遊び方ひとつで変わる!ワンちゃんとのいい関係を育む「上手な遊び方」

遊び方ひとつで変わる!ワンちゃんとのいい関係を育む「上手な遊び方」

ワンちゃんと飼い主さんが遊ぶ画像

ワンちゃんと遊ぶ時間は楽しいものですが、遊んでいるうちに興奮して飛びついたり、甘噛みが強くなったりしてしまうことがあります。そのままにしていると、思わぬケガやトラブルにつながることもあるため、遊び方には注意が必要です。
そこで今回は、動物行動診療専門の獣医師・和田美帆先生に、飼い主さんが意識するとよい遊び方のポイントや、ワンちゃんを興奮させすぎない方法について伺いました。

目次

遊びの時間は、ワンちゃんにとってどんな意味がある?

ワンちゃんにとって遊びは、子犬期に行う「狩りの訓練」のような意味合いがあります。そのため狩りでするような動き―たとえば「嗅覚による探索」「追いかける」「捕まえる」「噛む・破壊する」といった行動を、遊びの中に取り入れてあげることが大切です。

また、遊びはもともと狩りの訓練の場でもあるため、一緒に遊ぶときにルールを設けることで、人との関わり方や関係性のルールを教えることもできます。特に子犬は、感情のコントロールがまだ得意ではありません。そのため、成犬はもちろんですが、特に子犬期は「どんな遊び方をするか」に意識を向けてあげましょう。

ポイントは、「遊ぶ時間」と「落ち着く時間」を切り替えること。楽しそうだからと好き放題にさせるのではなく、興奮してきたらいったん遊びを止め、落ち着いたらまた再開する、というようにメリハリをつけましょう。

また和田先生によると、ワンちゃんと遊ぶときは、テレビやスマートフォンを見ながらの「片手間」にならないよう心がけることも大切だそうです。ワンちゃんは、人の表情や声のトーン、体の動きなどから感情を読み取り、自分の行動を変えています。遊ぶときはしっかり向き合いルールを一貫させることで、よりよい関係づくりにつながります。

和田先生のワンポイントアドバイス

ワンちゃんは犬種によって、狩りの中の「特定の行動」を好む傾向があります。たとえば、レトリバー系の犬種は「獲物をくわえて飼い主に見せる」ことを好みます。ダックスフンドは「獲物を確実に仕留めたい」本能が強いため、ピューピュー鳴るおもちゃを音がしなくなるまで破壊することがあります。
このように好みがさまざまなので、狩りの一連を満喫できる遊びを幅広く与えてあげるのはもちろん、その子が特に好む遊び方を見つけ、安全に楽しめるよう工夫してあげることが重要です。

遊びの中で見られる興奮のサイン

遊びの中でワンちゃんが見せる「興奮のサイン」について、具体的に紹介します。ワンちゃんはいきなり興奮がピークになるわけではなく、その前に小さなサインが表れていることが多いです。
たとえば、おもちゃを使って「引っ張りっこ遊び」や「もってこい遊び」をしているとき、次のような様子が見られることがあります。

ワンちゃんが興奮し始めたサイン

  • うなり声が大きくなる
  • 眼(瞳孔)が大きくなる
  • 前足で押してくる
  • おもちゃのくわえ方が強くなる
【ワンちゃんが興奮し始めたサイン】うなり声が大きくなる、眼(瞳孔)が大きくなる、前足で押してくる、おもちゃのくわえ方が強くなる

こうした様子が見られたときは、興奮が高まり始めているサインです。この状態のまま遊び続けると、飛びつきや甘噛みなどの問題行動に発展したり、飼い主さんの指示が聞けなくなったりすることがあります。
そのため、興奮しすぎる前の段階で、いったん遊びを中断しましょう。落ち着いた声で「オスワリ」や「フセ」などの別の行動指示を与えると、過度にテンションが上がりすぎるのを防ぐことができます。
ワンちゃんの様子が落ち着いたら、また遊びを再開してあげましょう。このように指示を聞けたらまた遊びが再開される、という行動をくり返すことで、「飼い主さんの指示を聞くとよいことがある」と学習させることができます。

和田先生のワンポイントアドバイス

興奮しきってから遊びを止めるのではなく、『少しテンションが高まってきたかな』という段階で区切ることが大切です。早めに切り替えることで、ワンちゃんも落ち着きやすくなります。

上手な遊び方のポイント

飛びつきや甘噛みなどの困りごとは、遊び方を少し見直すだけで起こりにくくなることがあります。ここでは、すぐに実践できる遊び方のポイントを3つご紹介します。

ワンちゃんに「オスワリ」を指示して興奮を落ち着かせている画像

①人の手や足で遊ぶ経験をさせない

飼い主さんの手や足を使ってじゃれさせる遊びは、ワンちゃんが「人の体に噛みついて遊ぶ」という行動を覚えてしまうため、興奮したときに人に噛みつきやすくなってしまいます。遊ぶときはロープやボールなどのワンちゃん専用のおもちゃを使うようにし、人の手や足では遊ばせないようにしましょう。

②「ダメ」と言っても遊びを続けていたら何も伝わらない

遊びの最中に人の肌に歯が当たったら、「あっ!」と短く言って、遊びを一時中断しましょう。その後、「オスワリ」や「フセ」で落ち着けたらしっかり褒め、再び遊びを再開してあげてください。

③ワンちゃんの「好きな遊び」を見つける

ワンちゃんとできる遊びにはさまざまな種類があります。その子に合った遊び方を見つけることは、満足感につながるだけでなく、興奮させすぎないためにも大切です。
興奮しやすいワンちゃんや、甘噛みが出やすい子犬には、次のような遊び方がおすすめです。

噛まないよう教える遊び

甘噛みが出やすい子犬の場合は、ロープ状のおもちゃや大きめのぬいぐるみなど、人の手を噛みにくいおもちゃを使った「引っ張りっこ遊び」や「もってこい遊び」がおすすめです。人を噛んでしまう頻度を減らしながら楽しく遊べます。たまに噛んでしまったときだけ遊びを中断すれば、「噛むことはよくないこと」と教えやすくなります。

噛まないよう教える遊び

「もってこい遊び」が続きやすくなる工夫

「もってこい遊び」で、おもちゃをなかなか離してくれない子には、同じおもちゃを2個用意しましょう。投げたおもちゃをくわえたタイミングで、もう1個のおもちゃを見せるようにすると、「もってこい遊び」が成立しやすくなります。

「もってこい遊び」が続きやすくなる工夫

一匹で落ち着いて遊ぶ時間も作る

「引っ張りっこ遊び」や「もってこい遊び」は発散には最適ですが、おもちゃを見るだけで興奮しやすくなってしまう子もいます。そのため知育玩具やノーズマット、噛むおもちゃなどを取り入れ、ワンちゃんが一匹で落ち着いて遊ぶ時間も作ってあげるとよいでしょう。

知育玩具やノーズマット、噛むおもちゃ

和田先生のワンポイントアドバイス

どんな遊びが合うかはワンちゃんによって異なります。表情や動きをよく観察しながら、その子が好きな遊びを見つけてあげましょう。

ワンちゃんにとって遊びは、ただ楽しいだけでなく、本能を満たす重要な役割があります。また、「飼い主さんの指示を聞く」「気持ちを切り替える」といった、人と生活するうえでのルールを学ぶことにもつながります。ワンちゃんの様子をよく観察しながら、その子に合った遊び方を見つけて、よりよい関係を育んでいきましょう。

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