
記事公開:2026.3.25
愛犬が夜中に鳴いたり、寝言のような声を発したりすると、オーナーさんとしては心配なものです。夜鳴きはご近所迷惑の心配もあり、寝言が病気のサインかもしれないと不安になることもあるでしょう。
この記事では、ワンちゃんの夜鳴きと寝言の違いや原因を解説します。ワンちゃんの夜鳴きにお悩みのオーナーさんは、参考にしてください。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
愛犬が夜中に声を発していると、「これって寝言?それとも夜鳴き?」と戸惑うこともあるかもしれません。ワンちゃんの寝言と夜鳴きには明確な違いがあります。それぞれの違いを以下で詳しく見ていきましょう。
夜鳴きとは、ワンちゃんが夜間に目覚めた状態で意識的に鳴く行動です。この場合、ワンちゃんは何らかの理由でオーナーさんに助けを求めていると考えられます。
不安や体調不良、トイレの失敗、生活環境の不快感などが原因となることが多く、コミュニケーション手段として鳴いている可能性もあります。
また、夜間に鳴きながら歩き回ったり、オーナーさんに近づいたりする行動も夜鳴きの一環です。こうした様子が見られる場合は、原因を探り、必要に応じて環境を見直すほか、動物病院に相談してください。
寝言はワンちゃんが眠っている最中に無意識に発する声や動きです。特に子犬や活発なワンちゃんに多く見られ、夢を見ている可能性が高いとされています。
寝言はレム睡眠中、つまり脳が活動している浅い眠りの状態でよく見られます。短く「クンクン」「ワン、ワン」と鳴いたり、足を動かしたりする程度であれば心配はいりません。これはごく自然な生理現象であり、特別な対処は不要です。
ただし、異常に大きな声で叫ぶ、体を激しく痙攣させる、頻繁に繰り返されるなどの様子がある場合は、病気の可能性もあるため、動画に記録して獣医師に相談しましょう。
ワンちゃんが夜中に鳴き続けると、「寂しいのかな?」「眠れない?」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、夜鳴きにはさまざまな背景があり、場合によっては病気が隠れているケースもあります。
まずは、自宅で様子を見ながら対処できるケースと、動物病院での診察が必要なケースに分けて確認していきましょう。
ワンちゃんが夜鳴きをする理由の中には、精神的な不安や生活環境の問題が関係しているケースがあります。例えば、以下のような要因が挙げられます。
<【不安や環境起因】ワンちゃんが夜鳴きする要因>
・オーナーさんと離れて寝る寂しさや不安を感じている
・日中の運動や刺激が不足している
・空腹や水分不足を抱えている
・寝床が寒すぎたり暑すぎたりする、硬いなどの不快感がある
こうした要因が当てはまりそうな場合は、まずは生活リズムや環境を見直してみましょう。例えば、日中の散歩や遊びの時間を増やす、寝床を暖かく快適なものに変える、就寝前に軽く食事や水分補給をさせるなどの工夫が効果的です。
夜鳴きが突発的に始まったり、明らかに様子がおかしかったりする場合は、体調不良や病気のサインかもしれません。特に、夜鳴きと合わせて次のような症状がある場合は、早めの受診が推奨されます。
<【病気起因】ワンちゃんが夜鳴きする症状>
・さわると嫌がる、痛がる
・歩き方がおかしい、動きたがらない
・食欲不振や下痢・嘔吐がある
・呼吸が荒い、咳をする
・ぐったりして元気がない
考えられる原因としては、関節の痛み、消化器疾患、心臓疾患、感染症、認知症などがあり、いずれも放置すると症状が悪化する可能性があります。早期発見・早期治療のためにも、「いつもと違う鳴き方」や「行動の変化」が見られたら、迷わず動物病院に相談しましょう。
ワンちゃんの夜鳴きは、年齢によって原因や背景が異なります。年齢ごとの主な特徴と対応のポイントを見てみましょう。目安として参考にしてください。
■【年齢別】ワンちゃんの夜鳴きの特徴と対応のポイント
| 年齢 | 主な原因 | 特徴 | 対応のポイント |
|---|---|---|---|
| 子犬 (1歳未満) |
環境の変化 分離不安 |
新しい家に慣れるまで鳴きがち | 安心できる環境をつくる 基本的なしつけをする |
| 成犬 (1歳~7歳頃) |
ストレス 生活リズムの乱れ |
日中の刺激不足で夜間落ち着かない | 運動やスキンシップを見直す |
| シニア犬 (7歳以上) |
認知症 痛み 不安 |
徘徊や方向感覚の喪失が見られる | 生活リズムを整える 獣医師に相談する |
ワンちゃんの夜鳴きを軽減したり、予防したりするためには、日々の生活の中で原因を取り除いていくことが重要です。ここでは、オーナーさんが自宅で実践しやすい対応策を5つの視点からご紹介します。
ワンちゃんの夜鳴きは、日中の運動不足が大きく関係しています。エネルギーが余ったまま夜を迎えると、落ち着いて眠れず、吠えたり、鳴いたりする行動につながりやすくなります。毎日の散歩や遊びの時間をしっかり確保し、身体的にも精神的にも満たされるようにしましょう。
特に若くて活動的なワンちゃんほど、日中の刺激が夜の安眠に大きく影響します。
