
記事公開:2025.8.22
生理中に「気分が悪い」「吐き気がして食欲がない」といった症状に悩む女性は多くいます。生理中の吐き気にはいくつかの原因があるため、その仕組みを理解し、気分が悪くなったときの対処法を知っておくと安心です。
この記事では、婦人科医監修のもと、生理中に吐き気が起こる原因や、日常生活で取り入れやすい対処法などについて解説します。
生理中に吐き気を感じる原因は、体内で起きているホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなどが関係しています。まずは、生理中に吐き気を引き起こす主な原因について見ていきましょう。
生理中に体内で分泌される「プロスタグランジン」という物質が、吐き気の原因になることがあります。プロスタグランジンは、子宮内膜がはがれる際に分泌され、子宮の収縮を促す働きを持っています。この子宮の収縮により、経血が体外に排出されるのですが、同時に周囲の消化器官にも影響を及ぼすことがあるため、胃のむかつきや吐き気が起こるのです。
また、吐き気とともに下痢や腹痛を感じる場合も、プロスタグランジンによる腸への過剰な刺激が関係していると考えられています。
生理中の吐き気は、ホルモンバランスの変化や、それに伴う自律神経の乱れが原因となることもあります。生理前から生理中にかけて、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が急激に変動します。このホルモンバランスの変化が吐き気や頭痛、めまいなどの不調を引き起こすのです。
特に、ホルモンの影響を受けやすい体質の方や、元々自律神経が不安定になりやすい方は、そうした症状を強く感じることがあります。また、ストレスや睡眠不足、冷えなども自律神経を乱す要因のため、生理中の体調に影響を与えることがあります。
生理中の吐き気はつらいものですが、症状をやわらげるために工夫できることがあります。ここでは、日常生活の中で無理なく取り入れられる具体的な対処法を紹介します。
吐き気があるときには、無理に食事をとるのではなく、体調に合わせて消化の良いものを少量ずつ食べるようにしましょう。
例えば、おかゆやスープ、うどんなど、胃にやさしい食べ物がおすすめです。脂っこい料理や辛い料理、冷たい飲み物、カフェインを多く含む飲み物などは、胃腸を刺激するためなるべく控えてください。
また、自律神経の安定のためには、心身のリラックスも重要です。生理中は体も心も敏感になっているため、ストレスを避けて、できるだけゆったりとした時間を過ごすことをおすすめします。
質の高い睡眠のために、「寝る前のスマートフォンの使用を控える」「部屋を暗く静かに保つ」など、睡眠環境を整えてください。
体を冷やすことで血流が悪くなり、自律神経が乱れて吐き気につながるおそれがあるため、体を温めることが大切です。おなかまわりを中心に温めることで、胃腸の働きが安定しやすくなります。
特に、白湯やノンカフェインのハーブティーといった温かい飲み物は、胃を穏やかに保つ効果が期待できます。
また、入浴でおなかや腰をしっかり温めるのも良い方法です。熱すぎるお湯は負担になることがあるため、38~40℃程度のぬるめのお湯に、ゆっくり浸かるのが理想です。日中や就寝時などは、着るもので体温を調整し、体を冷やさないようにしましょう。
生理に伴う不調は人によってさまざまですが、その中でも生理中の吐き気は、日常生活に影響してくるつらい症状のひとつです。そこで今回は、クラブエリエール会員の女性を対象に、生理中の吐き気に関するアンケートを実施しました。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:クラブエリエール会員の10代以上の女性
調査期間:2025年6月4日~6月8日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:3,368件
■生理中に吐き気を感じることがありますか?
