二宮清純×アスリート「やさしさに包まれて」 福西崇史(元サッカー日本代表)

第1回 中東遠征の戦い方

二宮今回は元日本代表の福西崇史さんをお招きしました。福西さんは愛媛県新居浜市の出身です。

福西大王製紙の三島工場がある四国中央市は隣の市ですね。工場の近くを通るたびに「大きいなぁ」と思っていたのを覚えています。

二宮さて、2012年のサッカー界はA代表がブラジルW杯のアジア最終予選に臨みます。今の日本代表は軸である「4−2−3−1」のシステムに加え、アルベルト・ザッケローニ監督の代名詞でもある「3−4−3」を試しています。しかし、昨年の北朝鮮戦で敗北を喫するなど4バックから3バックへの適応にはまだ時間がかかる印象を受けました。現場の選手からすればシステム変更は容易ではないのでしょうか?

福西シンプルに考えれば大きな問題ではないと思います。確かに4バックから3バックに変更すれば、DFラインの人数は1人少なくなる。しかし、フィールドプレーヤーが9人に減ったわけではありません。人数が少なくなったポジションには、必要な時に誰かがカバーに入ればいいんです。この理屈さえ理解しておけば、決して難しいことではないと思いますね。

二宮代表は選手を拘束できる期間が限られているので練習もたくさんできない。この点もクラブチームとは違う難しさです。

福西しかも所属クラブによっては3バックのチームもあれば、4バックのチームもあります。3バックに慣れている選手と、そうでない選手がいる。選手間の3バックの経験値に差があることも、チームづくりで大変なところだと思いますね。

二宮つまり、ザッケローニ監督は困難を承知で新システムに挑戦していると?

福西試合が始まると監督はグラウンドの中に入って細かい指示はできません。最終的には相手や状況によって4バックか3バックにするかを、試合の中で選手たちだけで判断し、柔軟に対応できるようにさせたいんでしょうね。

【中東勢のカウンターに注意】

二宮最終予選では複数の中東勢と同組になることが予想されます。福西さんも現役時代に中東遠征の経験がありますが、苦労する点は?

福西まずは移動距離が長いので、時差調整が必要になってくることです。これがうまく調整できないと体が重く感じられて普段のプレーができません。ジュビロ磐田に所属していた時はよく中東でキャンプを行っていました。時間を考えずに練習していると、イスラム教のお祈りの時間に入り、電気が消えて周りの人たちもゴザを敷いて礼拝を始める。こうなると何もできません(苦笑)。なので、礼拝の時間までに練習を終わらせるか、それ以降から始めないといけないんです。こういうサッカー以外の細かい部分まで気をつかわなければなりません。

二宮中東の中でも、どの国が一番大変でしたか?

福西サウジアラビアの暑さはちょっと厳しかった。異様な暑さで、サウナの中で息を吸っているような状態でした。サウジに限らず、こういった暑さなどに対処するにはテクニックよりもメンタル的な強さが求められます。もちろん、試合中の体調管理も重要です。倒れないようにこまめに吸水しながら、必要以上に体力を失わない戦い方に変える必要があります。

二宮中東のチームは暑さを踏まえて、カウンターアタックを戦術の中心にしているところが多いですね。

福西あの酷暑の中で前半から飛ばしていてはとても体力が持ちません。なので、守備を固めた上でカウンターからの一発勝負のサッカーに特化したのでしょう。ただ、これまで中東の選手たちはプレーに雑なところがあった。それが今は高い技術を持った選手が増え、ひとつひとつプレーに正確性が出てきています。なので、精度の上がったカウンター攻撃には今まで以上の注意が必要ですね。

二宮ピッチの状態はどうですか?

福西そんなに悪くありません。まあ、芝が固めだとは感じましたけどね。逆に日本が良すぎるんですよ(笑)。日本と比べれば、どうしても悪い部分が目につきますけど、気にしないことが大切ですね。

第2回 スポーツマンは爽やかであれ!

二宮ところで福西さんはエリエールの「ドデカシート」の愛用者だとか?

福西引退してからかなりお世話になっていますね(笑)。というのも、サッカースクールを行った際、会場によってはシャワーがないところがあるんですよ。そんな時のために「ドデカシート」を持参して行くんです。商品名のとおり、シートが大きいので助かります。このぐらい大きくないと体をふけないですからね。

二宮汗臭いまま帰るのは嫌ですもんね(笑)。

福西スポーツマンは爽やかでないといけませんから(笑)。でも、これは初めて見ました。「ドデ勝つシート」。

二宮ちょっと匂いをかいでみてください。

福西うぉっ。これはメントールが強烈ですね!

