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猫の爪切りの方法は?道具や手順、嫌がられないためのコツを解説

記事公開:2024.9.30

ネコちゃんの爪切りは、ネコちゃんとオーナーさん双方の安全を守るために必要なお手入れのひとつです。しかし、「愛猫が爪切りを嫌がって暴れてしまう」「爪切りが怖くてうまくできない」とお悩みのオーナーさんもいることでしょう。
この記事では、ネコちゃんにとって爪切りが大切な理由や爪切りに必要な道具、上手に行うための手順のほか、ネコちゃんが爪切りを嫌がらないためのコツをご紹介します。

ネコちゃんに爪切りは必要?

外で暮らしているネコちゃんは、生きるために木に登ったり獲物を捕まえたりする際に爪を使うため、爪が適度な長さに保たれている必要があります。しかし、室内で暮らしているネコちゃんの場合、長い爪は必要ありません。そのため、爪が伸びすぎてしまわないよう、定期的な爪切りが必要になるのです。

爪とぎと爪切りは別物

ネコちゃんのために爪とぎを室内に設置しているオーナーさんは多いことでしょう。普段から爪とぎをしているネコちゃんであれば、爪切りは不要と考える人もいるかもしれませんが、ネコちゃんの爪とぎと爪切りは役割が違います。

ネコちゃんの爪は、玉ねぎのような多層構造になっています。爪とぎの役割は、古くなった外側の組織をはがして、新しい爪を出すことです。そのため、ネコちゃんが爪とぎをしても、爪の長さや先端の鋭利さはそのままで、変わることはありません。
ネコちゃんの爪の長さを適正に保ち、鋭くとがった部分を整えるためには、定期的な爪切りが欠かせないのです。

爪を切らないことによるリスク

室内で暮らすネコちゃんの爪を切らないことは、さまざまなリスクを伴います。

まず、ネコちゃん自身に危険が及ぶ可能性があります。尖った爪の先が、カーテンやカーペットに引っかかって爪が割れたり、根元から折れて出血したりするといったケースがあるからです。さらに、爪が伸び過ぎると巻き爪になって肉球に食い込み、化膿してしまうこともあります。

オーナーさん自身も、ネコちゃんにじゃれつかれたり、ひざに飛び乗られたりしたときに、鋭く伸びた爪でケガをしてしまう可能性があるでしょう。ネコちゃんの爪に特定の菌が潜んでいた場合、爪で引っかかれた傷口から菌が侵入して、「猫ひっかき病」や「パスツレラ症」などの感染症を引き起こすこともあります。

爪を切る頻度の目安

ネコちゃんの爪を切る頻度の目安は、年齢によって異なります。

子猫はまだ爪を上手にしまえず、いろいろな物に引っかかりやすいため、1~2週間に1回を目安にこまめに切ってあげるといいでしょう。一方、成猫であればだいたい3週間~1ヵ月に1回が目安です。 シニアのネコちゃんの場合は、自分で爪とぎをする頻度が減って、爪が太くなりやすい傾向があります。太い爪は肉球に刺さりやすくなるため、2週間に1回は爪の状態をチェックして、ケアすることをおすすめします。

ネコちゃんの爪切りに必要なもの

ネコちゃんの爪切りをする際に、準備しておきたい道具をご紹介します。爪切り以外にもあるといいものがあるため、ネコちゃんの性格などに合わせて準備してください。

ネコちゃん用の爪切り

ネコちゃんの爪を切る際には、ネコちゃん専用の爪切りを使用しましょう。ネコちゃん用の爪切りには、主に「ギロチンタイプ」と「ハサミタイプ」があります。

ギロチンタイプ

ギロチンタイプは、円状に開いた穴に爪を通し、ハンドルを握って爪をカットします。均等に力がかかるため、硬い爪もスパッと切れやすく、爪が割れにくいのがメリットです。ただし、穴のサイズは成猫に合わせてあるため、子猫の場合は深爪になる可能性があります。

ハサミタイプ

ハサミタイプは、文房具のハサミと同じ感覚で、初めてでも扱いやすく、子猫のやわらかい爪や巻き爪を切るのにも適しています。ただし、成猫の硬い爪の場合はやや力がかかってしまうため、嫌がられる場合もあるようです。

