かくさないパッケージをつくろう 座談会レポート

もっといいパンツになる。 アテント

エリエール

第2回座談会レポート

じゃあ
どんなパッケージなら
うれしい?

いろんな立場から、紙パンツのパッケージについて話し合った第1回座談会。その後アテントチームは、SNSで集まったみんなの声も取り入れながら、デザイン案を4方向考えました。そして第二回座談会では、そのアイデアを見ながら、ベストなパッケージとは何か、意見を交わしました。

参加メンバー

  • 鎌田 實先生

    ⾃由を愛する内科医。地域医療、在宅ケアのお仕事をしています。アテントの開発にも協⼒。

  • 澤⽥ 智洋さん(司会)

    福祉やスポーツ関係のお仕事をしています。⼦供が⽣まれる前に、事前準備として紙オムツを買うときはウキウキでした。

  • 岸⽥ 奈美さん

    作家。主に家族のことを題材に、明るくなれる作品を書いています。⽣理のときにお⺟さんの紙パンツを借りたことも。

  • 岸⽥ ひろ実さん

    奈美さんのお⺟さん。病気のため下半⾝⿇痺になり、紙パンツと出会う。⾃分らしく使いこなしています。

  • アボカドさん

    他県に住むお⺟さんを、お⽗さんと⼀緒に遠距離介護中です。紙パンツの購⼊はアボカドさんが担当。

  • キョンシーさん

    91歳のお⺟さんを介護中。くたくたになるけど、将来の勉強だと思って、明るく前向きに取り組んでいます。キョンシーが好き。

  • こうちゃんさん

    普段から活発に趣味や仕事のセミナーに通い、万が⼀のときのために紙パンツを使⽤。メガネがとても似合う。

目次

  • 紙パンツが、心の杖になれる

  • デザインいろいろ考えてみました

  • アイデアA:シンプルなデザイン

  • アイデアB:アテントらしいデザイン

  • アイデアC:かくさないデザイン

  • アイデアD:もっと自由になれるデザイン

  • ほんとうに必要な情報ってなんだろう?

  • 紙パンツのイメージは変えられる!

#1/8

紙パンツが
心の杖になれる

澤田さん(司会)みなさんは前回の座談会を通して、介護やパンツについて何か印象変わりましたか?

岸⽥ ひろ実さん先日友人が遊びに来たので、大人用紙パンツはこんな風になっているんだよ、と見せたら、薄さとか手軽さに感動していました。「私も尿モレとか気になる年だから、これ使ってみようかな」と話していました。でも「やっぱりパッケージが…」と言っていましたね。

岸⽥ 奈美さん私は最近商店街を歩いていたら、地価が上がってしまったせいで、今にもなくなりそうな高齢者の寄合所を見つけました。そして話を聞いているうちになぜか、その寄合所を支援することになりそうで(笑)そういう人たちと話すのが好きなので、今度紙パンツを持って行って話を聞こうかなと思っています。

アボカドさん私はこの座談会に参加してから紙パンツが気になりだして、お店でじっくり眺めたり、見比べるようになりました。これからも紙パンツについて知識を深めたいなって。

鎌田先生僕は手術をして、紙パンツを一晩はいたんです。『失禁を生きる』っていう本があって、障害を抱えるいろんな人が、便失禁とか尿失禁とか、精神的にどんなに辛かったかが書かれています。自分も体験して、多くの人がショックを受ける気持ちがわかりました。みんなが早くそういうことを乗り越えられるような、新しいデザインのパッケージができたらいいなと、1ヶ月の経験から実感しました。

澤田さん(司会)今回のパッケージを通して紙パンツが、心の杖になれるといいな、と僕も思いました。みなさん、1ヶ月の出来事とは思えないぐらいに濃いですね(笑)

#2/8

デザインいろいろ
考えてみました

澤田さん(司会)さて、前回の座談会を踏まえて、今日はアテントがいろいろデザインを考えてきました。でもまずは、たくさんの声を受けて、チームでまとめた方針を読み上げますね。

