尿モレのタイプを知って、毎日快適に

尿モレのタイプを知って、毎日快適に。

◆成人女性の3~4人に1人が経験者

咳やくしゃみをしたとき、重いものを持ち上げたときなど、尿意がないのに少しもれてしまった…こんな経験ありませんか?私も経験がありますが、初めて起きたときは、ショックですよね。恥ずかしくて相談しにくいし、なかなか病院にも行きにくいものです。でも、そんなに悩まないで。尿もれの経験者はなんと、成人女性の3~4人に1人。男性に比べて尿道が短い女性にとっては、決して特別なことではなく女性特有の生理現象。そう、女性にはよくあることなのです。

◆女性に起こりやすいのはなぜ?

女性の尿もれ経験者に「初めて尿もれを起こしたのはいつ?」と聞くと、「出産後」という答えが圧倒的です。出産をきっかけに尿もれを経験する女性はたくさんいるようですね。それは分娩時に、膀胱や尿道を支える骨盤底の筋肉と線維組織が大きく引っ張られてダメージを受けるからです。すると膀胱が下降して尿道が短くなり、尿道を締める力が伝わりにくくなってもれてしまうのです。とくに、難産だった人や子どもを何人も産んだ人に尿もれ経験者が多いという傾向があります。尿もれには大きく分けて「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の2つのタイプがあります。

◆腹圧性尿失禁とは?

咳やくしゃみ、走る、跳ぶ、重いものを持つなどの動作をして腹圧がかかると尿がもれてしまうタイプの尿失禁を「腹圧性尿失禁」といいます。出産直後と更年期の女性に多いのが特徴です。更年期の女性に多いのは、閉経すると女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、膣や尿道の粘膜が委縮して柔軟性がなくなってくるため。出産時の骨盤底筋へのダメージが残っていたり、加齢によって骨盤底筋が弱くなっていることもあり、ちょっとおなかに力が入ると膀胱から尿が押し出されてもれてしまうのです。

◆切迫性尿失禁とは?

突然の尿意を感じてトイレに行こうとしても間に合わず、途中でもれてしまうタイプの尿失禁を「切迫性尿失禁」といいます。これは膀胱が意思に反して収縮する「過活動膀胱」の症状の一つで、腹圧性尿失禁に比べ、もれる尿の量が多いのが特徴です。脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)や脊髄の病気の後遺症で起こる場合と膀胱炎、尿路結石などで一時的に膀胱が過敏になって起こる場合があります。しかし、原因がはっきりしないケースも多くあります。

◆腹圧性と切迫性の混合型尿失禁も

高齢の女性の場合、腹圧性と切迫性の両方の症状を併せ持つ尿失禁が多くなります。これは加齢によって骨盤底筋がゆるんでいるのに加え、膀胱と尿道の機能低下が関係しているようです。