ワンちゃんの夜鳴きの背景には、睡眠環境や食事の問題が隠れていることも少なくありません。寝床が寒すぎたり暑すぎたり、硬くて不快だったりすると、ワンちゃんは眠りにくくなり、夜間に不安定な行動を見せることがあります。また、空腹が原因で鳴くこともあるため、ごはんの時間や量などの見直しも有効です。ワンちゃんのごはんを調整する場合は、以下の方法を試してみましょう。
<ワンちゃんのごはんの調整法>
・1日2回なら3回にする
・1回ごとの量を減らして回数を増やし、1日の全体量は変えないよう調整する
・最後のごはんをずらし、就寝前の時間にあげる
・自動給餌器を検討する
安心して休めるように、静かで落ち着ける場所に寝床を設置し、室温や湿度の管理も心掛けてください。
オーナーさんのワンちゃんへの日中の接し方が夜鳴きに影響を与えることがあります。ワンちゃんが十分な愛情や安心感を得られていない場合、夜間に不安を感じて鳴くことがあるでしょう。
ただし、かまいすぎも問題で、常にオーナーさんに依存する状態になると、少しの距離や時間の離れでも強い不安を感じてしまうようになります。留守番時間が長い場合は、退屈を紛らわせるおもちゃを渡したり、帰宅後の十分なふれあいの時間を確保したりしてください。
夜鳴きに対して間違った対応を取ってしまうと、かえって状況を悪化させることがあります。例えば、吠えるたびにオーナーさんが反応してしまうと、ワンちゃんは「鳴けばかまってもらえる」と学習してしまいます。
また、怒鳴ったり叱ったりすることも、不安や恐怖を増幅させるだけで、夜鳴きをやめさせることにはつながりません。特に子犬の場合は、夜鳴きのたびにいっしょに寝てしまうと、ひとりで寝られなくなるおそれがあるため、注意してください。
夜鳴きへの対応で最も重要なのは、家族全員が「一貫した態度」を取ることです。「この人はしてくれないけど、別の人はやってくれる」と感じると、ワンちゃんはやってくれる人が来るまで期待して鳴き続けることになります。家族全員で冷静に、そして一貫した対応を心掛けましょう。
ワンちゃんの夜鳴きが長期間続く、または原因が特定できない場合は、獣医師に相談することをおすすめします。不安感をやわらげる薬や、睡眠をサポートするサプリメントなどを取り入れれば、改善が見られるケースもあるでしょう。
特に高齢のワンちゃんや、認知症の兆候がある場合には、医学的なアプローチが効果的なこともあります。薬の使用は自己判断せず、必ず獣医師の診断と指示を受けてください。
「キミおもい」は、「キミにやさしい、いっしょにうれしい」というブランドの想いから「傾聴飼育」を推奨しています。傾聴飼育とは、ワンちゃんの習性を学び、発するサインを観察し、その意味を理解しながらいっしょに暮らしていくことです。
例えば、ワンちゃんの夜鳴きには精神的な不安や生活環境の問題が関係しているケースがあります。単なる「うるさい行動」として無視したり叱ったりするのではなく、「なぜ鳴いているのか」「どんな不安を感じているのか」といった視点でワンちゃんの気持ちを捉え、適切に対応することが傾聴飼育の第一歩です。
「キミおもい」は、オーナーさんの「おもい」とワンちゃんの「おもい」が通じ合えるよう、お手伝いをしています。
「傾聴飼育」の詳しい内容については、下記のページをご覧ください。
キミともっと幸せに 傾聴飼育で、「おもい」が通じ合う暮らしへ
ワンちゃんの夜鳴きの対策として、まずは住環境を清潔に整えることが大切です。「キミおもい」のワンちゃんシリーズは、吸収・消臭力のあるペットシーツのほか、ワンちゃんの肌にやさしいウエットシートなど、愛犬との暮らしがより快適になるアイテムがそろっています。夜鳴きや寝言が気になる場合は、こうした製品を活用して、ワンちゃんにとって安心できる環境を整えてあげてください。
「キミおもい」のワンちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Dog– ワンちゃん-
夜鳴き対策には、運動量や生活リズム、飼育環境の改善が効果的です。しかし、原因の特定や対策をすべてひとりで行うのは、オーナーさんにとって負担になりかねません。なかなか問題が解決しない場合はひとりで抱えずに、獣医師の力を借りることをおすすめします。
夜鳴きの悩みを解消し、愛犬もオーナーさんもぐっすり眠れる環境を整えることは、お互いの笑顔を守ることにつながります。大切なワンちゃんとともに、健やかで心安らぐ毎日を共に歩んでいきましょう。
寝言は、ワンちゃんが眠っている間に無意識に発する声や動きで、主にレム睡眠中に起こります。一方、夜鳴きは目を覚ました状態で意識的に鳴いており、不安や痛みなど何らかの訴えがあるサインです。見分けるために、意識の有無と鳴いているときの様子を確認してください。
シニア犬の夜鳴きは、多くの場合、認知機能の低下や痛み、不安などが原因で起こります。生活リズムを整えたり、昼間に散歩や遊びでしっかり活動したり、快適な寝床環境を用意したりすることなどが有効です。また、症状が続く場合は認知症の可能性もあるため、早めに獣医師に相談してください。
ワンちゃんの夜鳴きの対策として、日中に散歩や遊びをたくさん取り入れて運動量を増やしたり、食事や寝床などの生活環境を整えたりすることが大切です。叱ることは逆効果になることもあるため、冷静かつ一貫した対応が求められます。改善が見られない場合は、獣医師に相談の上で薬やサプリメントを取り入れる方法もあります。
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