
記事公開:2026.3.10
「くしゃみをした瞬間に出てしまう」「急な尿意でトイレまで間に合わない」など、尿モレの症状に悩む女性は少なくありません。デリケートな悩みゆえに一人で抱え込みがちですが、実は多くの女性が経験している身近なトラブルです。
この記事では、女性に尿モレが起こる主な原因や、4つの尿モレタイプ、日常で取り組みたい尿モレ対策について解説します。
ライフステージの変化とともに、多くの女性が尿モレを経験するようになります。では実際に、どのような場面で悩み、どのような対策を行っているのでしょうか。
今回は、クラブエリエール会員の女性を対象に、女性の尿モレに関する悩みについてアンケートを実施しました。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:20~90代のクラブエリエール会員の女性
調査期間:2025年12月19日~2026年1月7日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:1,316件
■尿モレの症状について悩みがありますか?(年代別)
尿モレの症状について悩みがあるかどうか聞いたところ、「はい」と答えた人の割合が、40代以降はいずれも半数以上という結果となりました。それでは次に、「はい」と答えた方を対象に、尿モレに関して具体的にどのようなことで悩んでいるのかを聞いてみました。
■尿モレに関するどのようなことで悩んでいますか?(複数回答)
「咳やくしゃみ、重い物を持つなどでおなかに力がかかることが心配」の回答が一番多く、57.0%という結果でした。体に急な負担がかかることで起こる尿モレに皆さん悩んでいるようです。それ以外にも「突然の尿意を感じてトイレまで間に合わない」「尿意がなくても念のため何度もトイレに行ってしまう」などにも多くの回答が集まりました。
また「その他」と答えた方からは、下記のような回答が寄せられました。
<尿モレに関して悩んでいること>
・残尿が多く不注意で汚すことがある
・自覚がないまま少しずつモレる
・急な咳やくしゃみのときにコントロールできない
・おりものなのか尿モレなのかわからないときがある
・尿モレの量が年齢とともに増えていくのが不安
・下着がぬれるとニオイが気になる
次に、尿モレ対策として行っていることについてアンケートを行いました。
■尿モレ対策として行っていることがあれば教えてください(複数回答)
尿モレ対策で行っていることとして、「専用の吸水ケア用品を使用している」に48.1%、「外出先ではトイレの場所をチェックしている」に39.6%と、多くの回答が集まりました。
また「その他」と答えた方からは、下記のような回答もありました。
<具体的な尿モレ対策>
・体を冷やさないように気をつけている
・外出する前にトイレで用を足してから出掛ける
・なるべくトイレを意識しないようにしている
・夜は吸水ケア用品を利用している

女性が男性に比べて尿モレを起こしやすい原因には、女性特有の体の構造と、ライフステージによる体の変化が関係しています。
まず、体の構造的に、女性は男性よりも尿道が短く、3~4cmでかつ直線的な形状です。そのため、おなかに力がかかった際に尿を止める抵抗力が弱く、物理的にモレやすい構造となっています。
また、女性は妊娠・出産、そして更年期・閉経という大きなライフステージの変化を経験します。妊娠中は大きくなった子宮が膀胱を圧迫し、尿意を感じることが多くなるでしょう。また、出産時には産道を通る際に骨盤まわりの筋肉や神経に大きな負荷がかかり、後に尿モレの原因となることがあります。
さらに更年期以降は、女性ホルモンの減少によって筋肉の柔軟性や厚みが失われるため、若い頃よりも尿を保持する力が低下しやすくなり、尿モレにつながる原因となります。
女性の尿モレにはさまざまな要因がありますが、その多くに共通しているのが「骨盤底筋」のゆるみです。ここでは、骨盤底筋の役割と、ゆるんでしまう主な原因について見ていきましょう。
骨盤底筋とは、骨盤の底にあるハンモック状の筋肉の集まりです。膀胱や子宮、直腸などの臓器を正しい位置で支え、尿道を締めることで排尿をコントロールする重要な役割を担っています。この骨盤底筋がしなやかに動くことで、普段は尿道を閉じて尿がモレないようにし、排尿時にはゆるんでスムーズな排出を助けます。
しかし、何らかの理由でこの筋肉がダメージを受けたり、筋力が低下して「ゆるみ」が生じたりすると、尿道を締める力が弱まり、わずかな衝撃でも尿モレが起こりやすくなってしまうのです。
