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犬が下痢になる原因は?動物病院へ行く目安や家庭でできることも解説

記事公開:2024.03.26

ワンちゃんのうんちの状態は、オーナーさんが目で見て確認できる健康指標のひとつです。もし下痢をしていたら、いつもより少し気をつけて様子をみてあげたいですね。

ワンちゃんはさまざまな原因で下痢をします。食べすぎなどによる一過性のものの場合もあれば、隠れた病気や不調のサインの場合もあるのです。

ここでは、自宅で様子を見るか、病院に連れて行くべきかを判断するための目安と、家庭でできるセルフケア方法などについて紹介します。

ワンちゃんの下痢の種類

理想的なワンちゃんのうんちは、手でつかんでも形が崩れない固さです。ペットシーツや地面にはほとんど跡が残らず、サッと持ち運んで捨てられる程度が目安です。

下痢はうんちの状態によっていくつかの種類に分類されます。「固さ」「色・見た目」「下痢が続く期間」の3つの観点から、一般的なうんちの分類について紹介しましょう。

うんちの固さによる違い

うんちの固さは、うんちに含まれる水分量で決まります。下痢も水分量で状態が変わり、水分量が多くなるにつれ「軟便」「泥状便」「水様便」と呼ばれています。
・軟便
軟便は健康的なうんちとほぼ変わらない形状ですが、水分量が多いため持ち上げると形が崩れます。比較的軽度な下痢に分類され、食欲があり元気なら問題がないことがほとんどです。ただし、1日に何度も軟便が出たり、嘔吐などの身体症状が出たりする場合は動物病院を受診しましょう。

・泥状便
泥状便は軟便よりさらにやわらかく、明らかに下痢をしているとわかる状態です。うんちの形が保たれないため、手でつかむことはできません。軟便と同様、ほかの身体症状の有無に注意し、繰り返す場合は動物病院を受診しましょう。

・水様便
水様便はサラサラとした液状の便で、ワンちゃんがいきまなくても出ます。水様便が続くと体内の水分を失いやすいため、ほかの身体症状がない場合もできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

うんちの色や見た目の違い

下痢の原因によって、うんちの色や見た目にも変化が現れる場合があります。うんちの色や見た目による分類は、主に次の4つです。ワンちゃんが普段と異なる色や見た目のうんちをした場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
・黒色便
黒色便はタール便ともよばれるうんちです。胃や十二指腸などの上部消化管に炎症があると、血が混じって黒色の便になることがあります。赤ではなく黒色になるのは、血液が時間の経過とともに変色してうんちに混ざるためです。また、食事の内容や鉄剤など薬の影響で、真っ黒なうんちになる場合もあります。薬など心当たりがある場合は、かかりつけの獣医師さんに相談してみてください。

・鮮血便
鮮血便は、赤い血が混じるなど、鮮やかな血の色がはっきりわかるうんちです。大腸や直腸、肛門など、おしりに近い場所で出血している可能性があります。

・粘膜便
粘膜便は、ゼリーのような半透明の粘液をまとったうんちです。この粘液は大腸の粘膜から分泌される物で、粘膜便が出る場合は、大腸に何らかの異変が起きていると考えられます。

・白色便
白っぽいうんちは、脂肪便とも呼ばれ、消化不良などで脂肪分が多く含まれた状態です。脂肪分の消化を担う肝臓、膵臓、胆のうなどに問題がある可能性があります。

下痢が続く期間による違い

下痢の症状が出てから数日で自然に治る、あるいは下痢止めや整腸剤を使ってすぐ治まるものを「急性下痢」、薬を使っても3週間以上症状が続くものを「慢性下痢」といいます。慢性下痢は下痢止めなどの一般的な薬での治療での改善が難しい場合が多く、検査を行って原因を突き止めることが必要です。

ワンちゃんの下痢の原因はさまざま

ワンちゃんが下痢をする原因はさまざまです。ここでは、大きく6つの原因をピックアップして解説します。ワンちゃんが下痢をした際、原因として考えられるものがないか確認しましょう。

食事

食べすぎ、食べたことのない食材の摂取、水分のとりすぎなどによって、ワンちゃんが下痢をすることがあります。食物アレルギーなども考えられるため、普段と違う食事をした後は注意深く見守ってください。ちょっとしたおやつも、与える際は注意が必要です。

ストレス

敏感なワンちゃんは、「いつもと違う」状態にストレスを感じやすいものです。ペットホテルに預けた、長時間留守番をしていた、トリミングや旅行に行ったなど、生活や環境の変化がストレスとなり下痢をする場合があります。

