この日はスラム街キベラのなかにある孤児と貧困児童のための学校「マゴソスクール」にて、同じくキベラ内にある12校のプライマリースクール(日本の小学校~中学校にあたる)と、2校のセカンダリースクール(日本の高校にあたる)の代表者に集まってもらい、月経教育と生理用ナプキンの配布が行われました。
「ハートサポート2018」のプロジェクトメンバーで、マゴソスクールの創始者であるリリアンさんから、集まった生徒・代表者に対して生理用ナプキンの正しい使い方・処理の仕方、生理の始まった女の子が気をつけなければならないことをお話ししました。
学校代表として、この会に参加した生徒たちからは「学校のみんなとも、私たちの抱える問題について話し合いたいと思っています。日本のみなさんのおかげで、生理用品の心配をせずに生活できるのがうれしい。不安なく学校に通えそうなので、早く使ってみたいです」との声が聞かれました。
支援対象となる近隣地区のリーダーで、プライマリースクールの校長でもあるクレメント先生は「『ハートサポート2018』はスラム街に暮らす女の子、スラム街にある学校関係者すべてにとって、夢のようなプロジェクトです。女子生徒の生活を改善する可能性があるだけでなく、彼女たちの教育機会・未来の創出に役立つからです」と話してくれました。
「マゴソスクール」と同じく、支援の拠点となっている「フリパルス助産院」のフリーダ院長にお話を聞きました。
ケニアの古い価値観では「生理中の女性は穢れている」とのイメージがあります。それは、他人に経血が見えたり、臭いがしてしまったりすることが原因であると考えています。
キベラはスラム街ですから、住んでいる人数に対して、生活スペースはとても狭いです。学校の教室も狭小です。そのため、生理用ナプキンがなく、不衛生な布で代用している場合には、吸収力がないので経血が漏れてまわりの人に見られてしまったり、替える布がないために、臭いが部屋や教室に充満してしまったりします。そのような状況が起こるため、生理中の女性は汚いと思われてしまうのです。
しかし、生理用ナプキンがあれば、この問題は変わっていくと思います。経血が他人に見られることもありませんし、きちんと交換できていれば臭いもしません。「ハートサポート2018」の支援によって、このことを実際に、身をもって体感できる女性が増えていきます。いままで生理用ナプキンを使えた女性は少ないですから。
生理であることをまわりに気づかれずにすごせるようになるのは、大きな変化です。ケニアに根深い女性蔑視の要因のひとつを、なくしていけるキッカケになるかもしれません。