初潮を迎えるお子さんと
家族の心がまえ

初潮教育の重要性

情報収集の注意点

多くのお子さんは、心と体の変化に戸惑い、不安に感じていることと思います。最近はインターネットでさまざまなことが調べられますし、お友達から情報も入ってきます。

しかし、中には間違った情報がまぎれていることも事実です。間違った情報を鵜呑みにしないように、公的機関や医薬品メーカーなど、信頼できる情報源から得られる正しい知識を身につけさせ、不安を取り除いてあげましょう。

初潮に対する
不安の緩和

初潮の量

初潮は必ずしも赤い経血が大量に出るとは限りません。少量の経血や、少し茶色っぽい経血の場合もあります。その後、月経周期が安定してくるにつれ、経血の量も増えてくるということをお子さんに伝えておきましょう。

ドクターから

経血の量は個人差がありますので、どのくらいの量が正しいとは言えませんが、月経が始まったばかりの頃は、経血の量についてあまり気にしなくても大丈夫です。しかし、大人になっても少量の状態が続くようでしたら、卵巣などの働きに問題があるかもしれませんので、一度、婦人科を受診してみてください。
逆に多い日用のナプキンを使用しても1時間で溢れるくらい量が多い場合は、婦人科の受診をおすすめします。疾患の有無を確認した上で、ピルなどで経血量をコントロールする場合もあります。

月経不順

月経は通常25~38日程度の周期で起こるとされていますが、月経が始まったばかりの頃の周期は不安定です。初潮から2回目までに間が空いたり、2~3ヶ月に1回や年に数回だったりすることもあります。

ドクターから

10代から20代半ばくらいまで、月経不順で受診される方は比較的多くいます。出産して初めて周期が整うという方もいますので、自然に様子を観察するのも一つの手段です。しかし、月経不順に加え経血量も多い方や、いつ月経が来るのか分からず生活上不便を覚える方などは、ピル等で月経周期を整えることもできますので、婦人科にご相談ください。

初潮がなかなかこない

周りのお友達は初潮を迎えるのに、自分だけいつまでたっても来ないと悩むお子さんもいるでしょう。
身長や体重がみんな違うように、体の機能の成長も人それぞれ、遅い人もいれば早い人もいます。遅いからといって不安に思わず、その時を待ちましょう。もし、高校生(16歳頃)になっても初潮が来ないようでしたら、婦人科に相談してみましょう。

初潮を迎えたとき、
保護者が気をつけて
あげること

月経周期のチェック

初潮が来たから安心、というわけではありません。とくに10代の頃は月経周期が定まらず、不規則になりがちです。
お子さん自身で月経周期の記録をつけさせましょう。毎月つけておけば周期の確認ができて体の変化もわかりやすくなります。保護者の方はお子さんの月経がきちんと来ているか、月経痛に苦しんでいないかなど、ときどきお子さんと話したり、トイレのゴミ箱をチェックしたり、気にかけるようにしましょう。

イライラ、生理痛

月経の前後はホルモンの影響で、イライラしたり、お腹が痛くなったり、不快な症状が起こる方もいます。これはPMS(月経前症候群)と呼ばれ、他にも肌荒れや便秘、頭痛など、さまざまな症状が現れます。保護者の方は、月経のときにはこんな症状が起こるかもしれないと、あらかじめお子さんに伝えておきましょう。

ドクターから

月経による腹痛などがあまりひどいようでしたら、婦人科にご相談ください。
鎮痛剤の使用法を工夫するだけでも、症状が軽減する可能性があります。
重度のPMSや月経困難症に対して治療的にピルを使用することもあります。

食生活

思春期はとくに、周りと自分を比べ、痩せるためにダイエットを行うお子さんも多いです。しかし、過度のダイエットは月経不順や無排卵性月経を引き起こし、将来、不妊症や骨粗しょう症の原因にもなりかねません。

成長期には、良質なたんぱく質が含まれる肉や魚、ビタミンやミネラルを多く含む野菜類を摂るなど、バランスのよい食生活を心がけましょう。食生活や生活リズムを整えることが、心と体の健やかな成長につながります。

カラダは冷やさないように

最近はどこでもクーラーが入っていて、カラダを冷やす原因になっています。特にミニスカートやヘソ出しスタイルで足腰やお腹を冷やすと、月経不順や月経痛を引き起こしやすく、将来の不妊にもつながります。
冷えは血行を悪くし新陳代謝を低下させるので、肌荒れや便秘の原因にもなります。室内の冷えすぎには保護者の方も注意し、普段からスカーフなどをバッグにしのばせてカラダを冷やさない工夫をするよう教えてあげましょう。

衛生管理

月経中は体全体の抵抗力が弱まる時期でもありますので、雑菌などに感染しないよう、いつも清潔にしておきましょう。

また、入浴することで血行が促進され、月経痛なども軽減されます。経血の量が多いときは、足浴やシャワーを浴びるだけでもいいでしょう。

ナプキンの交換頻度について

月経中のナプキンはトイレに行くたびに、また、量が少なくなっても長い時間同じナプキンを使わないように、最低でも多い日で2~3時間、少ない日で3~6時間で替えるようにしましょう。

長時間替えないでいると、高温多湿な状態になり、雑菌が繁殖しやすくなることで、嫌なにおいがしたり、かゆみや感染症が起こる原因になったりします。

逆に、汚れを気にしすぎて、石けんなどで性器を洗いすぎるのもよくありません。細菌から体を守ろうとするおりものの働きが弱まり、かえって感染症になる可能性も高まります。月経中でも、いつもの入浴と同様にお湯で洗い流せば充分です。

知っておいてほしいお話
感染症と子宮内膜症について

最近の若い女性に急増しているのが感染症と子宮内膜症(後述)。特に感染症は無知から感染することが多く、一度かかると治りにくく、将来、妊娠・出産の異常や不妊の原因になるので、気をつけましょう。感染症の主な症状は、おりもの、外陰部のかゆみや痛み、下腹部痛などで、おりものの色や量、ニオイなどによってはさまざまな感染症が考えられます。

代表的なものとしては、雑菌による細菌性膣炎やカビの一種、真菌で妊婦に多い、カンジダ感染症。黄色のおりものと、かゆみやニオイの強いトリコモナス感染症、クラミジア感染症、性病の淋病やエイズなどがあります。
このような感染症を予防するためにも、コンドームなしで性交渉を持たないよう注意が必要です。

また子宮内膜症とは、月経時はがれ落ちて排出される子宮内膜が子宮内以外の場所(卵巣、卵管、腹腔)でも増殖し、出血を起こしてしまう病気で、毎月の月経前や月経中、強い痛みを伴います。原因はまだわかっていませんが、若い人に増えていて、不妊症を招きやすいので、月経痛が強いようなら、一度受診してみましょう。

準備してあげるもの

ナプキン

月経時の経血を吸収させるナプキンには、大きさや形の違うものがいろいろあり、経血の量や用途に合わせて選ぶことができます。
お子さんの生活スタイルやお肌のことを考えながら選んであげましょう。実際のナプキンで使い方を教えてあげることも必要です。

生理用ショーツやナプキンを入れるポーチ

かわいい生理用ショーツやポーチなどを用意しておくことで、月経を迎えるのが楽しみになります。一緒にお買い物に行って選ぶなど、お気に入りを見つけてあげましょう。

また、外出先であわてることがないように、いつもカバンやバッグに携帯させましょう。