誤飲・誤食

おもちゃや人間の食べ物、紙や布などの誤飲・誤食も、ワンちゃんの下痢を引き起こす原因のひとつです。人間の食べ物の中には、ワンちゃんが食べると中毒症状を引き起こす物もあります。ワンちゃんの周辺に気配りをするとともに、落ちている物を口に入れる癖があるワンちゃんは、家の中や散歩中の拾い食いなどにも注意しましょう。

寄生虫

特に子犬に多いのが、回虫症、爪実条虫症といった寄生虫による下痢です。うんちに問題がなくても寄生虫がいるケースもあるため、子犬をお迎えする際には必ず検査をすること、いっしょに暮らし始めたばかりのワンちゃんが下痢をしたら、早めに動物病院を受診することを心掛けましょう。

薬の影響

治療のために使用している薬の影響で、下痢を起こす場合があります。多く見られるのは、抗菌剤を使用した際に腸内細菌のバランスが変わることで起こる下痢です。

また、ワンちゃんが腎不全の場合は便秘になりやすく、改善するために下剤を使用することがあります。下剤の量が多いと薬が効きすぎてしまい、下痢を起こしてしまうケースも。そのため下剤を使用する場合は、様子を見ながら使用していくことになります。かかりつけの獣医師さんとよく相談しながら投薬しましょう。

病気

パルボウイルス感染症、ジステンパーウイルス感染症など、ウイルスや菌によって引き起こされる下痢もあります。ワクチンでしっかり予防することが大切です。

また、膵臓の異常(膵外分泌機能不全)や免疫異常、腫瘍といったものが下痢の原因となるケースもあります。ただ、これらの場合の下痢は、特徴的な便の色や、出血を伴う、長期で治らないなどといった特徴もあるので、オーナーさんが病気のサインに気づくことが多いようです。気になる症状がある場合は動物病院を受診しましょう。

下痢の原因となる部位によって症状が異なる

ワンちゃんの下痢はさまざまな原因で起こりますが、うんちやワンちゃんの状態によって、小腸(十二指腸、空腸、回腸)と大腸(盲腸、結腸、直腸)のどちらに原因があるかなどは、ある程度推測することもできます。主な違いは次のとおりです。
小腸と大腸どちらに問題があるのかわかれば、どのような病気なのか、どのような治療が必要なのかを獣医師が判断しやすくなります。どちらが原因なのかまでは判断せずとも、受診の際に上記の内容を聞かれたら答えられるようにしておけるといいでしょう。

ワンちゃんの下痢に気をつけたい時期

下痢のしやすさはワンちゃんによって異なりますが、成犬と比べて子犬やシニア犬は下痢をしやすい傾向があります。子犬は成犬と比べて免疫力が低いため、ウイルスや細菌、寄生虫による下痢を起こしやすいです。シニア犬は、消化器官の衰えや腸内環境の悪化などによって下痢をしやすくなります。

なお、ワンちゃんの年齢に関わらず、季節の変わり目には注意が必要です。一日の気温の変化が大きいと、おなかの弱いワンちゃんの場合は下痢をしやすくなります。

ワンちゃんが下痢をした際、動物病院へ行く目安は?

ワンちゃんが下痢をしたとき、「病院へ行くべきかどうか」で悩むオーナーさんは多いでしょう。自宅で様子を見てもいいケースと、動物病院を受診すべきケースを紹介します。

自宅で様子を見てもいいケース

下痢をしていても、食欲があって普段どおり元気なら、食べすぎやストレスなどによる一過性の下痢である可能性が高いです。下痢以外の症状がないことを確認した上で、様子を見ても良いでしょう。ドッグフードを変えた、食べ慣れない物を食べたなど、思い当たることがあるようなら、できるだけ以前の生活に戻して経過を観察してください。

ワンちゃんのおなかを休ませるために、食事の量を減らして状態の変化を見るのもひとつの方法です。しかし、下痢の症状がひどくなったり、2~3日経っても回復しなかったりした場合は、早めに動物病院を受診してください。

動物病院を受診したほうがいいケース

ワンちゃんが下痢をした際、原因によっては急激に状態が悪化してしまう場合があります。すぐに動物病院を受診したほうがいいのは、下記のような症状や状態が現れるケースです。

<すぐに動物病院を受診したほうがいい主なケース>
・誤飲、誤食が疑われる
・水様便が頻繁に出る
・鮮血便が出る
・黒色便が出る
・嘔吐する
・食欲がない
・元気がない
・体重が減ってきた
・3日以上、下痢が続いている

動物病院を受診する際は、下痢をしている期間と普段の様子を医師に伝えるとともに、うんちの状態を見てもらうことをおすすめします。排泄直後のうんちを持って行くか、写真を撮っておきましょう。排泄直後のうんちが重要なのは、時間が経つと寄生虫の卵が分解されてしまったり、腸内細菌のバランスが変わってしまったり、うんちの色が変わってしまったりして正確な診断ができなくなってしまうためです。

