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高齢者の便秘の原因とは?便秘を放置する危険性や対策を紹介

記事公開:2024.5.27 

便秘とは、本来は体外に出すべき便が出しきれていない状態のこと。お通じのない状態が3日程度続いたり、便が出ても出しきってない感じ(残便感)があったりする場合は、便秘といえます。実は、便秘は多くの高齢者が抱える悩みのひとつ。便秘になると、おなかの重い張りや腹痛、嘔吐、食欲不振、不眠といった症状が表れることもあります。

排泄の悩みは人によって異なりますが、特に介護を受けている高齢者の排泄には、介護をする側が配慮することも大切です。この記事では、高齢者に便秘が多い原因や便秘を放置する危険性のほか、便秘の対策についてご紹介します。

高齢者は便秘になりやすい!?65歳以上で有訴者が急増

高齢者は便秘になりやすく、65歳以上の高齢者では7.1%の人に便秘の自覚症状があります。
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査 」によると、65歳以上の高齢者で便秘だと感じている有訴者(自覚症状のある方)は、全年齢(3.6%)の約2倍となっています。

■便秘の有訴者数と有訴者率(2022年)
 
また、便秘は女性がなりやすいイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。確かに、全年齢で見た場合、便秘を訴える方の割合は、男性2.8%、女性4.4%と女性のほうが多めです。
しかし、65歳以上で見ると男性6.8%、女性7.4%とその差は狭まります。高齢者は、男女共に便秘に悩む人が多いのです。

高齢者に便秘が多いのはなぜ?5つの原因を解説

高齢になると、便秘の症状を訴える人が増えるのはなぜでしょうか。原因はさまざまですが、高齢者の場合は身体機能の老化により、いくつかの要因が複雑に絡み合って便秘を引き起こしていると考えられます。高齢者が便秘になりやすい原因としては、下記のようなものがあります。

食事量・水分補給量の減少

高齢者が便秘になりやすい原因として、食事量の減少が挙げられます。高齢になって食事の量が少なくなると、大腸への刺激が減り、便が大腸にとどまりやすくなってしまうのです。
また、便の量そのものが少なくなるため、便意をもよおしにくくなります。さらに、食事量の減少に伴って、腸内環境を整えるために必要な食物繊維が不足してしまい、便秘の状態を悪化させることもあります。

その他、高齢になると喉の渇きを感じにくくなるため、水分補給の回数が減ってしまい、水分不足から便が硬くなることも便秘の一因です。

ADL能力の低下

高齢者が便秘になりやすい原因のひとつに、ADL(Activity of Daily Living)能力の低下があります。ADLとは、起き上がる、立つ、歩行する、食事をする、排泄をするなど、日常生活を送るために最低限必要な生活動作のことです。

高齢者になってADL能力が低下すると、日常的に使うさまざまな筋力が減退していきます。そうして腹筋が衰えてしまうと、便を外に押し出すために必要な「いきむ」ことが難しくなり、便秘の悪化を招きます。
また、体を動かさず同じ姿勢を続けていると腸の動きも鈍くなるため、腸内に便がとどまりやすくなるのです。

生理機能の低下

高齢者が便秘になりやすい原因には、さまざまな生理機能の低下が関係しています。
腸は、伸びたり縮んだりする「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を行っています。蠕動運動は、波打つような動きで便を少しずつ体外まで送り出す、排便に欠かせないものです。この蠕動運動を司るのは、自律神経のうち、リラックスしているときに働く「副交感神経」。しかし、自律神経が加齢とともに老化して、副交感神経がうまく働かないと、腸全体の動きが滞り、便が大腸にとどまる時間が長くなります。

また、直腸に便が入ってくると排便を促す「排便反射」が起こりますが、高齢者は直腸の感受性が鈍くなっていて、排便のメカニズムがうまく働きません。こうしたさまざまな生理機能の低下が、便秘の原因となります。