なお、ネコちゃん用の爪切りには、電動の「爪やすりタイプ」もあります。オーナーさんやネコちゃんが爪切りに慣れていない場合は試してみてもいいでしょう。ただし、電動ならではの動作音や削る際の振動にびっくりしたり嫌がったりする子もいます。ネコちゃんが受け入れやすくなるよう、使う前に音に慣れさせ、様子を見ながら使用してください。

ネコちゃんが好きなおやつやおもちゃ

ネコちゃんがお気に入りのおやつやおもちゃなどを、あらかじめ用意しておくといいでしょう。爪切りのあいだにネコちゃんの気をそらすときや、爪切り後のご褒美に使用します。

ガーゼやコットン

ネコちゃんの爪を切りすぎて出血してしまった場合は、すぐに止血が必要です。万が一に備えて、清潔なガーゼやコットンを準備しておきましょう。なお、爪からの出血が止まらない、自宅で対応ができないと感じたら、すぐに動物病院を受診してください。

ネコちゃんの爪切りの手順

必要な道具が準備できたら、ネコちゃんの爪を切ってみましょう。最初は難しいかもしれませんが、下記の手順に沿って行うとスムーズに爪切りしやすくなります。

1. ネコちゃんを後ろから抱え、ひざの上にのせる

ネコちゃんを後ろから抱え、オーナーさんのひざの上にのせて、リラックスできる体勢を作ります。このとき、ネコちゃんが落ち着かない場合は、バスタオルなどで包んであげてもいいでしょう。

2. 足先を持ち、肉球を押して爪を出す

前足が敏感な子が多いので、爪切りは後ろ足から始めるのがおすすめです。体勢が落ち着いたら、利き手の反対の手でネコちゃんの足先を持ち、肉球を軽く押して爪を出して、ピンク色に透けている血管を確認しましょう。

3. 爪の先端を少しずつ切る

血管の先から2~3mm以上先の、とがった爪の先端を少しずつカットします。血管から余裕を持たせて切ることで、出血させたり、痛みを与えたりすることを回避できます。黒い爪のネコちゃんなどは血管が確認しづらいため、特に慎重にカットしてください。

万が一出血してしまったら、すぐに清潔なガーゼやコットンで1~2分程押さえて止血をしましょう。慌てず落ち着いて対応することが大切です。ただし、なかなか血が止まらない場合や自宅での対応が難しいと感じた場合は、動物病院を受診してください。

4. ご褒美をあげてほめる

爪切りが終わったら、ネコちゃんが好きなおやつをあげたり、お気に入りのおもちゃで遊んであげたりして、たっぷりほめてあげましょう。「爪切りをするといいことがある」というポジティブなイメージをネコちゃんに持ってもらうことで、次回の爪切りがよりスムーズに行えます。

爪切りをネコちゃんに嫌がられないためには?

ネコちゃんの中には、爪切りにストレスを感じてしまう子も少なくありません。爪切りをネコちゃんに嫌がられないためのポイントを確認しましょう。

足をさわられることに慣れてもらう

ネコちゃんの足や爪はデリケートで、足先をさわられるだけで嫌がる子もいます。そのため、日常のスキンシップで足をさわられることに慣らしていくことがおすすめです。
首や背中をなでてあげてネコちゃんがリラックスしているときに、さりげなく肉球や足先にも触れてみるといいでしょう。

ネコちゃんとのスキンシップのコツについては、下記のページをご覧ください。
猫は抱っこが苦手?嫌がられない抱っこの仕方やコツを解説

なお、マンチカンやスコティッシュ・フォールドといった品種のネコちゃんは、1歳くらいなどかなり若齢から関節炎を発症するケースがあります。指先の関節も例外ではないため、足先をさわられることを嫌がるのは痛みがある可能性も。そのため、気になる場合には早めに動物病院に相談するのがおすすめです。

ネコちゃんが落ち着いているときに行う

ネコちゃんが活発に遊んでいる時間帯に爪切りをするのは避けてください。興奮しやすい状態のため、爪切りの体勢がとりにくく、無理に押さえつけると、爪切りが嫌いになってしまう可能性があります。爪切りは食後や寝起きなど、ネコちゃんが落ち着いているタイミングを選んで行いましょう。