●シンプルであること。
●自由を感じること。
●前向きな気持ちになれること。
●ブランドとしてメッセージがあること。

この4つだそうです。さらに「おしゃれさやシンプルさは大切にしたいけど、ただ要素を減らしてパンツであることをかくす、という後ろ向きな解決策にならないように「意志のあるシンプル」を目指したい。あとはどこのブランドだっけ?とならないように、アテントらしさも伝えたい」とのことです。なるほど。そして今回は条件として、ウェブ限定商品で販売するそうです。店頭には最初は出ないんですね。そんな前提だとお考えください。では、具体案を4方向、見ていきましょう。

#3/8

アイデアA:
シンプルなデザイン

澤田さん(司会)まずA方向のコンセプトは「Simple is the best.」とにかく情報量を最小限にスッキリとさせました。表に入れるのは、ブランド名、吸収回数、あとは何枚入りかの情報。そしてトレンドのくすみカラーで、印象をやわらかく。前回話した最近の生理用品やE C専用のパッケージに近い考え方ですかね。

こうちゃんさん直感で買うかどうか考えると、これいいと思いますね。

澤田さん(司会)これぐらいシンプルな方がむしろわかりやすいですね。家に置いてあっても、紙パンツって分からなくていいですね。

岸⽥ 奈美さんこれのいいところって、パッと見でMかLかわかるところだと思うんです。一方で、このプロジェクトで出すには意志が弱いのかなって気がするんです。こういうデザインはweb販売や海外ではすでにあるので、アテント じゃなくてもいいかも?紙パンツのおかげでスキーに行けた!とか、ストーリーに組み込めたらいいなと私は思っているので。

岸⽥ ひろ実さんすごくいいなと思ったんですけど、私もすでにどこかにあるデザインだなって思ってしまって。素敵だし驚いたけれど、他にもあるかな?っていう感じがします。

#4/8

アイデアB:
アテントらしいデザイン

澤田さん(司会)こちらはアテントカラーなんですね。ロゴの色ですね。アテントらしさを生かして、だけどシンプルにということだそうです。なるほど。ローマ字でAttentoにすると印象が違いますね。なんかデパートのお菓子みたいでかわいい!

鎌田先生これもオシャレだね。

キョンシーさんうーん、色は好みですよね。派手な色が好きな人は好きそう。

岸⽥ ひろ実さん私は、この色好きです!

#5/8

アイデアC:
かくさないデザイン

澤田さん(司会)次が、また全然違う考え方で「かくさないパンツ」。恥ずかしいからかくすのではなく、メガネのように堂々と持ち歩けることが当たり前のものへ、という意志が紙パンツのモチーフにこもっているそうです。これは前回話していた今までの思い込みを変える想いを込めるってことですね。

鎌田先生これ、紙パンツなんだ?

岸⽥ 奈美さん白い部分がパンツってことですよね。

鎌田先生あ、気づかなかった!モダンでいいですね。

澤田さん(司会)ただシンプルにするんじゃなくて、パンツをモチーフとして、デザインしたんですね。白がデザインとして効いてて、まさに自由と解放感と、動き出そう!という意志を感じます。

アボカドさん前回わたしは、パンツの絵が描いてあるのが嫌だって言ったんですけれど、こうやってパンツをモチーフにするのはいいなと思いました。しかもパンツっていうのを変にかくさないっていうのも、すごくいい主張ですね。

岸⽥ ひろ実さんここまで3つのデザインを見てきて、それぞれいいなと思っていると、さらに超えてくる感じで笑。パッケージを考えるってこんなに楽しいんですね!しかも紙パンツが今までとまったく違うものに見えていいですね、すっごく。紙パンツをリスペクトするようなデザインで。

