
記事公開:2025.10.20
妊娠がわかってから気がかりなのは「つわり」の存在です。つわりがいつから始まり、どのくらいの期間続くのかは個人差があるものの、多くの妊婦さんに共通する傾向もあります。吐き気や食欲不振、ニオイに敏感になるなど、症状によっては日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
この記事では、つわりの仕組みや、始まる時期から終わりの目安、さまざまな症状とその対処法について解説します。

監修者のご紹介
佐藤杏月先生
(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
つわりは妊娠初期に多くの女性が感じる不快な症状で、妊娠におけるごく自然な生理的反応のひとつです。症状や時期には個人差がありますが、多くの場合、妊娠の兆候として最初に現れます。
ここでは、つわりの原因やメカニズム、始まる時期などについて見ていきましょう。
つわりになると、主に吐き気や食欲不振、体のだるさなどの症状が現れます。最も一般的なのは「吐きつわり」と呼ばれるもので、強い吐き気や嘔吐を伴うのが主な症状です。また、嗅覚や味覚もホルモンの影響で敏感になり、普段は平気な食べ物やニオイに対して不快感を覚えることもあります。
実は、つわりの原因は完全には解明されていません。ただし一説によると、妊娠初期に分泌が増える「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」や「エストロゲン」「プロゲステロン」といったホルモンが、消化器系の働きや自律神経に影響を及ぼすため、吐き気などの症状が出るとされています。
つわりは妊娠のごく早い段階から始まることが一般的で、妊娠5~6週目頃から症状が現れ始めます。その後、妊娠8~10週目あたりに症状がピークを迎え、そのまま妊娠12~16週目頃には徐々に落ち着いていくケースが多いでしょう。
ただし、症状の強さや期間には個人差があります。中には、妊娠初期からほとんどつわりを感じない人もいれば、妊娠後期まで症状が続く人もいます。特に体質や体調などが影響するため、同じ人の1人目と2人目の妊娠でつわりの症状や時期が異なることも珍しくありません。
つわりの時期や症状には個人差がありますが、皆さんはどのような体調の変化を感じたのでしょうか。今回は、クラブエリエール会員の先輩ママに、つわりについて調査しました。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:未就学のお子さまがいるクラブエリエール会員の20~60代女性
調査期間:2025年8月5日~8月11日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:987件
■妊娠中につわりはありましたか?(もしくは現在つわりがありますか?)
クラブエリエール会員のママの中で、妊娠中につわりがあった(もしくは現在ある)と答えた人は、全体の75.8%という結果になりました。7割以上の人が、つわりによって体調の変化を感じたようです。
■つわりはいつ頃から始まりましたか?
妊娠中につわりが始まった時期として、特に回答が多かったのは「妊娠5~6週頃」(343人)でした。ただし、つわりが始まる時期には個人差があることがわかります。
■つわりはいつ頃に終わりましたか?
つわりが終わった時期としては、「妊娠13~16週頃に終わった」(348人)という回答が一番多く集まりました。ただし、つわりが始まる時期と同様に、つわりが終わる時期も個人差があります。中には、「妊娠中を通してずっと気持ち悪かった」という回答も見られました。
■つわりをやわらげるのに役立った対処法はありますか?(複数回答)
つわりをやわらげる対処法として、「冷たい・さっぱりした食べ物や飲み物を選んだ」「ニオイを避けるようにした」と答えた人が多くいました。皆さん、妊娠中の体調の変化を、さまざまな対策で乗り切ろうとしたことがわかります。またそのほかにも、下記のような具体的な対処法についての回答がありました。
<つわりをやわらげるための具体的な対処法を教えてください(自由記述)>
・梅干しやガム、フルーツなどを食べたらやわらいだ
・ニオイが気になるのでなるべくひとりで部屋で過ごした
・首や背中を自分でマッサージしたり、お風呂に入ったりして体を温めた
・締めつけが苦しい下着はつけず、大きめのゆったりした服で過ごした
・空腹だと気持ち悪くなるので、好きな物を食べた
・炊きたてごはんのニオイが苦手になったので、冷たい物や常温の物を食べるようにした
・眠気に逆らわず、なるべく寝るようにした
・1日に何回も歯磨き、うがいをしていた