下痢をしやすいワンちゃんのために家庭でできること

人間にも、体質的におなかが弱く下痢をしやすい人がいるように、ワンちゃんの体質にも個性があります。下痢をしやすいワンちゃんと暮らしているオーナーさんは、下記の4点を意識してあげるといいでしょう。

食事の内容を見直す

食材は、なるべく消化の良い物を選びましょう。硬いクッキーやジャーキーといった消化しにくい物、体を冷やすトマトやきゅうり、胃腸に負担がかかる脂身の多い肉類などは避けてください。ドライのドッグフードを与えている場合は、水でふやかしてからあげるとスムーズに消化できます。

下痢の回復に向けて食事量を減らす場合は、消化吸収に配慮したドッグフードや、少量で栄養がとれる高たんぱく・低脂肪の鶏ささみ、白身魚などを中心にするのもひとつの方法です。

食事の切り替えは段階的に行う

ワンちゃんの年齢や体質に合わせて食事を変えることは大切ですが、急に切り替えると下痢をしやすくなるおそれがあります。これまで食べていた食事に新しい食事を少しずつ混ぜるような形で、段階的に切り替えるようにしてください。一般的なドッグフードなどであれば最低でも1週間から2週間、療法食の場合は3日くらいかけて変更していくのがおすすめです。

下痢をしているときは安静にする

ワンちゃんが下痢をしているあいだは、激しい運動や遊びは控え、自宅で静かに過ごさせましょう。散歩も控えめにすることをおすすめします。

下痢で汚れたおしりまわりは丁寧にケア

下痢をすると、おしりまわりが汚れがちになります。そのままにしておくと皮膚に炎症を起こし、痛みや腫れの原因になる可能性があるため注意が必要です。
ウエットティシューでやさしく拭く、ぬるま湯で洗い流してしっかり乾かすといったケアで、清潔な状態を保ちましょう。

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大王製紙「キミおもい」のワンちゃんシリーズは、ワンちゃんとの暮らしがもっと幸せになることを目指したペット用品ブランドです。ワンちゃんのトイレ関連商品のほか、お手入れ用品もそろいます。

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下痢をしたワンちゃんのおしりまわりは、皮膚に負担をかけないよう注意しながら拭いてあげることが大切です。肌にやさしいつくりで、水分をたっぷり含んだ「キミおもい 肌にやさしいウエットティシュー」なら、洗い流すように汚れを拭き取ることができます。手足や顔まわりのケアに使用するのもおすすめです。

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ワンちゃんが下痢をしたら、様子をよく見て受診の判断を

ワンちゃんが下痢をする原因は、その子の体質や環境によってさまざまです。下痢をしても元気で食欲があるようなら、それほど心配はない可能性があります。おしりまわりの汚れが炎症による痛みにつながらないようこまめにケアをし、できるだけ近くにいて安心させてあげるといいでしょう。

ただし、食欲や元気がない、下痢が続く、嘔吐などほかの症状が見られるといった場合は、迷わず動物病院を受診して検査を受けるようにしてください。

よくあるご質問

ワンちゃんの下痢の原因は?

ワンちゃんが下痢をする原因はさまざまです。多いのは食事の内容や量によるもので、急激に食べる物が変わったときや食べすぎたとき、食べ慣れない物を食べたときなどに下痢をすることがあります。誤飲・誤食、食物アレルギーなどにも注意が必要です。そのほか生活や環境の変化によるストレス、寄生虫、細菌、ウイルスによる感染などが原因となる場合があります。

ワンちゃんが下痢をした際に動物病院へ行く目安は?

ワンちゃんに下痢以外の症状がなく、元気で食欲があれば動物病院に行かず、様子を見てもいいでしょう。下痢以外に嘔吐などの症状がある、ぐったりしている、2~3日経っても回復しないといった場合は、すぐに動物病院を受診してください。受診時には、排泄直後のうんちを持って行くか写真に撮った画像を見せると状態を正確に伝えやすくなります。

下痢をしやすいワンちゃんのために家庭でできることは?

下痢をしやすい体質のワンちゃんがいる場合、まずは食事の内容を見直すことが大切です。消化の良い食材を中心に、胃腸に負担がかかる食べ物はできるだけ避けるようにしてあげましょう。

下痢をしているときは、激しい運動や長時間の散歩は控えてください。トイレに行った後のおしりまわりのケアに気を配り、ウエットティシューでやさしく汚れを拭き取る、シャワーで丁寧に汚れを落として乾かすといったお手入れなども大切です。

画像提供/PIXTA


監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。

ガイア動物病院

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