対象学生に生理用ナプキンを1年間無償で
プレゼントする「奨学ナプキン」プロジェクト。
8月に実施した中間アンケートに続いて、
12月は「奨学ナプキン」を受け取ってからの
生活の変化や
1年間を通して感じた
生理に関する社会の理解について、
最終アンケートを実施しました。
奨学生を対象に、1年間の奨学生期間を終え、奨学ナプキンをまわりの人に勧めたいか尋ねたところ、98.1%と多くの方が「勧めたい」と回答。
生理用品を受け取るようになってからの生活の変化を伺うと、「ナプキンがなくなるかもという不安や焦りがなくなり、生理期間中も前向きになれた」「ナプキンを気軽に取り換えられるようになって衣類が汚れることが減った」「同じナプキンを長時間使い続けることがなくなり、かゆみが出たりかぶれることが減った」「金銭的に助かった」などのさまざまな前向きな声が挙げられました。
1年間の奨学生期間を経て、98.1%が
「奨学ナプキンをまわりの人に勧めたい」と回答!
「生理期間中も前向きになれた」「衣類が汚れることが減った」「かぶれることが減った」など
喜びの声多数
「奨学ナプキン」プロジェクト期間の1年間を経て、生理に関する社会の理解について変化の有無を尋ねたところ、「変化があったと感じる」もしくは「やや変化があったと感じる」と答えた方が51.8%という結果になりました。全体で見ると「どちらともいえない」と回答した方が32.1%と最多となっており、「無償のナプキン配布は増えたと感じるが、理解が深まっているとは言い難い」「生理についてのコンテンツは増えたが興味のない人まで情報が届いていない」などのコメントから、生理に関する社会の理解は“進みつつあるものの不十分だ”と考える人が多いことがうかがえました。
生理に関する社会の理解は
「どちらともいえない」が最多
「生理についてのニュースを目にする機会は増えたがまだ足りない」
との声も
最後に、“生理について今後社会に変わってほしいこと”を尋ねたところ、「生理の症状には個人差があることを知ってほしい」「生理による体調不良は甘えだ、ズル休みだ、といった考えをやめてほしい」といった生理に対する理解を求める意見が多く見られました。中には「生理でもプールに入れという先生がいる」といった声もあり、学生だけでなく教員に対しても生理教育が必要な実態がうかがえました。
その他、「トイレットペーパーと同じように、どのトイレにもナプキンが置いてある社会になってほしい」「生理用品は生活必需品なので購入費用を軽減してほしい」「被災時にも十分な量を配布できるようになってほしい」といった社会保障を求める声も多く見られ、生理による金銭面の負担が大きく、社会によるサポートが不十分だと感じている人が多いことがわかりました。また、「生理休暇がもっと使いやすくなってほしい」「生理で休む場合には欠席日数にカウントしないで欲しい」といった生理での休みに関する要望も見られました。2023年12月には、文部科学省から、公立高校入試において生理による体調不良も追試験対象とするよう全国に通知されるなど、徐々に生理による休みが認められるようになってきましたが、まだ不十分だと感じる方は多いようです。
「痛みを先生や友達に理解してもらえず辛い」
「生理用品を購入することが金銭的に苦しい」など
生理に関する切実な声が続々
これらの調査結果を踏まえ、1年間の「奨学ナプキン」プロジェクトを通して奨学生の生活に前向きな変化を与えていることが明らかになった一方、生理の有無を問わず社会が生理について理解し、助け合える環境を実現するには、今後とも継続的にアクションを起こし続ける必要があります。
「エリス」は、多くの前向きな意見をいただいた「奨学ナプキン」を通してより多くの方を支援すべく、2022年、2023年に続き、2024年4月9日(火)から特設サイトにて2024年度の奨学生を募集することを決定しました。
今回のプロジェクトで明らかになった課題と向き合い、多様性のある社会でひとりひとりの生理
に寄り添うきっかけ作りをさらに進めてまいります。
※募集要項などの詳細は、4月9日(火)に特設サイトで発表予定です。
【対象者】2023年度の「奨学ナプキン」奨学生
【調査期間】2023年12月1日(金)~12月14日(木)
【調査手法】アンケート調査
【サンプル数】1,170名