つわりにはさまざまな種類があり、複数の症状が同時に現れるケースもあるため、人によって強さやつらさが変わってくるでしょう。ここでは代表的なつわりの種類と症状について、それぞれの特徴を紹介します。
吐きつわりは、つわりの中でもよく起こるタイプです。常に吐き気がする、実際に吐いてしまう、食事が喉を通らないなどの症状が出ます。
特に朝起きた直後や空腹時に症状が強くなる傾向にありますが、人によっては1日中つらさを感じることもあります。症状がひどいと水分すらとれなくなり、脱水症状を起こすこともあるため、生活に支障をきたすような場合は医師への相談が必要です。
食べつわりは、空腹になると気持ちが悪くなるタイプのつわりです。何かを口にすると症状が軽くなることが多く、常に何かを食べたくなる傾向にあります。
あめやクラッカー、フルーツなどを常備しておくと安心ですが、食べ過ぎで体重が増えすぎてしまうこともあるため、食べ物の種類や量に注意しながら対処しましょう。
ニオイつわりは、特定のニオイに強く反応して吐き気や不快感を覚えるタイプのつわりです。食べ物のニオイだけでなく、洗剤や香水、柔軟剤、さらにはパートナーの体臭など、日常のささいなニオイが気になるようになります。
ニオイを感じにくくする工夫としては、こまめに換気をする、マスクをつける、ニオイの少ない食べ物を選ぶといった方法があります。
眠りつわりは、強い眠気やだるさ、倦怠感が主な症状です。十分な睡眠をとっていても日中に強い眠気を感じたり、頭がぼーっとしたりして集中力が続かなくなることがあります。
妊娠初期はホルモンバランスの変化によって体が疲れやすくなるため、無理をせず休息をとることが大切です。
よだれつわりは、唾液の分泌が過剰になることで、口の中が常に不快に感じるタイプのつわりです。唾液が飲み込めず気持ち悪さが続くため、外出時でもハンカチやティッシュペーパーが手放せないという人もいます。
日常生活で大きなストレスを感じる原因となることもあるため、口をこまめにゆすぐ、ガムを噛むなど、自分に合った対処法を探しておくといいでしょう。
つわりの症状は人によって異なり、効果的な対処法もさまざまです。無理をせず、自分に合った方法を見つけることが大切です。ここでは、食事・ニオイ対策・休息など、日常生活の中でできる工夫を紹介します。
つわりの時期は、食事が思うようにとれなくなることがあります。そんなときは「少量をこまめに食べる」ことを意識しましょう。
酸味を感じる物、冷たい物が食べやすいと感じる人も多く、自分が食べられそうな物を手元に置いておくと安心です。空腹になると吐き気が強くなる場合もあるため、胃を空にしないよう、あめやクラッカー、フルーツ、スポーツドリンクや麦茶、炭酸水などを用意しておくのがおすすめです。
ニオイつわりのある方は、身のまわりのニオイ対策を行いましょう。調理中のニオイがつらいときは、窓を開ける、換気扇を回す、調理を人にお願いするといった工夫が必要です。そのほかにも、マスクや空気清浄機の活用も効果的です。
食事のニオイに関しては、温かい料理よりも湯気の立たない冷たい料理のほうが、気にせず食べられるという人もいます。
また、無香料のボディソープやシャンプーを使ったり、香りのある柔軟剤を控えたりすることで、不快感を軽減できる場合があります。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やエネルギー消費の増加などにより、疲れやすくなります。倦怠感や眠気が強いときは無理をせず、休息を最優先にすることが大切です。
眠りつわりがある人は、できるだけ体を横にして休む時間を確保するよう心掛けましょう。また、日中の活動量を調整する、家事を家族に任せるなど、体に負担をかけない生活スタイルを意識することが、つわりを乗り越える助けになります。
つわりは妊娠中によくある症状のひとつですが、その症状がひどく重く、日常生活に支障をきたす場合は「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることがあります。
妊娠悪阻は、水分がとれない、食事がまったくできない、体重が急激に減少する、尿が出にくくなるなどの深刻な症状が現れる状態です。吐き気や嘔吐が長期間続き、脱水や栄養不良、電解質の異常などを引き起こすこともあり、放置してしまうと母体や胎児への影響が懸念されます。
通常のつわりとは異なり、妊娠悪阻は医学的な治療が必要な状態とされており、必要に応じて点滴や入院が行われます。「つわりは我慢するもの」と思い込まず、重症化する前に早めに医療機関を受診することが大切です。
監修者のご紹介
佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人と共に2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
