のポイント

調理前の下準備として、生のまま食べるものと、加熱調理が必要なものをしっかり分けておきます。タオルやふきんは清潔なものと交換し、ごみも捨てましょう。何かの行動から次の行動に移るときは、必ず手を洗ったり、ウエットティシューで手指を消毒したりして、付着した細菌が広がることを防ぎます。
また、調理前のキッチンやカウンターは、除菌ウエットティシューで拭き取っておくと安心です。

4 調理のポイント

加熱調理する食品は、食材の中まで十分に火を通しましょう。中心部が75℃の状態で、1分以上加熱するのが目安です。
電子レンジを使うときは、専用の容器と蓋を使い、庫内に食材から出た汁などが飛び散るのを防ぎます。また、熱の伝わりにくいものは、温まり方にムラが出ないよう時々かき混ぜると効果的です。
なお、調理の途中で次の調理に取り掛かるときには、手を洗うか、ウエットティシューで手指を消毒します。

5 食事のポイント

食事をする前にしっかり手を洗います。バルコニーや屋上で食事するときなど、流水で手を洗えない場合は、手指の消毒効果のあるウエットティシューでよく拭いてください。
料理は清潔な手で、清潔な器具を使って、清潔な食器に盛りつけます。また、食事を並べるテーブルも、除菌ウエットティシューなどできれいに拭いておきましょう。

6 残った食品を保存する際のポイント

ウエットティシューで手指の消毒をしてから、新しい食器ときれいなお皿を使って、残った食品を保存します。冷蔵庫で早く冷えるように、浅い容器に小分けして保存するのがおすすめ。調理から時間が経ちすぎた料理は、思い切って捨てましょう。

食中毒予防に役立つエリエールの商品

夏の食中毒予防のためには、こまめな除菌・消毒が重要。また、キッチンやテーブル、冷蔵庫内に残った油汚れやこぼした調味料、野菜くずなどは細菌のエサとなるため、すみずみまできれいに掃除することが大切です。ここでは、エリエールの除菌・消毒グッズと、キッチンクリーナーを紹介します。

「エリエール 除菌できる」シリーズ

「エリエール 除菌できる」シリーズは、拭くだけで身の回り品を除菌できる、速乾性の高いアルコールタオル。除菌したい場所や目的に合わせて選べるバリエーションをラインナップしています。日常的な「除菌したいシーン」で、メインアイテムとして活用いただける商品です。


・エリエール 除菌できるアルコールタオル
テーブル周りやキッチン周りに最適。拭くだけで簡単に99.9%除菌できます。

・エリエール 除菌できるアルコールタオル ウイルス除去用
細菌に加え、ウイルスも除去できるタイプ。冬の食中毒予防にもおすすめです。

・エリエール 除菌できるアルコールタオル 抗菌成分プラス
99.9%除菌に加えて、48時間菌の増殖を防ぎます。調理後のキッチンの拭き掃除などに。

・エリエール 薬用消毒できるアルコールタオル
ウイルスや細菌に強く、調理中の手指の洗浄・消毒に使えます。

・エリエール 除菌できるアルコールタオル 食卓テーブル用 EX
テーブル、いす、キッチン周りまで、1枚で丸ごと除菌できる超大判・超厚手シート。

「エリエール 除菌できる」シリーズについては、下記のページをご覧ください。
エリエール 除菌できるアルコールタオル
エリエール 除菌できるアルコールタオル ウイルス除去用
エリエール 除菌できるアルコールタオル 抗菌成分プラス
エリエール 薬用消毒できるアルコールタオル
エリエール 除菌できるアルコールタオル 食卓テーブル用 EX

「キレキラ!キッチンクリーナー」シリーズ

「キレキラ!キッチンクリーナー」シリーズは、サッと拭くだけで油汚れを落として除菌もできる掃除シートです。コンロや調理台、シンク、電子レンジや冷蔵庫の内側など、キッチン周りを清潔に保ちます。キッチン周りのお掃除がメインで、いっしょに除菌もしたい方におすすめの商品です。

・キレキラ!キッチンクリーナー 徹底キレイ おそうじシート
シート1枚で、油汚れから、99.9%除菌・ウイルス除去・24時間抗菌まで徹底キレイ!

・キレキラ!キッチンクリーナー おそうじシート 捨てるだけで生ゴミ消臭
油汚れ、99.9%除菌※1・ウイルス除去※1※2・24時間抗菌※1※3に生ゴミ消臭機能※4をプラス!

※1 特定の菌(及びウイルス)・条件下で試験。すべての菌・ウイルスに同様の効果が得られるものではありません。
※2 エンベロープタイプのウイルス1種で効果を検証。ウイルス除去は液が多い状態で行ってください。
※3 一般的なステンレス材を抗菌。
※4 すべての生ゴミ臭を消臭するわけではありません。シートが乾くと消臭効果が低減します。



「キレキラ!キッチンクリーナー」シリーズについては、下記のページをご覧ください。
キレキラ!キッチンクリーナー 徹底キレイ おそうじシート
キレキラ!キッチンクリーナー おそうじシート 捨てるだけで生ゴミ消臭

食中毒だと思ったらすぐに病院へ!

家での食中毒は、予防3原則と6つのポイントを守ることで、リスクを軽減できます。除菌ウエットティシュー、除菌のできるキッチンクリーナーなども活用して、調理・食卓環境を清潔に保ちましょう。
また、家庭での食中毒は、症状が軽いと見過ごしやすいものですが、放っておいて重症化してしまうと大変です。体の不調を感じたときは、自己判断で市販薬などを服用せずに、早めに病院を受診してください。

画像提供/PIXTA



監修者のご紹介
宝田美紗子先生
千葉大学医学部卒。千葉西総合病院、松本脳神経外科内科クリニック(狛江市)に勤務。総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、ヘリコバクター学会認定医、腸内細菌学会所属

 

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