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REPORT vol.6

REPORT vol.6

「女の子に生まれてよかった」と思えるように。
ザンビアの女の子への今後の支援について

ハートサポートプロジェクトでは2020年10月から約1年間、ザンビアの女の子に向けた支援を行ってきました。
世界的な新型コロナウイルス感染症の流行によって思うようにいかないこともありましたが、Twitterキャンペーンでは目標の倍以上となる6,164件ものツイートが寄せられ、予定通りザンビアで布ナプキン3,000枚分の作製支援ができました。
残念ながらザンビアでの支援の拠点となるコミュニティースペースの正式オープンは新型コロナウイルスの影響により延期となってしまいましたが、現地の女の子に向けた衛生教育に関する活動がスタートしています。
最後のレポートでは、その様子とともに、今後の支援活動について紹介します。

思春期の身体について、研修や啓発活動を実施

4月中旬に布ナプキン作製の研修を終えた後も、ピア・エデュケーターたちは定期的にコミュニティースペースに集っています。
布ナプキンを作製したり、地域の若い人たちに向けて、思春期の身体や健康に関する研修や啓発活動を行ったりと、時に保健センターの看護師を交えながら、専門的な内容についても丁寧に学びを深めています。

※ピア・エデュケーターとは、仲間に対し教育をする人、仲間に伝える人たちのこと。ピアは「仲間」「友人」という意味を指します。
ピア・エデュケーターに向けた研修の様子

研修の内容は、生理や10代の妊娠、中絶、ジェンダーに基づく暴力といったリプロダクティブ・ヘルス/ライツを中心に、性感染症、HIV/AIDS、環境衛生など、多岐にわたります。
例えばピア・エデュケーター向けに行われたHIV/AIDSの研修のテーマは、「思春期の若い子に保健センターに来てもらって、検査を受け、陽性の場合に治療につなげるためには、どのようなアプローチをすればいいのか」。保健センターの看護師のアドバイスを受けながら、ピア・エデュケーターたちがアイデアをまとめ、発表し、質疑応答を通じて学びました。

リプロダクティブヘルス/ライツとは?

性行為や妊娠・出産など、性に関わる全てにおいて、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、自分の意思が尊重され、自分らしく生きられる状態を指します。日本語では「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。
「研修を受けて、ピア・エデュケーターの活動を行う自信になった」

研修に参加した女の子の一人は、その意義を次のように話してくれました。
「ピア・エデュケーターとして思春期の子たちの支援をしていますが、思うようにいかないことの方が多いです。そのような中で専門家の力を借りながら、私たち自身で課題を整理し、解決策を検討することは、今後ピア・エデュケーターとして支援を行うときの大きな自信になります

ピア・エデュケーターによる啓発活動の様子

また、啓発活動では同じ地域に住む同世代の子たちを対象に、参加型のイベントを実施。ピア・エデュケーターは「詩や演劇を参加者自らが行うことで、自尊心を高め、10代の若者に関するさまざまな課題への理解を深めてほしい」と、活動に込めた想いを聞かせてくれました。

「女の子に生まれてよかった」と思える人を増やすために

ザンビアでは、2021年6月から新型コロナウイルスの感染者が急増。日本と同じように、日常生活にさまざまな制限が課されるようになりました。集会も禁止となってしまい、残念ながら6月以降のピア・エデュケーターの活動はできていません。
そんな状況ですが、「これからザンビアの女の子たちにどんな変化をもたらしたい?」という質問に、ピア・エデュケーターの女の子たちはポジティブな答えを聞かせてくれました。
「私はザンビアの女の子たちに、『女の子に生まれてよかった』と思ってもらいたいです。遠い日本の女の子たちにも応援してもらいながら、私たちの身近な問題について学び、解決に向けて少しずつでも活動を行う。その結果として『私もできるんだ』『女の子も世界を変えられる』『女の子だからできることがある!』と感じてもらいたいです」
ハートサポート活動を通して、彼女たちは問題に対して熱心に取り組み、自発的に周りに啓発してきたいという強い思いをもってくれています。

今後については、ザンビアの感染状況を見ながら、10月には啓発活動や布ナプキン製作を再開し、新たなピア・エデュケーターの養成研修を行う予定です。そして12月、延期になっているコミュニティースペースの正式オープンを実現し、看護師によるカウンセリングの提供をスタートしたいと考えています。翌年の2022年4月には、布ナプキンの大規模配布も計画中です。
改めて、「ハートサポートプロジェクト2021」に関心を寄せてくださった皆さま、ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
ハートサポートプロジェクトでは、来年度もザンビアの女の子たちの願いを現実にするための支援を行っていきます。引き続き、発信していきますのでご支援いただけると嬉しいです!

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