骨盤底筋がゆるむ原因として代表的なものは「加齢」による全身の筋力低下ですが、それ以外にも女性特有のライフイベントや生活習慣が大きく影響します。
出産時には、赤ちゃんが産道を通る際に骨盤底筋が引き伸ばされ、大きなダメージを受けます。特に妊娠中から「リラキシン」というホルモンの影響で関節や筋肉がゆるみやすくなっており、そこへ成長した子宮の重みが加わることで、筋肉への負担がさらにかかる仕組みです。
また、日常的な「腹圧」も無視できません。肥満による内臓の重み、慢性的な便秘によるいきみ、持病の咳などは、常に骨盤底筋を押し下げる負荷となり、徐々に筋肉を疲弊させます。
更年期以降は、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が急激に減少する年代です。エストロゲンには筋肉や粘膜の弾力性を保つ働きがあるため、これが不足することで骨盤底筋も薄く硬くなり、筋力が低下しやすくなります。
さらに、尿道周囲の粘膜もしなやかさを失って萎縮するため、以前よりも尿道を締める力が弱まります。更年期以降に尿モレの悩みが増えるのは、単なる加齢だけでなく、こうしたホルモンバランスの変化が筋肉の衰えに影響しているためです。
女性の尿モレは、その原因や症状の現れ方によって大きく4つのタイプに分類されます。自分の症状がどれに当てはまるかを確認してみましょう。
腹圧性尿失禁は、女性の尿モレにおいて代表的なタイプです。くしゃみ、咳、重い荷物を持つ、走る、ジャンプするなど、おなかに力が入った際に尿がモレてしまうのが特徴です。
主な原因は、骨盤底筋のゆるみによって尿道を締める力が弱まることにあります。加齢や出産、肥満などの影響で、腹圧がかかった際に膀胱の出口をしっかりと支えきれなくなることで起こります。
切迫性尿失禁は、突然強い尿意を感じ、トイレまで間に合わずにモレてしまうタイプです。膀胱の制御がうまくいかず、自分の意思とは関係なく膀胱が収縮してしまうことが原因と考えられています。
冷たい水にふれたときや急に寒い場所に出たときなど、特定の動作が引き金となって急に尿意を催すケースも少なくありません。
混合性尿失禁は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状が見られるタイプです。加齢とともに両方の原因が重なりやすくなるため、年齢が上がるにつれて多くなる傾向にあります。
機能性尿失禁は、排尿機能そのものに明らかな障害はないものの、身体機能や認知機能の低下によって尿モレが起こるタイプです。
例えば、歩行困難でトイレにたどり着くのが遅れたり、認知機能の低下によってトイレの場所や使い方がわからなくなったりすることで起こります。この場合、排尿機能のケアだけでなく、生活環境の整備などのサポートが必要となります。
尿モレは、日々の生活習慣の見直しや適切なトレーニング、そして吸水ケア用品の活用によって、改善や不安の解消が期待できます。ここでは自分で始められる具体的な対策を見ていきましょう。
骨盤底筋を鍛えることで、尿モレの予防・改善が期待できます。個人差はありますが、2~3ヵ月継続すれば改善を実感できるケースも多いため、正しい方法で根気強く続けることが大切です。
手順は、まず椅子に浅く腰かけ、足を肩幅に開いてリラックスします。次に、肛門・尿道・腟を締め、そのままおなかの方へ引き上げるイメージで5~10秒キープし、力を抜いてゆるめます。これを1セット5回以上から始め、1日に数回繰り返しましょう。呼吸を止めず、ほかの筋肉(おなかや足)に力が入りすぎないようにするのがコツです。また、息を吐くときに腟を締めるようにすると効果的です。
骨盤底筋トレーニングの詳細については、下記のページをご覧ください。
骨盤底筋トレーニングで不意の尿モレ対策!毎日続けて不安を解消
軽い尿モレがある場合は、専用の吸水ライナーや吸水ナプキン、吸水ショーツなどを活用すると安心です。水分の吸収スピードや消臭機能など、生理用ナプキンとは設計が異なるため、専用のアイテムを使用することで、尿に対する肌トラブルやニオイを抑えて快適に過ごせます。
自分の尿モレの量や外出の時間、スポーツをするシーンなどに合わせて、適切な吸水量の商品を選ぶことがポイントです。
何気ない習慣が、実は尿モレの症状を悪化させている場合があるため、特に次のような行動には注意しましょう。
まず、尿モレを心配するあまり、尿意を感じていないのに何度もトイレに行くことや、排尿時に強くいきんで尿を絞り出すような行動は避けてください。これらは膀胱の正常な機能を妨げ、かえって過敏にさせてしまうおそれがあります。