どうしてもネコちゃんが落ち着かないときなどは、爪切りの前におやつなどのご褒美をあげるのも一案。ネコちゃんの気持ちがそれてリラックスしたタイミングで、爪切りを始めてみてください。

バスタオルや洗濯ネットなどを活用する

爪切りが苦手なネコちゃんの場合、爪を切る際にバスタオルや布の袋、洗濯ネットなどで全身を包んであげると、落ち着く子が多いようです。
また、ネコちゃんを保定できるグルーミング用のハンモックや、視界をさえぎって落ち着かせるマスクなどのアイテムも市販されています。ネコちゃんの性格や相性を見ながらアイテムの使用を検討してみましょう。

無理をしない

ネコちゃん・オーナーさんにとって負担にならないよう、爪切りは無理をしないことが大切。
慣れないうちほど時間がかかりやすく、ネコちゃんにとっても負担が大きくなりやすいため、一度に全部の爪を切ろうとしないほうがいいでしょう。1回につき1~2本ずつ切るなどの方法で、少しずつ慣れさせていくのがおすすめです。また、もし途中でネコちゃんが嫌がったら、無理をせずに爪切りを中止してあげてください。

なお、ネコちゃんがひどく暴れてしまうなど、自宅での爪切りが難しい場合は、動物病院やトリミングサロンなど、プロに任せるのが安心です。


監修者のご紹介

松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。

ガイア動物病院


【商品紹介】愛猫との暮らしを快適にする「キミおもい」のネコちゃんシリーズ

ネコちゃんの爪切りをするには、日常的なスキンシップや毎日のケアを通して、ネコちゃんとの信頼関係を育んでいくことが大切です。

「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんとの暮らしがもっと幸せになることを目指したペット用品ブランド。ネコちゃんやオーナーさんの好みに合わせて選べる猫砂をはじめ、システムトイレ用の猫砂とシート、トイレまわりの汚れ・ニオイをさっとふき取れるおそうじシートなどがそろっています。

「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
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爪切りは愛猫の大切なケア!無理なく慣れていこう

ネコちゃんとオーナーさんのケガや病気を防ぐためにも、ネコちゃんの定期的な爪切りは欠かせません。ネコちゃんの爪切りが上手になるコツは、決して無理をしないこと。1日1本ずつでもいいので、ネコちゃんのペースに合わせて少しずつ練習していくことをおすすめします。

ネコちゃんもオーナーさんもストレスなく爪切りができるよう、普段からスキンシップを大切にして信頼関係を築いていきましょう。

よくあるご質問

ネコちゃんに爪切りは必要?

室内で暮らしているネコちゃんは、定期的な爪切りが必要です。
外で暮らしているネコちゃんは、木に登ったり獲物を捕まえたりする際に爪を使うため、爪が適度な長さに保たれている必要があります。しかし、室内で暮らしているネコちゃんは、長い爪は必要ありません。
爪が伸びすぎると、ネコちゃんとオーナーさんの双方にケガなどのリスクがあるため、定期的に爪切りをすることが大切なのです。

ネコちゃんの爪を切る際、どんなものを準備するといい?

ネコちゃんの爪を切る際には、ネコちゃん専用の爪切りと、お気に入りのおもちゃやおやつなどのご褒美を準備しましょう。また、万が一出血させてしまった場合に備えて、止血のための清潔なガーゼやコットンも準備しておくと安心です。

ネコちゃんに爪切りを嫌がられないようにするためには?

ネコちゃんに爪切りを嫌がられないようにするためには、まず、普段のスキンシップの中で、ネコちゃんを足先や肉球にさわられることに慣らしていくことが大切。ネコちゃんが元気に遊んでいる時間帯を避け、落ち着いているタイミングを選んで爪切りを行うことも、スムーズに爪切りをするポイントです。また、ネコちゃんをバスタオルや洗濯ネットで包んであげると、落ち着いて爪を切らせてくれるケースもあります。

慣れないうちやネコちゃんが爪切りを嫌がる場合は、1日1~2本ずつカットできればOK。無理せず、ネコちゃんのペースに合わせて少しずつ練習していきましょう。

画像提供/PIXTA

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