つわりのつらさは、妊娠中の大きなハードルのひとつですが、体調と向き合いながら、これから迎える赤ちゃんのために少しずつ準備も進めていきたいものです。
赤ちゃんの肌をやさしく守る「グーン」シリーズは、新生児の敏感な肌にも配慮された設計で、どんなおむつを選んだらいいのか迷う場合にも安心です。また、大人の肌にもやさしい「エリエール」のティシューもご紹介します。
「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ」シリーズは、赤ちゃんの肌へのやさしさにこだわって作られた紙おむつです。<全面通気性シート>が湿気を外に逃がすことで、ムレも安心。また、<ぽこぽこクッションシート>が、おしっこやゆるうんちを広げずキャッチし、肌への付着を防ぎます。そのほかにも、肌に触れる表面シートには保湿成分の配合で、摩擦による負担を軽減。デリケートな新生児の肌にも安心して使える設計です。
「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用」「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ Sサイズ」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用
グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ Sサイズ
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、水分をたっぷり含んだシートで、赤ちゃんのおしりをやさしく洗い流すように拭き取ることができます。シートには、不純物を取り除いた純水を99%使用。ノンアルコール・パラベンフリー・無香料で、赤ちゃんの肌に負担をかけない成分となっています。生まれたその日から安心して使えるおしりふきです。
「グーン 肌にやさしいおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき
「エリエール ティシュー ポケット」は、外出時にも使いやすいポケットサイズのティシューです。自然由来の柔軟成分を配合し、パルプ100%のやわらかな素材。肌触りがやさしく、水に溶けるタイプのため、使用後はトイレに流すことができます。外出時などにつわりで口の中が不快になったときも、バッグやポケットに入れておくと安心です。
「エリエール ティシュー ポケット」については、下記のページをご覧ください。
エリエール ティシュー ポケット
つわりは、妊娠初期に多くの女性が経験する自然な生理的反応のひとつです。つわりが始まる時期や終わる時期、吐き気、食欲不振、強い眠気、ニオイへの過敏さなどの症状や強さは人によって異なります。
つわりを軽減するためには、空腹を避けつつ少量ずつ食べることや、ニオイ対策、十分な休息など、日常生活の中での工夫が大切です。実際にその時期になってみないと症状がわからない面もありますが、十分な栄養や睡眠をとって、体調を整えておきましょう。
また、症状がひどく、食事や水分がとれない状態が続く場合は、妊娠悪阻の可能性もあります。無理せず、早めに産婦人科で相談することが大切です。
一般的には、妊娠5~6週目頃からつわりの症状が現れ始めます。妊娠に気づくタイミングと重なることが多く、吐き気や倦怠感など、体調の変化として最初に感じる人も少なくありません。また、妊娠8~10週目頃にピークを迎え、12~16週目には落ち着くケースが多いでしょう。ただし、個人差があり、妊娠後期までつわりが続く人や、つわりをほとんど感じない人もいるため、無理をせず自分のペースで体調を整えることが大切です。
つわりの症状として代表的なものは、吐き気や嘔吐を伴う「吐きつわり」、空腹時に気持ち悪くなり何かを食べると落ち着く「食べつわり」、特定のニオイに敏感になる「ニオイつわり」があります。
そのほかにも、日中に強い眠気や倦怠感を伴う「眠りつわり」や、唾液の分泌が過剰になる「よだれつわり」などもあります。
症状の現れ方やつらさは人それぞれで、1つだけでなく複数の症状が同時に現れることもあるため、自分に合った方法で体調を整えることが大切です。
つわりの症状を軽くするためには、自分に合った対処法を見つけることが重要です。例えば、空腹を避けて少量ずつこまめに食べる、ニオイの強いものを避ける、無香料の生活用品に切り替える、眠気が強いときは無理をせず休む、などの方法があります。
また、冷たい料理や酸味のあるフルーツなどが食べやすいという人も多く、自分に合う食べ物を探しておくと安心です。
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