ネコちゃんは下部尿路(膀胱から尿道まで)の
病気にかかりやすく、ネコちゃんの
尿pH値*を適正に維持することが
下部尿路疾患の予防につながるから!
* おしっこが酸性/アルカリ性どちらに近いかを表す数値
かつて砂漠に住んでいたネコちゃんは、⽔をあまり飲まなくても⽣きていけるよう尿を濃縮させる能⼒が発達したため、おしっこが濃くなる傾向に。おしっこが濃いと尿路結⽯ができやすくなるので、尿道につまったり膀胱を傷つけたりする尿路結⽯症になる可能性が⾼まる恐れも。
尿pHが6.8以上
(尿pHがより⾼くなって
アルカリ性に近くなる)
と結晶化しやすい
ネコちゃんのトラブルに多いストルバイト尿路結⽯症は、尿のpHがアルカリ性に傾いた状態が⻑く続くことでなりやすくなると⾔われています。健康なネコちゃんでも⾷事内容や尿の排出量、健康状態等によりpHが変化することがありますが、数時間で数値は戻ります。しかし、おしっこのpHが安定しなかったりアルカリ性に傾いている状態が続いたりする場合は、尿路結⽯症のリスクが上昇。pH数値を継続して調べることが⼤切です。
尿路結石症は、腎不全、膀胱炎、尿路閉鎖などのリスクを高めます。そして、尿路結石により尿路閉鎖が起こると尿が排泄できなくなり、命に関わる場合があります。尿路結石の代表として知られているストルバイトは、尿pHがアルカリ性に傾くことで結晶化(結石)しやすくなります。逆に、尿pHを弱酸性に保つことで溶けやすくなり、治療や予防をすることができます。そのため、尿pHをチェックすることは、尿路結石症の早期発見、治療、予防などに有効です。
獣医師 獣医学博士 北里大学獣医学部教授
北里大学獣医学部附属動物病院では、一般外科を担当。
専門は獣医外科学、救急医療学