疾患や薬の副作用

高齢者の便秘の原因のひとつに、疾患とその後遺症や、治療薬の副作用が挙げられます。例えば、痛み止めや抗うつ薬に含まれる抗コリン成分には、便秘が起こりやすくなる作用があります。
また、心臓の病気などで処方される利尿剤の服用により、水分が不足して便が硬くなり、便秘になることも。

その他、高血圧の薬や胃腸薬、鉄剤なども便秘の副作用が出ることがあります。薬を飲んでいて便秘になった場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。ほかの処方に替えるなど、一緒に対策を考えてくれます。

浣腸や便秘薬の使いすぎ

便秘の解消のために行う浣腸や便秘薬の服用が、便秘の原因となることもあります。
浣腸や便秘薬は、正しく使えば便秘の解消に役立ちますが、間違った使い方をしたり、使用が習慣化したりすると、大腸の機能が弱まり、かえって便秘になりやすくなるのです。

また、安易な気持ちで便秘薬を服用すると、「便秘→便秘薬の服用→下痢→下痢止めの服用→便秘…」というように、便秘と下痢を繰り返すことにもなりかねません。医師や薬剤師の指導に従い、用法・用量を守って服用することが大切です。

思わぬ病気を引き起こす?高齢者の便秘に潜む危険

高齢者の便秘を放置すると、思わぬ病気を引き起こすかもしれません。
例えば、慢性便秘症の方は、大腸がんや心血管疾患、慢性腎臓病といった深刻な病気のリスクが高くなるといった研究報告があります。また、硬い便を出すためにいきむことで血圧が急上昇し、くも膜下出血や動脈瘤の破裂を引き起こす例なども、研究者から指摘されています。

便秘が引き起こす病気のリスクは若い人にもあります。しかし、高齢者の場合は、便秘があることで食べる量が減り、食べる量が少ないためにまた便秘になり…という悪循環を招き、体力がますます衰えて病気のリスクが高まることが問題です。
「たかが便秘」と思わず、しばらく続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

便秘を放っておくと慢性便秘症になることも

いつものことだからと便秘をそのままにしていると、悪化して「慢性便秘症」という病気になってしまうかもしれません。

便秘は「本来、体の外に出すべき便を十分な量で快適に出せない状態」ですが、慢性便秘症は「便秘が慢性的に続き、日常生活に支障をきたす状態」です。
診断基準は、「強くいきむ頻度」「硬い便の頻度」「残便感の頻度」など多岐にわたりますが、慢性便秘症と診断された場合は医師の治療が必要です。

慢性便秘症は、自律神経や体の機能不全で起こる「機能性便秘」と、胃腸や肛門などに何らかの疾患があって起こる「器質性便秘」の2種類に分けられます。高齢者には慢性便秘症が多く、その多くは機能性便秘です。

高齢者の便秘対策は生活習慣の改善が基本

高齢者の便秘対策は、食生活や運動といった生活習慣の改善が基本になります。また、日頃から排便リズムを整え、便意が来たら我慢しないことも大切です。ここでは、高齢者の便秘対策についてご紹介します。

きちんと食事をとり水分を補給する

高齢者の便秘対策として生活習慣を見直す場合、第一に食事をとることが大切です。食事をとらないことには、胃腸が働いてくれません。1日のうちで胃腸が最も活動するのは朝なので、特に朝食を欠かさずとることが効果的です。よく噛んで食べると、さらに胃腸の働きが活発になります。

また、脱水症を起こしやすい高齢者にとって、水分補給も重要です。水分を摂取することで便がやわらかくなり、便秘対策にもなります。高齢者に必要な水分量の目安は、食事と飲み物の合計で1日あたり約2L。食事から約1L、飲み物から約1Lが必要となります。喉の渇きを感じる前に、意識して水分をとるように調整してください。

適量の食物繊維を意識して食べる

高齢者の便秘対策として、食事の中で意識して食物繊維をとることが挙げられます。食物繊維を適量とることで便のかさが増え、体の外へ押し出しやすくなります。

ただし、すでに便秘の人が食物繊維をとりすぎると、かさを増した便が長時間腸内にとどまって硬くなり、かえって便秘がひどくなってしまうことも。あくまで適量であることが大切です。
厚生労働省が定めている65~74歳の食物繊維の摂取基準は、男性で1日20g以上、女性で17g以上となっています。