また、尿モレを気にしすぎて水分摂取を控えることも避けてください。水分不足は脱水症や熱中症のリスクを高めるだけでなく、尿が濃縮されて膀胱を刺激し、余計に尿意を強くしてしまう原因にもなります。水分は一度にたくさん飲むのではなく、適切な量をこまめにとることが推奨されます。
尿モレは、その症状や原因によって適切な対処法が異なります。セルフケアで改善が見られない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、一人で悩まずに医療機関を受診しましょう。受診先は泌尿器科や専門のウロギネ科(女性泌尿器科)が適しています。医師に相談すれば、薬による治療やより専門的なアドバイスを受けることができ、早期の解決につながる可能性があります。
監修者のご紹介
井上 雅先生
日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本女性骨盤底医学会専門医、漢方専門医、日本性機能学会専門医。高知医科大学医学部医学科卒業、岡山大学大学院医歯学総合研究科卒業。岡山大学附属病院泌尿器科や岡山中央病院泌尿器科、岡山労災病院婦人科勤務を経て、2013年にみやびウロギネクリニックを開院。泌尿器科と婦人科の両面からの診療を行っている。
みやびウロギネクリニック
日常生活で急な尿モレの不安があると、外出がおっくうになったり、遠くへ出掛ける際に心配になったりしてしまうかもしれません。快適な毎日を過ごすための吸水ケア用品「ナチュラ」の商品をご紹介します。
日常生活で起こる急な尿モレには、しっかりとした吸収力の「ナチュラ さら肌さらり あんしん吸水ナプキン」がおすすめです。独自開発のスリットラインにより、一気に出た水分も素早く吸引するので、表面に水分を残さず、さらっとした肌ざわりをキープ。また、スリットラインが体の動きにフィットして、ズレ・ヨレを防ぎます。そのほかにも、汗と尿をダブルで消臭し、天然コットン100%の商品もラインナップにそろえています。
「ナチュラ さら肌さらり あんしん吸水ナプキン」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ さら肌さらり シリーズ
長時間の外出時などには「ナチュラ 吸水ショーツ」がおすすめです。下着感覚ではけるブラックカラーの使いきりタイプです。ごわつきにくい薄型フィット設計で、自然なはき心地を実現。たっぷり配合されたポリマーが、水分をすばやく吸収して閉じ込めるので、長時間使用してもさらさらした表面を保ちます。さらに、スピード消臭で気になるニオイもしっかり抑え、使い終わった後は両脇を破って簡単に脱ぐことができます。
「ナチュラ 吸水ショーツ」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ 吸水ショーツ
女性の尿モレは、体の構造やライフステージの変化によって、多くの人に起こる身近な悩みです。主な原因である骨盤底筋のゆるみに対しては、日々のトレーニングで改善を目指すことができます。もし、症状が日常生活に支障をきたすような場合は、早めの受診も大切です。
また、急な尿モレへの不安には、専用の吸水ケア用品を上手に活用することで、アクティブに毎日を過ごせます。自分の症状や生活に合った対策を知り、前向きにケアを始めていきましょう。
女性の尿モレの主な原因は、膀胱や尿道を支える「骨盤底筋」のゆるみです。女性は尿道が短く直線的であるという体の構造上の理由に加え、妊娠・出産、更年期・閉経といったライフステージの変化、加齢などが重なることで、尿を保持する力が低下し、尿モレが起こりやすくなります。
尿モレはライフステージの変化によって、幅広い年代で起こりうるものです。出産の経験や更年期以降において、その割合が高くなる傾向にあります。これは、妊娠・出産による骨盤まわりへの負荷や、更年期以降の女性ホルモンの減少による筋力・粘膜の変化が影響しているためです。
日々の生活習慣の見直しや、骨盤底筋トレーニングを行うことで、尿モレの予防や改善が期待できるでしょう。個人差はありますが、トレーニングを2~3ヵ月継続することで改善を実感できるケースもあります。また、専用の吸水ケア用品を上手に活用することも、外出時などの不安を解消し、アクティブに過ごすための有効な対策となります。
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