二宮受験生の眠気覚まし用につくられた商品だそうです。

福西確かに。これは顔を洗うのと同じくらい目が覚めますね。暑い夏場にスポーツをやった後に最適かもしれません。

【最大の敵は花粉!?】

二宮他に普段から使用しているエリエールの製品はありますか?

福西ティシューですね。僕はアレルギー性鼻炎で、しかも花粉症なんです。なので、1年を通してティシューは欠かせません。

二宮Jリーグの開幕はまさに花粉が舞う春先ですから、その時期は相当大変だったのでは?

福西いやぁ、鼻水が止まらなくて困りましたよ。ハーフタイムに入ったら、もちろんすぐ鼻をかみにいくし、ティシューを鼻に詰めたまま練習していた時もあります(笑)。

二宮それだけ使っているとティシューにこだわりもあるのでは?

福西僕は肌が弱いので保湿性のあるティシューを選んでいますね。僕の2人の息子も鼻をかむことが多いのですが、子供はどうしても鼻をゴシゴシとこすっちゃうので赤くなりやすい。だから家には柔らかくて、保湿性のあるティシューを置いています。

二宮では、これからの時期は花粉対策でマスクを欠かせませんね。

福西花粉シーズンには鼻が通りやすくなるようメントールの入ったマスクをよく買います。もちろん、エリエールのマスクも使ったことがありますよ。

二宮ちなみに、どのマスクを?

福西「エリエール パーフェクトブロックマスク」です。一般のマスクよりフィルターが分厚いんですよね。あとは、ゴムヒモが太くて柔らかいから、耳が痛くなりにくい。マスクの前面に「エリエール」という小さいロゴが入っているところも特徴ですね。

二宮詳しいですね!

福西花粉対策だけでなく風邪予防にマスクを使う頻度は多かったですからね。だからいろんな製品を試しています。僕はメガネをかけることもあるので、それでマスクをつけると、どうしてもレンズが曇ってしまう。今後はメガネの曇らないようなエリエールのマスクが開発されたらうれしいですね。

第3回 父としてオムツ替えは当然

二宮2人の息子さんもサッカーをやられているとか。何歳ですか?

福西12歳と8歳です。

二宮もう、随分大きいんですね。生まれたばかりの頃はオムツ交換もしていたのですか?

福西やっていましたよ。それこそ「GOO.N(グーン)」も使っていました。ウチの場合はテープタイプではなくパンツタイプの「GOO.N」でしたね。

二宮前回のマスクに続いて、オムツにも詳しいとは(笑)。じゃあ、立派にお父さんの役割を果たしていたんですね。

福西当たり前じゃないですか(笑)。現役時代は試合などで家を空けることも多かったので、それぐらいしないと怒られちゃいますよ。

二宮ハハハ。では、引退後は家族サービスをする機会も増えたでしょう?

福西そうですね。ただ、テレビなどの仕事は時間が不規則になりがちなので、子供と会えないこともあります。だから、家にいるときは朝はきちっと起きて、子供たちを学校に送っていったり、一緒にいる時間をつくるように心がけています。

【ドゥンガに学んだプロ意識】

二宮現役時代はクラブと日本代表の掛け持ちで、多忙な選手生活だったと思います。
福西さん流のリラックス法は?

福西僕は「オン・オフ」の区別をしっかりつけるようにしていました。オフの時には、何も考えずにボーっとしたり、音楽やテレビをつけたりして、その時の気分のままに過ごすことが一番のリラックス法でしたね。

二宮では、スイッチを「オン」に入れるには?

福西オフの時間をきちっとつくっておけば、ピッチに出てホイッスルが鳴ったら、「さあ、やるぞ!」というスイッチが自然と入るんです。人によっては本を読んだり、音楽を聴いたりして集中力を高めるといいますよね。でも、僕は逆に「集中することに集中」してしまうので、そういうルーティーンは決めませんでした。ただ自然体で試合に臨んでいましたね。

二宮こういったオン・オフの区別のつけ方は誰かに教わったんですか?

福西教わったわけではありませんが、磐田時代のドゥンガの影響は大きいでしょうね。彼は練習中や試合では「うるさいわ!」とこちらが頭にくるくらい指示や意見をガーガー言ってきます。ところが練習や試合が終わると何も言ってこない。逆に、食事に誘ってくれたりして、すごく気を遣ってくれる優しい面がありました。

二宮ドゥンガは当時のブラジル代表。94年のW杯でブラジルが優勝した際にはキャプテンを務めました。オン・オフの区別が明確なのも一流の条件なのかもしれません。

福西そう思いますね。プロで生きるためのひとつの方法として勉強になりました。食事も自分でつくったり、プロ意識がとても高い選手でしたね。プロに入るまで愛媛で育って、ドゥンガのようなトップレベルを知らなかった自分にとって彼から学ぶことは多かったです。

二宮ドゥンガの手づくり料理を食べたことは?