食事に発酵食品を取り入れる

高齢者の便秘対策として食事を見直すなら、ヨーグルトや納豆などの発酵食品をぜひ取り入れましょう。
発酵食品に含まれる善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)は、腸の動きを鈍らせる悪玉菌(大腸菌、ウェルシュ菌など)の繁殖を抑え、腸内環境を整えます。腸内環境が整ったすこやかな腸は、スムーズな排便を促してくれます。

適度な運動をする

高齢者の便秘対策には、腸に刺激を与える適度な運動が有効です。適度な運動の後に休息すると、副交感神経の働きが高まり、腸の動きが活発になります。
理想的なのは、日頃からできる範囲で運動を行うこと。立ち上がったり歩いたりするのに介護が必要な方は、座ったまま行える体操などを取り入れるといいでしょう。また、腹部のマッサージも効果的です。

トイレタイムを決める

高齢者の便秘対策として、排便の規則性を整えることはとても重要です。たとえ便意がなくても、朝食後など毎日決まった時間にトイレに行き、数分過ごすことで、排便習慣を作ることができます。朝は腸の動きも活発なため、習慣化することで自然と便意が起こるように体のリズムが整います。
また、便意を覚えたら、すぐに排便することも大切です。便意を我慢すると、便秘の原因になってしまいます。


監修者のご紹介

宮崎郁子先生
消化器内科専門医。東京医科大学医学部医学科卒業後、2006年より東京医科大学病院 内視鏡センター助教に就任。2015年より東京国際クリニック副院長。日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本抗加齢医学会所属。


【商品紹介】高齢者の排泄のお悩みに「アテント」シリーズ

高齢者は便秘になりやすく、その対策として水分補給や便秘薬を服用した結果、尿失禁や下痢をしてしまうこともあります。つらい排泄の悩みには、高齢者に寄り添う「アテント」シリーズをご活用ください。
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高齢者は生活習慣を整えて快適なお通じを!

高齢者の便秘対策として薬を服用すると、下痢や軟便になって、また下痢止めを服用して便秘になるというサイクルに陥りかねません。まずは食事の量やメニューを工夫する、できる範囲で運動をするなど生活習慣を整えて、排便リズムを身に付けることが基本です。

高齢で食事量が落ちていると便の量も減り、排便回数が少なくなることがありますが、必ずしも便秘とは限りません。「3日間排便がないから」といった自己判断で薬を服用せず、まずは生活習慣の見直しや、医療機関を受診することが大切です。 

よくあるご質問

高齢者が便秘になりやすい理由は?

高齢者の便秘は、身体機能の老化により、「食事量・水分補給量の減少」「ADL(日常生活動作)能力の低下」「生理機能の低下」「疾患や薬の副作用」「浣腸や便秘薬の使いすぎ」といった要因が絡み合って引き起こされていると考えられます。

便秘でつらいときは病院に行くべき?

便秘がしばらく続き、おなかの張りや腹痛など、つらい症状がある場合は病院を受診してください。便秘を放置すると、大腸がんや心血管疾患、慢性腎臓病といった病気のリスクが高くなるという研究報告があります。
また、硬い便を出すためにいきむことで血圧が急上昇し、くも膜下出血や動脈瘤の破裂を引き起こす例なども指摘されています。

高齢者の便秘はどう対策したらいい?

高齢者の便秘対策は、食生活や適度な運動といった生活習慣の改善が基本です。便の量が減らないように、食事と水分をきちんととってください。適量の食物繊維を意識して食べ、食事に発酵食品を取り入れるといいでしょう。なお、高齢者に必要な水分の目安量は、1日あたり約2Lです。
また、毎日決まった時間にトイレに行き、数分過ごすことで排便リズムを整えます。便意が来たら我慢しないことも大切です。

画像提供/PIXTA

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