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寝たきりでの筋力低下から回復できるリハビリのやり方|すぐに役立つ介護の情報|大人用おむつのアテント

記事公開:2024.11.27

入院等で寝たきり生活が続いたことによる筋力低下から回復できるリハビリのやり方や、リハビリを行う上で意識しておきたいポイントをご紹介します。

リハビリのポイント

リハビリ訓練を始める前に十分に専門の先生の指導を受けてから実施してあげてください。

リハビリ訓練3原則

あせらず

障害の程度、原因、体力、性格など…お年寄り一人一人の状況は、まさに十人十色ですから回復の早さにもそれぞれ個人差があります。思うように回復が進まなくても、あせらずに、じっくり取り組んでいくことが大切です。

あまえず

リハビリでの愛情は「厳しく、つれなく」することです。起き上がれるようになったら、お年寄りが自分でできる範囲のことは自分でしてもらう方がよいでしょう。病人扱いして手を貸しすぎて回復を遅らせては、かえってお年寄りにつらい思いをさせてしまいます。

あきらめず

お年寄りの「よくなりたい」、介護者の「よくなってほしい」がリハビリの力になります。おうように構えながらも、粘り強く続けてください。

リハビリ訓練前のチェックポイント

体調・気分

食前・食後を避け、排尿・排便をすませてから始めましょう。熱・どうき・めまいのある場合は中止しましょう。リハビリ訓練を始めるための基本的条件を、医師にたずねておいてください。

服装

体をしめつけない、動きやすい服装で。汗をかくので、運動後はかならず清拭を。

介護者は演出家

室温を調節する(20℃くらい)、周囲を片付ける(転倒などの防止)、介助はするが無理強いしない、ゆとりを持てる時間に始める、励ますとともにほめてあげる、など。お年寄りをいかに盛り立てていくかが、介護者の腕の見せどころです。

寝たきりの方に行なう運動(例)

基本は動かそうとする関節に手をそえて動かすことです。

膝関節

片手で膝の下を、もう一方でかかとを支え、ゆっくり持ち上げて、膝を胸に近づけ
ゆっくり膝を伸ばして、もとにもどします。もっと近づいて、かかえこむようにしながら、左手を股関節におき、右手で膝をかかえるようにしながら動かす。

股関節

かかとと膝の下を支え、膝を90度に曲げた状態で、足を外側・内側に。
膝を伸ばした状態で、足を外側に開き、もどします。動かす時は、近づいて自分の体ごと動かすように。

足の関節

片手でかかとを、もう一方で足先を持って、足首を曲げたり、伸ばしたりします。
片手で足首、もう一方で足先を持って、外・内側に向けます。

手関節と手指関節

片手で手首を支え、もう一方で指を反らせたり前に曲げたりします。

肩関節

肩の下に片手をおき、もう一方で手首から肘をかかえこむように手を持って、腕を肩と同じ高さまで動かします。
さらに腕を耳に近づけて、上に垂直になるまで持ち上げます。

日常生活の身体運動 -積極的に毎日自分で行いましょう-

ある程度体力や機能がもどってきたら、積極的に体を動かすようにしましょう。日常生活で、積極的に動いたり、家事をすることが筋力や平衡感覚を回復させたり、衰えさせない運動といえます。億劫がらずに動くことが大切です。

身体活動の効用

健康なお年寄りでも、体の機能が衰えてくると、体を動かしたり、外出したりするのが億劫になってきます。まして、病気などがあった場合、なおさら日常生活で動かなくなったり、閉じこもりがちになってしまうことが多いでしょう。

人間の場合、使われない筋肉はどんどん委縮してしまい、ますます動けなくなってしまうという悪循環を起こします。反対に、よく動かす筋肉は、活性化してくるので、自分の思うとおりに体が動いたり、とっさの身のこなしができたりし、転倒などの事故を防ぐことができたり、また、心・血管機能、肺機能が向上してきますので、認知症にもなりにくくなります。

自分で身の回りの事をしたり、外出をしたりすることで、気分的にも満足感が得られ、生きがいやコミュニケーションの場にもなり、より積極的な生活を続けることができます。ただし、がんばりすぎたり、やりすぎたりすると疲れや痛みのために、体を動かすことが苦痛になって長続きしませんので、無理せず疲れたら休む、回復したらまた体を動かすというようにして続けることが秘訣です。

日常生活の中のリハビリテーション

病気やケガで寝こんだお年寄りは、「寝ているほうが楽だから」と言って、動きにくい手足や体を動かすのをいやがったりしがちです。やる気のない人をムリヤリ訓練で動かそうとしても、なかなか効果はあがりません。
日ごろから、寝ているお年寄りに話しかけ、お年寄り自身に「早くよくなりたい」と意欲を持たせることが大切です。

病院のリハビリテーションなどで、専門的な訓練を受けて帰宅してからも、これを続けていなければ機能は低下し、また動けなくなってしまいます。家族が、上手に、励ましてあげてください。

普段の生活の中で練習すればできることがいろいろあります。
どんな小さなことでもかまいません。一つでも多くのことを自分でできるように、毎日の生活の中で心がけて練習しましょう。このくり返しが、体、心の回復につながります。

練習すればできること

身のまわりのことでできること

 

外出と散歩

外出し、人と出会ったり、外の空気を吸ったり、四季を感じたりすることは、新鮮な感動を与え、精神的にも、肉体的にもよいことです。
歩行訓練や自然に親しむなどきっかけを作って積極的に「表へ出かけてみようよ」とお年寄りをやさしく誘ってみてください。病気の回復を早めたり、病気の予防をすることができたり、また、気分的にもリラックスできたりします。

散歩

お元気な方のウォーキングのポイント
あごは軽く引き、数メートル先を見て、肩の力を抜いて、楽に腕を振る。また、かかとから着地し、膝を伸ばして大股で歩く。
日射病の予防や防寒対策のために、帽子をかぶり、小さめのタオルを持ってゆく。靴は足にあった歩きやすい靴を、靴下は木綿かウールのものを履く。足元が危うくなったらステッキを持って。また、歩数計を持って、目標歩数を確認しながら、ウォーキングするようにしましょう。

車いすでの外出

あらかじめコースを下見して、危険なところ、道が悪く介護者の手に余るところは避けるほうがよいでしょう。
止まる、移動する、立ち上がるなどの時は必ずブレーキをかけましょう。

坂道

上り→前かがみで一歩一歩しっかり踏みしめて、押しもどされないように気をつけて。
下り→上りより危険です。急にブレーキをかけると、乗っているお年寄りが前に落ちてしまいます。傾斜が急な時は、後ろ向きで、ブレーキをかけながら、一歩ずつ下りましょう。

段差

上り→前輪を上げ、段の上にのせ後輪を押し上げる。
下り→後ろ向きになり、後輪からゆっくり下ろす。次に前輪を上げ、後ろに引きながら静かに下ろす。

ストレッチ体操

外出や散歩に出られない場合は、ストレッチ体操も有用です。
ストレッチ体操は、まず、静かにゆっくり息をはきながら体を引き伸ばし、気持ちの良い程度のところで10~60秒間ほど、伸ばしているところを意識しながら、ゆったりと呼吸します。
柔軟体操と異なり、はずみをつけてがんばらないで、静かにゆったりと呼吸することで、心と体がリラックスします。

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