福西あります。ドゥンガのつくってくれるサラダがうまいんですよ。野菜にバルサミコソースとオリーブオイルをかけて、塩を振った絶妙の味付けでしたね。

第4回 日本に真の強豪クラブを!

二宮現役引退後は、客観的に日本と海外のサッカーを見る機会が増えたと思います。福西さんの現役時代と比べて、日本サッカーのレベルはどの程度、上がっているのでしょう?

福西ものすごく上がっていると感じます。海外に移籍するだけではなく、香川真司(ドルトムント)のように、しっかり結果を出せる選手が出てきたことがそれを証明しているのではないでしょうか。

二宮では、次回のブラジルW杯、日本の目標は?

福西ベスト8を狙ってほしいです。これまでの代表は監督が代わるたびに新たなサッカーを構築していました。しかし、ザッケローニ監督は岡田武史監督のやってきた攻守ともにチーム一丸となって戦うスタイルを踏襲しつつ、攻撃面での課題にも取り組んでいます。前体制のベースに上積みするかたちでチームづくりをしている点は、日本にとってプラスではないでしょうか。

二宮海外で活躍する選手が増えた半面、心配なことがあります。Jリーグでは昨季、J2から昇格した柏レイソルがJ1で優勝し、天皇杯もJ2同士の決勝になりました。各クラブの実力が拮抗していると言えば聞こえはいいのですが、リーグ全体のレベルが頭打ちになっているのでは?

福西J1クラブは頑張らなければいけないですよね。もちろん、柏や京都、FC東京ともに実力で勝ったことは事実ですし、ジャイアントキリングもサッカーの醍醐味だとは思います。とはいえ、簡単に優勝させてはダメだと思いますね。

二宮福西さんの現役時代は、リーグ戦もカップ戦も強豪クラブが優勝を争い、下位クラブや下部クラブの前に立ちはだかっていました。

福西僕が磐田にいた頃は、鹿島アントラーズがライバルでしたし、他にも横浜F・マリノス、浦和レッズなど強いクラブがありました。その前は、打倒・ヴェルディ川崎(現東京V)でマリノスが台頭してきた。2強でも、3強でもいい。抜きんでて強いクラブに他が対抗するという構図があったほうがリーグが盛り上がると思いますね。

【ゴルフは足でカップイン?】

二宮選手としてプレーすることは叶いませんでしたが、地元にはJ2の愛媛FCがありますし、今後は指導者としてのオファーがあるかもしれません。

福西もちろん、将来的にはどこかのクラブで指導者になりたい気持ちがあります。現状はJクラブの監督になれるS級ライセンス、その前のA級ライセンスもありませんから、まずそれらを取得することが目標ですね。

二宮サッカー以外のスポーツは?

福西ゴルフをやることが多いですね。現役時代からやっていたんですけど、引退してからゴルフ場に行ける機会が増えたので、あまり練習はしていませんけど楽しんでやっています。

二宮運動センスのある福西さんならゴルフも上手そうですね。

福西いやいや。ゴルフは道具を使うスポーツなので苦労しています。クラブでボールを扱うのがどうも慣れないですね。パットも難しいし……(苦笑)。でも、ハマっていることは確かです。

二宮福西さんの場合、クラブで打つより、蹴ったほうがスコアが良かったりして(笑)。

福西そうなんですよ(笑)。難しい2段グリーンとかだと、「足でやったほうがいいんじゃないかな」って。実際、ピン側のボールを足でポンと蹴って入れたことがあります(笑)。

二宮アハハハ。今年のエリエールレディスオープンは愛媛で開催されますから、プロアマトーナメントに出場してみてはいかがでしょう。

福西ぜひお願いしたいですね。いや、地元で恥をさらすことになるかな(笑)。大会まで猛練習しておきます。

福西 崇史

福西 崇史 (ふくにし・たかし)  プロフィール

1976年、愛媛県出身。95年、新居浜工高からジュビロ磐田に入り、中盤の主力として3度のリーグ優勝に貢献。日本代表では02年のW杯日韓大会、06年のドイツ大会と連続出場。ドイツ大会ではグループリーグ2試合にスタメン出場した。07年、磐田からFC東京へと移籍。翌年に東京ヴェルディへ移り、同年限りで現役を引退。ポジショニングの良さと判断の早さに加えてヘディングが強く、セットプレーでは高い得点力を誇った。引退後はサッカー解説を務める傍ら、JFAアンバサダーとして全国各地での普及活動を行っている。
A代表通算64試合7得点。

バックナンバーはこちらから

ページトップへ