クラブエリエール会員の女性に、生理中の吐き気について聞いたところ、21.3%の方が吐き気を感じるという結果になりました。生理中の吐き気の感じ方には個人差があり、体調によっては不調を強く感じる場合もあるでしょう。
次に、生理中に吐き気を感じたときに、皆さんがどのような対処をしているのかを聞いてみました。
■生理中に吐き気を感じたときに、どのような対処をしましたか?(複数回答)
吐き気を感じたときには、「無理をしないでリラックスする」「おなかを温める」といった対処をする方が多いようです。そのほかにも、吐き気への具体的な対処として、下記のような声がありました。
<生理中に吐き気を感じたときの対処法(自由記述)>
・病院で吐き気止めを処方してもらっている
・手のツボ(親指と人差し指の間)を押す
・胃にやさしい食事や飲み物にする、ウエストのゆるいゴムのズボンにはき替える
・人と会話をして気を紛らわす
・悪化しないように寝てしまう
さまざまな方法で吐き気を対処する方がいる一方、「動けない程ではないので我慢する」「毎回のことなのであきらめて耐える」「実際に吐いてしまう」という回答もあり、効果の出る対処法がなくて困っているケースもあることが伺えます。
生理中は吐き気以外にも、頭痛や腹痛、下痢、貧血、情緒不安定など、さまざまな不調を感じることがあります。これらは、ホルモンバランスの変化やプロスタグランジンの分泌によって起こるもので、人によって症状の強さも異なります。
いずれの不調も、無理をせず休息をとることが基本です。消化の良い食事を心掛けたり、おなかを温めて血行を促進したりすることも、症状をやわらげることに役立ちます。
また、市販薬で一時的に対応できる症状もありますが、つらさが長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、早めに婦人科で相談することが大切です。
監修者のご紹介
佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人と共に2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
生理中の不調やモレの不安を少しでも軽減するためには、自分の体に合ったナプキン選びが大切です。女性ひとりひとりに寄り添うナプキン「エリス」シリーズをご紹介します。
「エリス ルナフィット」シリーズは、独自開発の<スライドフィット吸収体>を採用。ナプキン内部に空間層を持たせることで、吸収体が自在にスライドし、体の動きにしっかりフィットします。羽つきタイプのため、下着にしっかり固定でき、ズレやヨレを防止。肌とのすきまができにくく、経血をしっかりキャッチして、体調がすぐれない日もモレの心配が少ない安心設計です。
「エリス ルナフィット(多い昼用)羽つき 23cm」「エリス ルナフィット超スリム(多い昼用)羽つき 23cm」については、下記のページをご覧ください。
エリス ルナフィット(多い昼用)羽つき 23cm|エリス
エリス ルナフィット超スリム(多い昼用)羽つき 23cm|エリス
「エリス コンパクトガード(多い昼用)羽つき 23cm」は、スリムな1.9mmの極薄シートですが、5時間※つけていても快適をキープ。超吸収ポリマーがぎっしり詰まっていて、普通のナプキンの2倍※経血を吸収するため、モレを軽減できます。気分が上がるかわいらしいデザインで、ポーチやポケットに入れて持ち運びしやすい個包装のナプキンです。
※大王製紙「エリス 新・素肌感 ふつう~多い日の昼用 羽つき」との比較。
「エリス コンパクトガード(多い昼用)羽つき 23cm」については、下記のページをご覧ください。
エリス コンパクトガード(多い昼用)羽つき 23cm|エリス
「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用」は、夜用ナプキン3枚分※1の吸収量で、全方位からモレ・ズレをしっかりガード。12時間※2は安心の設計で、就寝時のつたいモレや日中の経血量が多い日にも心強い、ショーツ型ナプキンです。おむつ感のない、スタイリッシュなブラックカラーもうれしいポイントです。
※1 大王製紙「エリス新・素肌感 多い日の夜用羽つき」との比較。
※2 大王製紙調べ。個人差がありますので経血量に合わせて適宜取り替えてください。交換不要を推奨するものではありません。
「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー」については、下記のページをご覧ください。
エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー|エリス
生理中に吐き気を感じたときは、まずは無理をせず、できるだけ体を休めることが大切です。学校や仕事、家事などを一時的に調整し、「静かな場所で横になる」「温かい飲み物をゆっくり飲む」などの対応で、体調を整えましょう。
もし、吐き気が長引く場合や日常生活に支障をきたすような場合は、早めに婦人科に相談してください。
生理中の吐き気は、主にホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが原因です。特に、プロスタグランジンという物質が生理中に分泌されることにより、子宮の収縮を促す一方で、胃腸を刺激して吐き気や下痢を起こすことがあります。
また、生理に伴うホルモンバランスの変化は自律神経にも影響を与え、吐き気や頭痛、めまいなどの不調を感じやすくなります。
まずは、体を冷やさないようにして、特におなかまわりを温めるのがおすすめです。また、食事は消化の良いものを少しずつ食べることが基本となります。脂っこい料理や冷たいもの、刺激の強い食べ物は避けましょう。
ほかにも、自律神経の安定のため、ストレスを溜めないようにして、静かな環境でゆっくり休むことが大切です。
生理中の吐き気が長引く場合や、日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、婦人科の受診をおすすめします。婦人科では、ホルモンバランスの乱れや月経困難症などの可能性を診断し、必要に応じて生活習慣のアドバイスや薬の処方を受けることができます。症状が重いときは我慢しすぎずに、一度相談してみることが大切です。
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