岸⽥ 奈美さん誰かに頼んで買ってきてもらうときに指定しやすいというところと、意志があるという意味で、私自身はすごいいいなって思います。

#6/8

アイデアD:
もっと自由に
なれるデザイン

澤田さん(司会)こちらのコンセプトは、「もっと自由になれる」。なるほどね。「新しい世界にでかけよう」ということですね。

鎌田先生すごいね。ゴルフして、子どもを肩車して、いろんなライフスタイルがある。

澤田さん(司会)逆立ちして、釣りして、ヨガして、縄跳びして、カラオケして、旅行して、あっ!スケボーまでしてる。これは、今までのパッケージのモチーフがなぜか男女がウォーキングしてるものが多いのに対して、いろんな自由があるよねという提案ですね。

鎌田先生このパッケージを見ると、今度自転車乗ってみようかとかそういう風に思えて、けっこう社会が明るくなっていくような気もしますよね。

澤田さん(司会)「アテントクラブ」みたいなのを作ってもいいですよね。このピクトグラムの数だけアクティビティを提供するみたいな。アテント自転車クラブとか、アテントギタークラブとか、何か絵にするだけじゃなくて場も提供するといいなと思いましたね。

岸⽥ ひろ実さん持ち歩くときのポーチなんかもこの柄でできたらいいなぁって。どの柄にするかとか選べると楽しそうです。

#7/8

ほんとうに必要な
情報って
なんだろう?

澤田さん(司会)ここからは実際にデザイナーさんも交えて、ドシドシ意見を交わしていきましょう。

デザイナーはじめまして。初めから僕がいると正直な意見が言いにくいかなって、裏でドキドキしながら聞いていたんですけれど、今のところ好評そうで良かったです。

澤田さん(司会)デザインするときに苦労したことって何ですか?

デザイナー前回出ていた「自由」っていうキーワードを、どう表現したらいいかを悩みましたね。すごく広くて抽象的な言葉なので、それを具体的な色と形に落とし込んでいくのが、なかなか難しくて、一番苦労した点です。

岸⽥ ひろ実さん紙パンツってことをかくすのではなく、自由を手に入れるためのアイテムなんだよということを出していけたらいいと思うので、ある程度紙パンツだよとわかるデザインがいいと思いました。

岸⽥ 奈美さんあと、買いに行く人の気持ちになったときに、表面だけでMかLかがわかるといいですよね。色だけだと、色覚に異常がある方がわからないのではないかと。

デザイナーそうですね。今回はウェブ限定なので、正面にMとかLとか書いていなくても成立するのとは思いますが、親切さという意味では、サイズ名と回数と枚数は入っていてもいいかもしれないですね。全面一色だけにせずに。

岸⽥ 奈美さんなんか、誰かを取り残したくないって思うんですよね、高齢者の方や、色覚異常で、色で判別できない方に、置いていかれたと思ってほしくない。

澤田さん(司会)それ、すごく大事な指摘です。視覚の障害のある方だと生理用ナプキン買うときに間違えちゃうみたいな話もあって、置いていかれた気持ちになるから、そういうケアがあるとより良くなりそうですね。

岸⽥ ひろ実さん私もサイズってよく間違えちゃう。紙パンツはサイズ間違いとか取り返しがつかない。サイズがわかりやすくしつつ、どうデザインと融合していくかが重要だと思います。

澤田さん(司会)入れるのは、サイズだけでいいんですかね?

岸⽥ ひろ実さん表に情報がありすぎてもわかりにくくなるから、まずMかLか表記あったらいいなと思います。

岸⽥ 奈美さんパッケージの表にある、吸水回数って大事なところなんですか?あまりピンとこないんですけれど。

岸⽥ ひろ実さん大事だと思います。長時間はけるのかとか、それともマメに交換しないといけないのかとか、生理用品の多い日用とかと一緒で、たぶんここを気にされている方って多いんじゃないかな。

鎌田先生吸収回数2回って明記することはけっこう大事で、1回使ってもまだ1〜2時間は映画を観続けられるってことになりますね。でもどこの商品も、2回分ぐらいは大丈夫って言っているとこが多いです。

