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REPORT vol.10

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【世界女の子会議2023レポート・後編】
ザンビアの女の子との交流後、日本の女の子が感じたこと

ハートサポートプロジェクトが2023年1月30日にオンライン開催した「世界女の子会議2023」。
レポート後半では引き続き生理の問題についてディスカッション。最後はザンビアの女の子たちが将来の夢について語りました。

「生理の課題を解決するために、日本でもチームを立ち上げてみたら?」

「世界女の子会議2023」の後半、ナノンが初潮についてザンビアの女の子たちに尋ねます。

日本のサヤ(左)、ナノン(中央)、ユウミ(右)
ナノン:

初めての生理、みんなはどんな気持ちでしたか?私の場合、生理のことを教わる前に初潮が来てしまって。
親からは「おめでとう」と言われたけど、「どうしよう」という気持ちの方が大きかったなと思います。

シーラ:

私も思いがけず早く生理が来てしまって、よくわからなかったです。長女なので相談できる姉もおらず、ちょうどクリスマスのシーズンで母も忙しくて。「どうやって隠したらいいんだろう」と恐ろしい気持ちでした。
数日後、叔母に相談することができ、そこで生理について教えてもらえましたが、「男の子がからかうかもしれないから、生理中は男の子から離れていなさい」と言われたのを覚えています。

一方、「いつ生理が来るか楽しみにしていた」とヴェーナは話します。彼女がそう思えたのは、初潮を迎える前から、生理について学んでいたから。正しい知識の重要性を改めて実感する一同でした。
続いて、メモリーからこんな質問が。

メモリー:

みんなはどのくらいの頻度で生理の話をしますか?

ナノン:

意識して話したことはないかもしれないです。私の場合、女の子同士であっても、「今日生理なんだよね」くらいの話しかしないかな。

メモリー:

生理のことを話す場がないんですね。日本にもコミュニティスペースのような場所があったらいいと思う?

日本の女の子たち:

(うなずく)

シーラ:

コミュニティスペースでガールアップグループを立ち上げた最初のきっかけは、生理が理由で学校を諦めてしまう子どもを、学校に行けるようにするためでした。
だから、生理の課題を解決するためにガールアップのようなグループを立ち上げるのは、みんなにとってもいいことだと思うな。

「ザンビアの生理事情を知って、日本の現状を変えたいと思えた」

最後に、ザンビアの女の子たちは将来の夢やチャレンジしたいことを力強く語ってくれました。

ザンビアのメモリー(左)、シーラ(中央)、ヴェーナ(右)
メモリー:

女の子も男の子も、自分で自身のキャリアを築ける環境をつくりたいです。
そのためにもリプロダクティブヘルスへの意識を高め、それぞれが抱えている課題について声を上げ、「自分は何をすべきか」を考えられるようにしていきたいと思います。

リプロダクティブヘルス/ライツとは?

性行為や妊娠・出産など、性に関わる全てにおいて、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、自分の意思が尊重され、自分らしく生きられる状態を指します。日本語では「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。
シーラ:

ガールアップグループにもっと若者を巻き込んでいきたいです。問題が生じたとき、それについて語り合い、考えを深めることができるといいですね。
例えば、今のザンビアでは若者のHIV感染が増えています。その現状を変えて、ザンビアからHIVをなくすこともチャレンジしたいことの一つ。
そうやって一つ一つの課題を解決し、生理中でも安全に学校に行ける環境をつくり、女の子たちが怯えることなく暮らしていける世界を実現したいです。

ヴェーナ:

女の子が安心して、自由でいられる世界を実現するのが私の夢。生理はもちろん、さまざまな問題や障害を抱えた女の子たちがオープンに自分のことを語れるような、そんな環境をつくりたいです。

これにてディスカッションは終了。参加者の6人の女の子たちは今日の感想をシェアしました。

メモリー:

素晴らしい話し合いができましたし、皆さんと交流できたことがうれしいです。心を開いて、オープンに話してくれたことで、私も日本のことを知ることができました。

シーラ:

3人は良いチームだと思うから、みんなが日本の状況を改善していけると信じています。私たちはザンビアで若者を守る活動をしているけれど、日本の皆さんとも何か活動ができるんじゃないかな。

ヴェーナ:

皆さんと話せて本当にうれしかったです。ありがとう!

サヤ:

ザンビアのみんなとお話できたことがうれしかったです。3人が夢を語っている中で、明るい未来を描いていることに刺激を受けたし、私も勇気を持って生理のことを周りに話してみようと思いました。

ナノン:

生理という共通点を基にこうやって話せたから、生理も悪いものじゃないなと思えました。国境を超えた生理の話を知れたことで、日本の生理の考え方を変えるために私も動きたいと、前向きに考える原動力をもらえたように感じています。

ユウミ:

生理をはじめ、さまざまな問題について改めて考える有意義な時間になりました。学んだことがたくさんあったので、今日の機会を無駄にせず、話した内容について深く勉強していきたいです。

「日本でも生理に関する男性の理解を深めたい」

「ありがとう」「Thank you」を言い合い、ザンビアの女の子たちからの投げキッスとともに「世界女の子会議2023」は幕を閉じました。

その後は日本の女の子たちでアフタートーク

ユウミ:

生理のことを話し合うこと自体が初めてだったし、その相手がザンビアの女の子たちだったことにかなり緊張していました。
でも、ザンビアのみんなが明るくたくさんの質問を投げかけてくれたので、思っていた意見を率直に話すことができたと思います。これまで自分では考えなかったことを考える機会になり、とても良い時間になりました。

ナノン:

ザンビアの女の子たちと話す中で、自分で当たり前に思っていたことが、実は当たり前ではないことに気付きました。
今日はザンビアのみんなとのディスカッションだったけど、その前に私たちが日本の環境についてもっと話し合うべきだと感じましたし、男性に理解を深めてもらう機会も増やしたいです。

サヤ:

私もザンビアの女の子たちの周りの男性に、生理に関する理解がかなりあると聞いたことが印象に残っています。
日本でも男性の理解が今以上に得られるといいなと思いましたし、そのために自分ができることを見つけて、積極的に動いていきたいと思う勇気をもらいました。

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