澤田さん(司会)2回吸収できるのが普通だとしたら、あえて言わなくてもいいのかも?差別化にならないのであれば、表に載せるのはサイズと枚数ぐらいでもいいかもしれないですね。だけど裏にはちゃんと書く。これが親切な気がする。取りこぼす人をなくそうとしている気持ちが大切かなと僕は思いました。

こうちゃんさんでも、通販で買う場合やったら、仕様説明というのが画面に大きく出てきますわね。だから私は表面にサイズや枚数の表記はいらないと思うんですけれどね。

鎌田先生そうね。今回は通販だけでやろうとしているわけだから、他でわかるんだとすれば、デザインが美しい方がいいよね。

こうちゃんさん店頭で買うんでしたら、しつこいぐらいに書いてないと間違えてしまう場合もありますけれどね。

アボカドさんこうちゃんさんおっしゃる通り、通販サイトで情報が出て、わかっている人が買う前提であれば、表面には何もない方が、インパクトが強いんじゃないかなって思いました。

キョンシーさんもし表に文字を入れるなら、オシャレなフォントがいいですね!

デザイナー今後これがそのまま店頭に出ていくかはわからないですけれど、店頭に並ぶ場合は絶対入れなきゃいけない要素なので、しっかり検討したいと思います。

澤田さん(司会)そもそも今回パッケージをなんで変えるかって言うと、情報量が多くで嫌だとか、いかにも高齢者向けっぽくて嫌だって言う気持ちを、ケアして変えるわけですよね。でもそうした時に、他の基本的なことを本当にケアできているかどうかは、パッケージを詰める上で大事かなって思います。

デザイナーみなさんの期待に応えられるよう仕上げたいです!頑張ります!

#8/8

紙パンツのイメージは
変えられる!

澤田さん(司会)前回と合わせると、かなり長丁場の座談会だったんですが、本当に楽しかった!紙パンツを起点としてみんなでワイワイ話すということ自体が貴重な時間で、発見に満ちていました。将来紙パンツをはくであろう身としても、すごく希望を持てた2回でした。

アボカドさん参加させていただいて、パンツのイメージがだいぶ変わりました!介護のイメージも暗いものから、私でも例えば旅行する時に自分で使う可能性があるんだなって、それくらい身近なものに感じるようになりました。

キョンシーさん知識もなく飛び込んでみましたが、ためになることがいっぱいでした。心配な時に全然恥ずかしくないものとしてはいて、堂々と街中を歩きたいと思いました!一日中はいてないと気づけないこともあるから、今度は体験とかやってみたいです。

こうちゃんさん紙パンツにそこまで注目していなかったんですけれど、用途だけじゃなくて、おしゃれを楽しめるようなものを作っていただきたいです。かくれたオシャレをこれから楽しみたいと思うようになりましたね。

岸⽥ ひろ実さん私はこんなにもデザインでイメージが変わるんだなあと実感しました!紙パンツは便利でカッコよく使えるものだとパッケージから知ってもらい、さまざまな用途が伝わっていくといいと思います。見えないけれどカッコイイものをはいている。自分自身がそういうイメージを持つことで元気になるんだろうなって、お話しして思いました。

岸⽥ 奈美さん私が自分でパンツを使う人ではないので、使っている方の話や、介護されている方の話、デザイナーとして、医師としてっていう専門的な意見もいただいて、知らないことをたくさん知ることができて、自分自身も成長できました。この成長をみなさんに追体験してもらえるような広げ方をしていきたいです。紙パンツを使わない人でもそれを応援することで自分が成長できるって思ってもらえたらいいな。

鎌田先生パンツをきっかけに、後ろ向きにはならずにもっと前を向けるといいと思います。このプロジェクトをきっかけに、紙パンツのイメージが変わるんじゃないかなと、楽しみになってきました。

澤田さん(司会)対話の中で紙パンツに対するイメージが、どんどん変わっていったのが印象的で。やっぱり使っている方もこれから使う方も含めていろんな人とパンツの話をしていくことが大事なのだなと思いました。アテントのチャレンジも、どんどん広がっていくと思いますので、引き続きお力を貸してください!ありがとうございました!